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塾ブログ 林間教育通信

2018/02/04

慶應藤沢(SFC)中等部で始まる英語入試を考える(その1)

慶應義塾湘南藤沢中等部が遂に英語を入試科目に採用! 

 

すでに巷の話題になっていると思いますが、慶應湘南藤沢中等部 (←クリック)は、2019年度から一般受験生も英語で入学試験を受験できるようになるとアナウンスしています。 

 

 

従来の試験制度では、帰国生のみが英語受験を選択できました。(この時、英語試験は英語による「作文」とされています)。 ところが、2019年からは、一般入試生か帰国生かに係わらず、(1)国語・社会・理科・算数の4科目受験か、(2)国語・英語・算数の3科目受験か、本人が選択できるようになったのです。つまり、一般受験生であっても、理科と社会の代わりに英語を選んで、中学受験に挑戦できるようになるわけです。 

 

私立中学受験で英語受験できるのは、今まではあまり有名ではない中学校ばかりでしたから、たいした話題にもなりませんでした。しかし、来年度の2019年からは、慶應義塾大学の付属中学が英語受験に参加するわけですから、ちょっとした大事件だといえそうです。 

 

 では、どの程度の英語力が慶應義塾では求められているのでしょうか。案の定、他の私立中学よりもかなりレベルが高いようです。2016年9月段階の慶應湘南藤沢の案内 (←クリック)によれば「英検2級~準1級程度」となっています。英語力で英検準一級程度といえば、日本育ちの小学生としては、ほとんど不可能と言って良い位の超高水準ではありませんか。

 

しかし、もう少し注意して調べてみますと、慶應義塾湘南藤沢中等はそれとは異なったメッセージも発していることが分かります。2018年までの英語参考テストについてですが、慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部のウェブサイトのQ & A(←クリック)が興味深いのです。中等部入試における<英語参考テスト>とはどのようなものですか」という問いに、 「中等部入試において、英語に自信があり受験を希望する者を対象にしています。一般枠・ 帰国生枠いずれも受験可能ですが、同一問題です。レベルは英検2級程度で、 リスニングテストも含まれています」と解答しています。

 

英検準1級程度は、一般受験の小学校六年生には厳しすぎます。けれども、英検2級程度となると、日本育ちの小学生にも可能性が開かれているなという気がしてきます。 慶應が求めている英語力は、英検2級程度なのか、英検準1級程度なのか、それが大問題です。

 

あくまでも推測でしかありませんが、慶應側が求めている英語力をある程度予想することならば出来るでしょう。おそらくは、読解力(リーディング)と語彙力について言えば、英検準1級程度は小学生には難しすぎるという判断が慶應側にあるはずです。英検準一級で出題される英文は、『ナショナル・ジオグラフィック』とかWikipediaに出てくるような文章なのですが、小学生に積極的に読ませたい文章ばかりではありません。たいていのお子さんには、精神年齢がやや高すぎるのですね。 ですから、読解力と語彙力については、英検2級レベルを「本当に習得していれば」、十分余裕があるのではないでしょうか。

 

ただし誤解してもらっては困りますので、付け加えます。英検2級に合格と英検2級レベルの読解力があるというのは、全く別物です。というのは、英検2級合格者の多くは、英文の意味を正確には理解できなかったが、記号選択問題には正答できたというタイプだからです。英検2級の読解問題は高校生にとっても難解な英文なのです。したがって、英検2級レベルを「本当に習得」しているとしたら、小学生としてはかなり例外的に優秀だとみてください。

 

他方、書く(ライティング)については、英検2級程度では慶應側は少々物足りないはずです。というのは、我が国の英語教育事情を反映しているからなのでしょうが、英検の書く力の試験について言えば、ちょっと程度が低いからです。前述したように、慶應義塾湘南藤沢の従来の帰国生入試では、英語による本格的作文が求められていましたが、英検2級の英作文課題より遙かにレベルが高かったようにみえます。2019年度から慶應側が求める英作文力が英検2級レベルへと著しくダウンしてしまうとは考えにくいではありませんか。 

 

したがって慶應側は、英検準1級程度の「まとまった文章」を書く力が欲しいなと考えているはずです。 ただし念のために付け加えれば、大人に求められる題材、たとえば、「同性結婚制度の是認についての見解を呼べよ」とか、「我が国の憲法を改正して大統領制の導入すべきか」といった課題を英語で論じられるようにすべきだという意味ではなく、あくまでも、子どもに相応しい題材について、「まとまった文章」を書く力を慶應は求めるはずです。 (このテーマについては、次回もう少し詳しく書きます)。

