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塾ブログ 林間教育通信

2017/07/27

国語力や教養力をいかにつけるか。

先日、ある生徒(高校生)に「英語力をつけるためには、何をしたらよいと思う?」と質問してみました。このブログでは既に散々書いてきたことですので、レギュラー読者の方々ならば既にその正解をご存知かとは思いますが、恐らく、多くの生徒たちがまだまだ大きな勘違いをしていると思われますので、聞いてみたわけです。

 

案の定、わかっていない部分があって、「え~っと、文法を勉強して、単語を勉強してー、長文の日本語訳をしっかりとできるようにすること・・・」と弱々しく答えてくれました。もちろん、この生徒が挙げてくれたことは、英語力を身につける上で非常に重要な要素ではあるのですが、これは必要最低条件でしかないですね。

 

もちろん、稚拙な内容でよいから英語をペラペラ話せることが英語力だと信じ込んでいる人なら、単語とちょっとした文法を勉強をして、あとは実践演習だ!という考え方もあるかもしれませんが、一流大学を目指して「英語力」といえば、それは「長文読解力」ということにつながります。

 

生徒の皆さんに長文読解をさせていると、ある英文を文法的には正しい日本語に訳せても、それが結局どういうことを言っているのか、その本質的な意味がわからない、自分の言葉で言い換えたり、説明したりできない、という中高生は多くいるということを痛感します。さらに残念なのは、一応訳せてはいるので、自分ではわかったつもりになっていたりします。残念ながらそういう状態では、英語ができる、とは言えないし、早慶や一流国立大学の文系レベルの英語問題にはまず太刀打ちできない、ということになります。

 

ですから、既に繰り返し書いてきていますように、英語力を伸ばしたければ、言語能力や国語力、教養力(=背景知識)といった力を、同時に引き上げることが必要条件となるのです。

 

最近、古本屋で見つけて立ち読みした際にひどく気に入ってしまい、購入した本があります。『本当に身につく国語の基礎力』(野田眞吾 ごま書房新社)という本です。kokugoryokuその中に、国語力を身に着けるために必要な事の一つとして「語彙力を伸ばそう」ということが書かれていました。そして、語彙力を伸ばす3つの方法として、

 

1.読書によって増やす。

2.大人との会話によって増やす。

3.学習によって増やす。

 

という方法が挙げられていました。ここで注目すべきは、やはり、1.と2.の項目です。

 

私たちの経験から、英語がよく出来るようになるお子さんは、共通してよく本(=文字)を読んでいます。また、口の立つ子が多い。(←これは例外がありますが。)つまり、いつも言葉の近くにいる、ということです。だから、言葉をあっち持って行ったりこっちに持ってきたり、あんな風に言ったものをこんな風に言い換えたりと、あれこれこねくり回すのが苦痛じゃないし、困難でもない。数学が得意な子はよく「数」に馴染んでいるからですね。100という数字を見たら、そこからものすごくいろんなことが思い浮かぶ。同じく英語や国語が得意な子はよく「言葉」に馴染んでいるから。一つの「言葉」の奥に、ものすごくいろいろな世界観を無意識に広げているのですね。

 

 

今のお子さんの多くは、本をあまり読まないですね。特に、まともな本をほとんど読んでいない。しかしそれは子どもたちが読まないのではなく、周囲の大人(親)が読んでいないからなのではないか、と私は密かに疑っています。また、普段、お子さんとどんな会話をしていますか?稚拙な会話ばかりでは、子どもの語彙力を増強させることはできません。

 

前回ブログで書きました(半ばお願いした)ように、お子さんだけにいくら「本を読め、新聞を読め」といっても、それは無理な話。かつて自分が中高生時代に読んで感銘を受けた本は、わが子にも読んでほしい、読ませたい、と思うのが自然な親心ではないかと、私たちは思うのです。

 

親子で同じ本を読み、それについて、感想を言い合うとか、同じ新聞を読みお互いに意見を交わしあうという「日常」が、お子さんの語彙力を育み、思考力(言語能力・国語力・知性)を育むのです。

 

例えば、私(母)は『ドリトル先生』シリーズも好きなお話の一つなのですが、わが子が小学校低学年の頃に勧めました。子どももとても気に入ってくれ、それがきっかけで動物への関心も以前より深まったように感じます。中学生になった際には、「そろそろドストエフスキーなんかも読んでみたら?」「夏目漱石も読んでおくべきだよね。」などと勧め、『罪と罰』だとか『三四郎』だとか、読んでくれました。

 

それから、新聞ですね。新聞に関しても、親御さんが楽しそうに、あるいは、熱心に新聞を読んでいれば、子どももまた「一体(新聞には)何を書いているんだろう?」と好奇心をもって覗いてくるものです。(ただ、これはお子さんが小さいうちの方がそうなりやすいのかもしれませんね。小さいころの方が好奇心が旺盛な場合が多いですから。)

 

これもまた我が家の例ですが、当時わが子が小学校2年生の時でした。私が新聞を読んでいると子どもものぞき込んできて、かといってまだ大人の新聞を読めるはずもありませんが、広告に書かれている文章だとか絵を見て、(その時は確か、和歌山の梅干しの広告だったと記憶しているのですが)、それを見ながら「ねえ、新聞って面白いねえ」と言ってきました。「面白いと思う?読んでみたい?」ときくと「うん!」と答えてくれたので、即座に「朝日小学生新聞」を購読し始めました。

 

もちろん、小学生新聞を取り始めたからといって、子どもがすぐに毎日、隅から隅まで新聞に目を通すとは限りません。全く読まない日もあるでしょうし、あまり読まない日が、1か月、2か月と続いてしまう事もあるかも知れません。しかし、そこで親御さんが、「もったいないから」といって安易に新聞購読を止めるべきではないと思います。我が家では小学校卒業まで取り続け、その後中高生新聞に切り替えました。今どういう状態になっているかといいますと…

 

朝日中高生新聞は週刊ですので、毎週土曜日の朝に配達されます。これ、ポイントですよね。土曜日といえば、学校や部活がある人もいるでしょうが、休みの中高生も多いはず。だから、土曜日の朝、朝食を食べた後は、家族で新聞タイムです。実際、我が家はそういう風景がここ何年か続いています。

 

 

それというのも、私自身の毎朝の楽しみが、新聞を読むことで、朝食を食べたらひとまず(片付けそっちのけで)新聞に目を通す、という動きが体に染みついてしまっています。ですから、土曜日の朝、子どもが傍らにいようがいまいがいつも通り新聞を読むので、当然のように子どもも新聞を読むのです。

 

中高生新聞を読み慣れれば、当然一般的な日刊紙も読めるようになるわけで、勉強の合間に日刊紙を広げたりしています。また、大事な記事は切り抜きをしてファイリングすることにしていますから、それを子どもにも読ませたりします。すると当然、お互いに共通の話題ができますから、「あの記事についてどう思う?」と、家族の会話は、政治に関するものや社会問題について、となります。

 

ちょっと長くなりましたので、ひとまずここらあたりで一旦切ります。

 

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