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塾ブログ 林間教育通信

2016/05/09

シリウス式英語学習方法論 ―言語の普遍的性質を活用する(その1)

 

英語をまったくできない人は、単語の意味を適当につなぎ合わせて、英文の意味を解釈しようとします。いわゆる「単語連想法」です。これでも、易しい英文を読んでいるうちは、それほど支障はないのが実情です。公立高校入試レベルですと、「単語連想法」でもなんとか英文を読めてしまうかもしれません。しかし、ある程度以上複雑な文を読むとなると、こういうやり方では何が何だか分からなくなってくるはずです。英文を英文法に即して正しく読まいと、意味がとれなくなるのです。

 

だから、英語を正確に読み解けるようになるためには、英文法を学ばなければなりません。

 

しかし、英文法学習の方法論については、必ずしも共通理解がありません。シリウス英語個別指導塾の講師から見ると、ちょっとケシカランなあという英語教材もたくさんあるのが現実です。

 

日本人が学ぶ英文法学習は、日本人の中高生(および大学生・社会人)に相応しいものでなくてはならないのです。というのは、我々日本人は、全くの白紙状態から英語を学ぶ訳ではないからです。日本語のネイティブスピーカーとして、日本語を通して身につけた言語感覚・文法感覚や教養力をフル活用しながら英語を学ぶのが、もっとも正しい勉強方法だということですね。

 

もちろん、日本語と英語とでは、言語としての仕組みはかなり違います。しかし、双方とも同じ言語なのですから、言語として共通のもの、普遍的な何かを備えているように見えます。(念のために付け加えておきますが、ここでチョムスキーの普遍文法のような高尚な話をしようとしているのではありません(笑))

 

さて、その普遍的なものは何かと言えば、一つの文の中に、「修飾語と被修飾語」「かかる言葉とかけられる言葉」、あるいは、「主語と述語」のような、意味の上で密接な関係のある(呼応関係のある)単語間の意味のつながりが有るということです。また、一文を正しく理解するにあたって、最も重要な基本事項だとも言えるでしょう。

 

私自身は、欧州とアジアの言葉をいくつかしか勉強したことがありませんが、おそらくどの言語にも当てはまる普遍的性質と言って良いのではないでしょうか? 少なくとも、英語と日本語の双方に、こういった性質が共通にあるように思われます

 

もちろん英語のSVOSVCは、日本語には存在しないかもしれません。しかし、「修飾語と被修飾語」「主語と述語」という関係は、日本語にも英語にも成り立ちうるのではないでしょうか。我々は、それを最大限に活用すべきであると考えます。つまり、英語を日本語に訳すとき、英文における「修飾語と被修飾語」や「主語と述語」の関係を、日本語にもそのまま活かすべきでないでしょうか。

 

たとえば、次の英文を考えてください。

 

I have two dictionaries in my bag.

 

“in may bag” という単語のカタマリは、何を修飾しているでしょうか。常識的に考えて、二通り考えられます。(“I” を修飾している可能性もあり得るわけですが、ここでは省略します)

 

(a) “have”(被修飾語)           ←“in may bag” (修飾語)

(b) two dictionaries”(被修飾語) ←“in may bag” (修飾語)

 

(a)b) のどちらが正しいのか? 難しい言い方を敢えてすれば、“in may bag”“have”を修飾する副詞句なのか、それとも、“two dictionaries”を修飾する形容詞句なのか?

 

英語のネイティブ感覚を売り物にする先生方ならば、英語の内在的ロジックにしたがって読み解いていくかもしれません。しかし、日本人の英語入門者・初級者にとっては、日本語に訳しながら、考えていくのが近道でしょう。試しに日本語に訳してみましょう。

 

  • (a) 私は、私のカバンの中に、2冊の辞書を持っています
  • (b) 私は、私のカバンの中の2冊の辞書を、持っています。

 

(a)(b)もごく自然な日本語(純日本語)ではない、いや、どちらもちょっと不自然な日本語かもしれません。しかし、(b)の訳は納得しがたい不自然さがあると判断できるはずです。(b)「私のカバンの中の → 2冊の辞書」という訳よりも、(a)「私のカバンの中に → 持っている」という訳した方がより適切であると分かるでしょう。そして、この日本語訳から、“have” ←“in may bag” という修飾・被修飾の関係が適切なのだということを理解できるはずです。日本語と英語は、文法は異なっているかもしれませんが、修飾と被修飾の関係は共通しているです。

 

あるいは、英語の文を読んだだけで、(a) “have” ←“in may bag” が直感的に正しいと感じる学習者もいることでしょう。よろしい、それならば、「私のカバンの中に → 持っている」と訳してみて、「合点!」してみてもらいたいのです。(あるいは、“two dictionaries” ←“in may bag” であると思ったならば、「私のカバンの中の → 2冊の辞書」と訳してみて、「あれ、おかしいかな?」と思ってもらいたいのです)。

 

ブログの文字数が多くなりましたので、簡単に今回のまとめましょう。

 

日本語や英語を含むほとんどの言葉には、「修飾・被修飾」「主語・述語」といった普遍的な関係があります。だから、英語(外国語)の文を日本語に訳すときには、「修飾・被修飾」「主語・述語」の関係をそのまま日本語に訳すことができます。ですから、それを忠実に母語(日本語)に訳すことによって、英語(外国語)の「修飾・被修飾」「主語・述語」の関係を理解・解明していこうではありませんか。それが、英語入門者・初級者にとっての、最善の英語学習方法になるからです。我々シリウス英語個別指導塾からの英語教育への提唱です。

 

次回は、我々が提唱しない英文の訳の仕方にはどのような問題があるのか、説明をしていく予定です。

 

 

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