 

以上の推測をまとめましょう。慶應の附属中学の入試で求めらるだろう英語力というのは、読解力は英検2級程度が求められるだろうが、書く力は英検準一級に近い程度まで求められてるだろう。つまり、英検2級合格力に加えて書く力を養成すれば、慶應義塾の中学入試に合格する可能性も出てくるのではないか。

 

そして、<英検2級合格力+英検準一級程度の書く力>は、日本生まれ・日本育ちの小学校6年生にとっては非常に難しい課題ではありますが、全く不可能な課題ではないでしょう。週刊STの愛読者レベルに到達していない小学生であっても、なんとか挑戦できるレベルのではないでしょうか。

 

とはいえ、従来の英検2級対策あるいは準1級対策は全く通用しません。理由は簡単です。従来の日本の英検対策や英語学習法は、(1)小学生を念頭にいれていない、というだけでなく、(2)書く力(と話す力)を軽視した方法論に則っているからです。このことを踏まえ、次回は具体的な学習法について考察を加えてみましょう。

 

 

 

 

 

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2018/01/13

英語学習と論理力形成について

昨年末のブログで「英語力を養成するためには論理力が必要だ」ということを書きました。では、その「論理(的に考える)力」とは一体どうやって養ったらよいのか、あるいは、養われているのか、について率直に答えを書いておきたいと思います。

 

 

端的に言ってしまえば、論理力を身に着けるために一番手っ取り早いのが

数学を勉強する、ということです。

 

 

 

既に何度も述べてきていることですが、英語のネイティブスピーカーではない者が高い英語力を習得するためにまず必要な力は、なんといっても「文法力」です。文法とは言語表現におけるルール=公式です。ですから、まずはそのルール=公式をよく理解して、その公式に則って単語を当てはめたり変形させて運用していくという作業が必要になります。

 

 

これが、特に基本レベルの数学の勉強をする際に使う思考回路と似ています。

 

数学の基本レベルでは、様々な公式を理解して覚えたら、それに則って数字を当てはめて計算をしたり、問題を解いていきます。扱う記号が違うだけで英語も同じ道筋をたどって、同じ思考回路を使っています。

 

もちろん、基本レベルですから、数学が苦手な人でも公式を覚えてそれに数字を当てはめればなんとか答えは導けます。しかし大事なのは、その過程であるということも強調しておきたい。つまり、その公式をしっかりと理解して主体的積極的に運用しようとしている人とにかく公式を丸暗記してただひたすら数字を当てはめているだけの人がいるということ。前者が数学が得意な人で、後者が苦手な人。こういった、基本レベルでの勉強への姿勢が、思考を柔軟に鍛える度合いに大きく影響するのだな、と生徒の皆さんから学ばせてもらったことです。

 

 

数学が得意な人にとっての「公式」と、数学が苦手でいやいや勉強している人の「公式」は、違った姿をしているのではないか、違う見え方をしているのではないでしょうか。数学が得意な子にとっての「公式」は自由自在に応用が利く有機体、苦手な子にとっての「公式」はただその形としてとどまっている無機質な個体。

 

 

以上の構造が全く英語にも共通する構造で、同じ英語の「文法」=「公式」でも見え方、感じ方が人によってそれぞれ違っているのだろうと感じます。

 

 

その公式を使って、いろんな形が作れて、いろんな場所へ行ける=いろんな表現ができるんだ!とワクワクしながら英語と接している人と、とにかく一生懸命真面目~にその公式を覚えて、ひたすら単語を当てはめて、と眉間に皺寄せて必死になっている人がいます。

 

 

数学が好きだったり得意な人にとっては、英文法の考え方、問題の解き方は、無意識に、あるいは容易に、数学を勉強する感覚とつながっていくのでしょう。だから特に当塾のように、英文法の理論を「論理的に」教えてあげると、「なんだ丸暗記しなくても考えたらわかるんだ」ということに気づいて、気楽になるし、楽しくなるんですね。

 

 

ですから、「数学が得意な人は英文法が得意になる」割合が高いのです。

 

数学力と英語の文法力の間には相関関係があると言ってよいと思います。

 

ですから、高い英語力を身につけたかったら、数学を主体的に勉強することが、まずは前提条件です。バリバリの理系ほど出来る必要はありません。が、数学は嫌いじゃない、苦手ではない、程度の力がなければ、なかなか英語の勉強にも苦労することが予測されます。

 

 

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2017/12/15

東大・東工大・一橋・東外大・慶應・早稲田等一流大学を本気で目指す中高生募集!

