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塾ブログ 林間教育通信

2017/10/06

カズオ・イシグロのノーベル文学賞受賞。

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カズオ・イシグロが2017年度のノーベル文学賞を受賞した。イシグロは、いずれノーベル文学賞を受賞できるだろうということは、多くの人が前々から確信していたはずだ。だが、こんなに早くに受賞できるとは、誰も予想できなかったのではないか。しかし、いずれにせよ、自分が愛読していた作家がノーベル文学賞を受賞できるとは、本当にうれしい!

 

人間歳を取ると、そういう喜びが増えてくる。ちなみに昨年はボブ・ディランのコンサートに初めて行ってきたのだが、なんとその年にノーベル文学賞を取ってしまって、これは本当にびっくりだった。実は、それ以前も、私のお気に入りの英語圏作家が2人ノーベル文学賞をとったのだが、これは予想の範囲内だった。なお、今後15年内の英語圏文学者のノーベル文学賞を予測すると、インド生まれのラシュディとカナダのマーガレット・アトウッドである。(アトウッドの『待女の物語』のTVドラマ版は、現在北米で人気放映中だ。そのうち、日本にも来るはずだ)。

 

さて、イシグロが日本生まれのイギリス人作家であることは、皆さん報道でよくご存知でしょう。どんな作品かというと、一言で言えば、主人公の子ども時代の思い出のような心理的表象について、絶妙なリズムで語りかけてくる英語と言ってしまいましょうか。読み手(聴き手)に訴えかけるものがあって感動を呼ぶのです。

 

僕たち英語を教え、学ぶ者にとっては、イシグロの小説は、格好の英語教材としても有名でした。イシグロを読んで英語を勉強している英語教師は案外たくさんいるはずです。シンプルな英語なので、外国人の英語学習者にもお手本になる良い英語だからなのでしょう。

 

僕自身、When we were orphans(邦題『わたしたちが孤児だったころ』)と、Never Let Me Go (邦題『わたしを離さないで』)は英語の原書で全部読んでみたわけです。とくに前者は、カセットテープ(もちろん、もうアマゾンでは売られていません)まで購入し、テープレコーダーで何度も聴いてみた。(写真は、僕が購入したカセットテープです)。

 

もちろん翻訳で読んでも、イシグロ作品は楽しめる。イシグロや村上春樹のような世代の作家は、自分の作品が翻訳されることを前提に文章を書いているので、翻訳で読んでも違和感がない。

 

とはいえ、日本語だとしても、小説を読むのはちょっと面倒だなという人の方が多いでしょう。昔の僕が、そういう人でした。しかし、ご安心あれ、映像作品でも、イシグロ・ワールドの一端を楽しむことが出来る。オススメは、ジェームズ・アイボリー監督、アンソニー・ポプキンス主演の『日の名残り』と、綾瀬はるか主演の連続テレビ・ドラマ『わたしを離さないで』 である。(真田広之が出てくる『上海の伯爵夫人』は今ひとつかなあと僕は思ったが、評判は悪くない。また、安価で購入出来るようです)。

 

『わたしを離さないで』は、2016年の春に連続テレビドラマとして日本語リメイク版として放映された。が、シリアスな要素が強いためか、必ずしも視聴率は良くなかったらしい。また主演の綾瀬はるかは、こういう作品に出演することにより、連続人気NO.1女優の地位から陥落することにもなったとも聞く。しかし、見る人が見れば、このテレビドラマの面白さは、すぐに分かるはずだ。テレビを見てから(たぶん再放送がはじまるはず!)、原作・翻訳本にも挑戦してもらいたい。

 

最後に塾講師の独り言

 

カズオ・イシグロを楽しみながら考えながら読んでくれるような中高生であれば、慶應の文学部にはガリ勉不要で楽々合格できるんだがなあ。逆に、仮にガリ勉しても、慶應の文学部は無理筋かもしれない。なかなか受験勉強というのは、奥が深い。

 

 

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