 

今年も早いものであと2週間を残すのみとなりました。

 

東大・東工大・一橋・東外大や早稲田・慶應といった一流大学を本気で目指しているけれど、肝心の成績が今一つ、といった高校生には今こそがジャンプアップの最良の時期ですね。

 

 

 

数学あるいは国語はまずまずなんだけど、肝心の英語が…と英語の成績向上に悩んでいる中3~高校生に、私たちは確実にお役に立てるとお約束します。

 

 

 

その理由は

 

 

指導歴20年の本物のプロ講師による

 

 

1:1の完全なるマンツーマン指導で、

 

 

密度と内容の濃い学習ができるからです。

 

 

 

*我々の授業の仕方は巷にある一般的な指導法とは大きく違います。

 

簡単にご説明しますと、丸暗記的な学習をなるべく排除し、理論的に文法を理解させることに主眼をおいています。丸暗記したものは一旦忘れてしまうと思い出すことはなかなか難しいですが、理論的に理解したものは、忘れてしまっても思考の道筋をたどれば思い出すことも容易なのです。ここまでで、分かる方には即お分かりいただけるかと思いますが、詳しくは面談時に具体的にご説明させていただきます。(お電話にて保護者とお話しさせていただいた時点で、本気で当塾で勉強する気があると確認できた段階で面談へと進みます。)

 

 

 

*常に自分が声を出し、自分の頭を使って学ぶスタイルを重視しています。その為、一人一部屋という、ある意味贅沢な空間をご提供しています。ですから、他人の目を気にすることなく、私たち講師とあなたが常に英語や日本語を発して、質疑応答を繰り返しながら理解を深めていきます。

 

当塾で鍛えられれば、英会話的なものや英作文等が得意になるだけではなく、思考力や言語能力そのものが向上します。これは他教科への好影響をも及ぼします。

 

 

 

*我々のマンツーマン、個別指導は指導歴20年のプロ講師が直接指導するものです。ですから、真剣に学べば急速に後れを取り戻すことが可能です。理論的に説明していきますので、今まで漠然と勉強していたあらゆることが一つ一つ明確になっていきますし、おそらくは文法の規則性の美しさに感動し、やる気がでてくることでしょう。

 

 

 

*あなたの志望大学合格までにどんな力が不足しているか。それを正確に分析できるのは見る目を持ったプロ講師がマンツーマンで指導するからです。大手予備校では進学指導をしてくれる担当と実際の指導者は異なります。従ってあなたに対する進学指導は主に模試の成績を見ながら行うことになります。しかし模試の数値(偏差値)だけでは実際のあなたの実力はわかりません。例えば、ある程度数字(偏差値)は出ていたとしても、それが実力の伴った結果なのか、たまたまなのか。実力はあるけれど今一つ結果に結びつかない何か問題があるのか、etc…。

 

 

当塾ならば、実際にマンツーマンであなたと密接に関わっている指導者が、進学指導までするわけですから、あなたの強みや弱み、模試の成績には表出していない部分までも指摘することが出来ます。それによって、志望大学合格までに必要かつ効果的な課題を、より正確に見つけることが出来ます。

 

 

 

*大学受験において最後にすべきことは何といっても過去問対策です。プロ講師によるマンツーマン指導だからこそ、あなたの受験する大学、学部に絞った過去問演習をたっぷりと行うことができます。大手予備校などでも○○大学対策コースといったようなものがあるようですが、所詮それは一般的な授業でしかありません。一つの大学でも学部によって問題の傾向は大きく異なることが多々あります。

 

ですから、あなたの受検する学部に絞って、かつ、得意な分野は軽く、苦手な分野(特に、英作文が課される場合など)はたっぷりと、臨機応変に細かく、かつしっかりとした対応ができるのは、当塾の個別指導だと自信を持って言えます。

 

 

 

 

とにかく何が何でも志望大学に合格したいんだ、というあなた。中3の今が最良のチャンスです。高1だったら悩んだり迷ったりする暇はもうありません。

 

 

確実に実力がつく当塾で、

 

私たちと志望大学合格の目標を確実に叶えましょう。

 

 

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2017/12/13

英検準一級の英作文の参考書の紹介

英検準一級は、2016年度から英作文の難易度が一段と難しくなった。2015年までの旧い問題を解いているのでは、英作文の練習としても不適切になってしまったのである。そんななか、ジャパンタイムズとロゴポートが2017年9月に新しい英検準一級向けの英作文の参考書を出版したのである。

 

ジャパンタイムズ& ロゴポート『最短合格! 英検準一級英作文問題完全制覇』(2017年)

 

本書は最新の英検準一級の英作文問題に対応している。加えてamazonでの評価も高く、無料の音声ダウンロードも完備している。なので、英検準一級受験者には最高の参考書であると言いたいところである。だが、実際に購入してみたところ、ちょっと残念な参考書でもあることも判明してしまった。つまり、これから英検準一級にチャレンジし、なんとか合格したいと考える受検生にとっては、到底使いこなせそうもない参考書なのである。

 

いや、決して全然使えない本だという訳ではない。大学受験の過程で「自由英作文」の勉強はすっかりマスターし、慶應(経済)、早稲田(政経)、一橋大学の英作文ならば、高得点を取れる自信があるという人ならば、興味深く読めるだろう。とくに、英検準一級の英作文指導をする英語講師にとっては、講義のための貴重な参考資料集であることは間違いない。しかしそうでない人、たとえば英検2級は合格したので、今度は準一級に挑戦しようという英語学習者などにとっては、ちょっとおススメできないだけなのだ。

 

このブログでは、本書の紹介とその活用法について、見ていきましょう。まずは、本書の内容を見てみよう。

 

Chapter1「英作文問題を攻略する」では、どのようなトピックが取り扱われるのか、構成はどのようにしたらよいのかについて、簡単にまとめられている。平均して、一つのトピックについて見開きの2ページほどである。とくに大事なのは、全体の構成から、メモ取り、導入、本論、結論のまとめ方を論じた20~31頁のほぼ10頁にわたる部分である。

 

Chapter 2「英作文基本フレーズ58」では、意見・判断、一般論、原因と結果、仮定・条件、逆説・対比、増減・変化、比較について、その述べ方や表し方を網羅している。

 

いずれも、あっさりと簡潔に並べられている。だから、自由英作文の書き方はだいたい心得ているという人にとっては、要領よく再確認できる頁となっている。一方、はじめて本格的な自由英作文を書こうとい人には、取り付く島もない提示の仕方である。間違いやすいポイントの説明もないし、頭に残りにくいであろう。

 

Chapter3「分野別コンテンツブロック231」は、本書の目玉となる部分である。教育・育児、社会・経済、生活・健康、ビジネス・テクノロジーという英検の再頻出テーマに関し、40ー50語のパラグラフが231も紹介されている。

 

オンライン教育の是非について肯定側見解としては、「費用の安さ」「授業時間の柔軟性」「多様性」等に着目するものを、それぞれ40語あまりの英文(とその和訳)が掲載されている。他方、オンライン教育よりも従来式授業の方が有効であるという見解として、「講義以外の刺激」「教師の存在感」「共同体意識」等に着目して、これもまた40語あまりの英文(とその和訳)が掲載されている。

 

一つだけ、英文をそのまま掲載すると、次のような文である。

 

A benefit of online courses is that they are usually much cheaper than traditional classes.  This means that higher numbers of students can register for a wide variety of courses, and this leads to a more educated and skilled society overall.

 

こういう英文が、オンライン教育論だけで8つも収められているのだ。

 

同様に、「電気自動車は普及するか」「レストラン等における高齢者優遇の是非」「実家を出たらルームメイトと暮らすべきか」といった、英検準一級で出題されそうな題目について、それぞれ英文が網羅されているのである。本書の圧巻と言って良いだろう。

 

Chapter 4 「実践問題24」 24問のオリジナル問題と、それに対するYesとNoの模範解答がそれぞれ提示されている。つまり、全部で48の模範解答が収録されている。この模範解答集はちょっと貴重ではある。なにしろ、まだ新企画の英検準一級は2016年度に始まったばかりだからである。

 

さて、この参考書をどう使ったらよいだろうか。すでに述べたように、自由英作文をどうやって書いたら良いかわからず戸惑っている人、あるいは、適切な英語表現が出てこないで苦労している人、あるいは、一つひとつの英文をどのような順番で並べたら良いのか分からず困っている人を読者対象にした参考書ではないのだ。もちろん、英語中級者が間違いやすい箇所についての丁寧な指導とか、独学者のための自己採点のアドバイスはなどは全くない。

 

では、どんな活用法があるのか。まずは大学受験向きの自由英作文の参考書を用いて勉強しておくこと。(ありきたりになるが、Z会、大矢復、宮崎尊などによる参考書は、多少古くはなっているが今なおオススメである)。そのうえでChapter1をさらっと通読してみましょう。ここでは、英検準一級の英作文で満点ないしはそれに近い高得点を取るには、こういうエッセイを書いておけば十分なのだと確認できる。場合によっては、2015年までの旧試験との違いも、確認しておくこと。

 

ついでChapter2「英作文の基本フレーズ」だが、他の参考書で学習済みだろうから、読み飛ばしても構わない。

 

さて重要なのはChapter3である。このChapterには、256もの模範例文のパラグラフが有るわけだが、全部読み通そうなどとは決して思わないこと。この本は、あくまでも資料集として使いこなせばよいのである。具体的には、英検頻出のテーマだが、ちょっと馴染みがないなと思われるテーマについて、指導者のアドバイスの下でピックアップしてよく読みこんでおくことだ。この際、音読したりリスニングしたりして馴染んでおくのも良い考えだ。いずれにしても、自分もこんな風に英文を組み立てていこう、書いていこうという積極的な意識で英語をインプットすることである。(ただし、暗記暗唱までする必要はない)。

 

最後にChapter4のオリジナル問題が来る。この問題も、やはり不得手なトピックを中心に実際に英文を書いてみたい。全問解いてみるには及ばない。英作文の指導者がいて採点や添削をしてもらえる環境にあるならば、どんどん書いてみるようなアプローチで良いだろう。

 

以上。

 

2017年12月13日
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2017/11/23

英語を勉強することは論理力の形成とつながっている

中高生の皆さんに教えていて気になるところは山ほどあるのですが、今日は「論理力」ということについて書いていきたいと思います。

 

(1)論理的に英文を読み解く

 

と言いますのも、どの教科においても、様々な概念や事象を「論理的に」読み解き理解していく」ということが「学問」することの意義であり使命だからです。当然英語学習においても、文法や文章を論理的に理解し読み解いていく姿勢が求められます。

 

 

しかし、現状はどうかというと、中高生の多くにはーーというか大人の多くもなのですがーー「論理力」がなさすぎです。いったい日本の教育界はどうなっているんだろうかと、私たちは大きな危機感と焦燥感を持っています。

 

例えば下記のような英文があります。

 

We should do our best to understand each other.

 

ある生徒は、「私たちは お互いに 理解しあう 努力をすべきだ。」と訳しました。しかし、なぜそういう日本語訳になるのかと問うても、説明を全くすることが出来ない。(分かり易くなるように、訳文を文節等で区切ってみました)。

 

 

この訳文は、全くダメというわけではない。英文の雰囲気をよく訳しているようにも見えます。しかし、英語の初心者はこういう訳し方を絶対にしてはいけない。場合によっては完全な誤訳となります。というのは、英文法に即して正確な訳文を作っていないからです。そして、今からそんな大雑把な読み方をしていては、この先「必ず」伸び悩むことになります。

 

この英文の正しい日本語訳は、「私たちは お互いを 理解するために 最善を尽くすべきだ」となります。

 

” to understand each other” は、

 

× 「お互い 理解する」ではなく、

○ 「お互い 理解する」にしなくてはいけないのです。

 

 

 

 

ちょっと解説しておきますね。生徒達には何度も解説したり質問して確認しているのですが、

 

 

each otherというカタマリは代名詞で、(代)名詞は他動詞(understand)の目的語になります。

 

understand     each other

 

他動詞(を理解する)  目的語(お互い)

 

 

目的語をとる他動詞(この場合understand)は「~を理解する」という意味ですから、「~」というところに代名詞のeach other=「お互い」という意味が入る。よって” understand each other” は、「お互い 理解する」と理論的になるのです。

 

 

さらに、”to understand~” は不定詞の副詞的用法なので、「~するために」とする。そしてdo our best は「最善を尽くす」という熟語なので、それをしっかりと訳出(直訳)する。

 

こういう感じで訳してもらえれば、わたしたちは「ああ、この子わかってるね」ということになる。

 

 

もちろん、英文法のポイントをしっかりと押さえた上で、直訳のちょっと不自然だったり、硬すぎる部分があれば、辞書(英語辞典、国語事典など)の助けを借りたり、自分の日本語能力を駆使したりしながら、微調整するのであればそれは問題ありません。

つまり、

 

 

「お互い 理解する」と直訳したうえで、「お互い 理解し合う」と微調整するのであれば、それは大いに結構です。しかし、英文を見て、なんとなく雰囲気で「お互い 理解し合う」という訳してしまう生徒は、大いに問題アリです。

 

 

以上たった一文の英文を論理的に理解する道筋でした。

 

 

簡単な例でご説明しましたが、どのように考えてその日本語訳ができるのかを自分で説明できないような人が、この先、複雑な英文を正しく読めるようになると思いますか?複雑になればなるほど、より論理的に緻密に英文を分析していかなければならないのです。

 

 

我々は、非常に基礎的なことを地道にやっているわけです。ただ、誤解しないでください。ここで言う「基礎的なこと」というのは「本質的なこと」という意味であって、決して「簡単なこと」という意味ではありません。(もちろん一旦わかってしまえば非常に簡単なことではあるのですが、殆どすべての生徒たちにとっては一番難しいところです。)

 

 

その基礎的=本質的なこととは、英文を分子原子レベルまで分解し、分析してみながら、論理的な理解を深めていく作業です。この「分子原子レベルにまで分解する」という作業がどうも苦手だったり楽しめない子が多いのですよね。しかし、最も根源的なことですから、ここが抜け落ちてしまっては、以後何を学んでも何も学んでいないに等しいということになります。

 

 

この作業が楽しいと思える人にとっては英語の勉強というのは快楽につながるし、グングン伸びます!面倒だなあと思う人にとっては苦痛でしかないですからね、こちらもどこまで突っ込むべきか常に悩みます。( ;∀;)

 

 

ここでちょうどよい記事を見つけましたのでご紹介しましょう。

 

 

(2)杉田敏と論理的思考の重要性

PRESIDENT Onlineに掲載された記事です。イーオン社長の三宅義和さんと杉田敏さんとの対話形式で進められているものです。ご興味がありましたら以下をご覧ください。

 

英語の達人が社内公用語に賛成しないワケープレジデントオンライン ←クリック

 

 

杉田敏さんというのはNHKラジオ「実践ビジネス英語」の講師も務められている非常に有名な英語の講師の方です。お二人の対話の要点のみを列挙しておきます。

 

三宅さん: いくつもの日本企業が英語を社内公用語にし、英語資格試験を昇格・昇給の条件にしていますがこうした動向をどう見ていますか?

 

杉田さん: 私はあまり賛成しません。中国に進出している日本企業にも英語を「公用語」にしているところがありますが、どれだけコミュニケーションが達成できているかとなると疑問です。

 

 

拙い英語に日本語と中国語が混じりあってかえって意思の疎通を阻害している。一番の弊害は英語の不得意な人は全く蚊帳の外に置かれてしまうこと。人材を活用するという観点から非常に残念。

 

 

母語としての言葉がビジネス上で戦略的思考をするための重要な武器です。日本語できちんと考え、正確な文章を組み立てるということがまずは大事ではないでしょうか。

 

 

三宅さん:アメリカでは高校や大学でディベートやネゴシエーションなどを通してロジカルシンキングについて学ぶわけです。日本では論理よりも情緒という風潮があります。が、論理も身につけないと世界には太刀打ちできません。

 

 

杉田さん:日本人はロジックの大切さを学校で学んできません。親しくなった外国人ビジネスマンと話をしているとそう感じている人が多く、「日本人は本当にロジカルにものを考えられない国民なんだね」と残念そうに話します。

 

以上要約終わり。

 

 

いかがでしょうか?ロジカルシンキング、つまり「論理的な思考」というのがいかに大切であるかお分かりいただけたでしょうか?

 

 

 

いくら英語を必死で勉強しても「論理的思考力」が欠落していては実質的な意味はあまりないということ、せいぜい稚拙な英語をしゃべって海外旅行で困らないとか低レベルなことで満足する程度の人にしかなれないのだということを肝に銘じてほしい。

 

 

一方、私たちが知る限り今の日本の教育界ではロジカルシンキングを真に養っていく教育は(一部を除いて)ほとんどなされていないように思います。だから、「出来ない」のはある意味仕方がないことでもあるのですね。

 

 

ですから、私たちの質問に論理的に理路整然とした言葉で答えていくということがみなさんにとっていかに大変なことかはよくわかります。が、それなくして勉強することにどんな意味があるのだろうか?と私たちは強い疑念を抱いています。

 

 

次回は、じゃあその「論理的思考力」とやらをどうやったら習得できるんだ、ということについて書いていこうと思います。

 

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