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塾ブログ 林間教育通信

2016/05/23

バイリンガル英語講師にご用心。

英語圏で育った、いわゆる帰国子女でバイリンガルの英語の先生は、私学の中高一貫校を中心に増えているようです。

 

バイリンガルの英語講師というのは、しばしば憧れの対象です。確かに上級レベルの学習者にとっては、とても頼りがいがあるだ存在だろうとは思います。しかし、中学生などの英語入門者・初級者にとっては、むしろ用心しなければならない存在です。

 

新しい文法事項についてもほとんど何の説明もなしに教材を丸投げしてしまうとか、和訳をしてくれないとか、バイリン英語教師の悪評は私達の耳によく聞こえてきます。使用している教材も英語で書かれた英文法の本だったりするので、難しくて分かりにくいとか、生徒の方ではチンプンカンプンだというクラスの話も聞きます。

 

また、厳密にはバイリンガル講師とは限らないのですが、英語は英語で理解しようとか、和訳や文法用語なしにそのままイメージを取り入れようといった理想を掲げ、その内実は悲惨な結果であるという学校もあるようです。

 

更に、英語学習の方法論だとか英単語の覚え方のアドバイスも的外れだったりする場合が多々あります。お子さんがバイリンガル英語講師に当たった場合は、しっかりと対策を練っていく必要があります。

 

今回は、バイリンガル(志向の)講師や、英語は英語で勉強しましょうと提案する英語教師の指導方針の問題点の一つについて、少し詳しく説明してみましょう。

 

前回、次の様な図を描きました。日本人の英語学習者が英語を読むときには、

 

英語==>英語化された変な日本語(中間言語)==>自然な日本語

 

という回路で理解するのだというご説明をしました。この回路を作り上げることで英語を発信(話す、書く)する時にも、

自然な日本語==>英語化された変な日本語==>模範英語

という回路を用いることができます。これが正しい学習の仕方です。(ただし、「変な日本語」は学習者がステップアップするにつれて、だんだんと不要になります。英語がすり込まれていくうちに、変な日本語なしに英語の意味を理解し話せるようになるからです)。

 

模範英語  ====>英語化された変な日本語====>自然な純日本語

模範英語 <====英語化された変な日本語<====自然な純日本語

 

しかし、バイリンガル講師あるいはバイリンガル志向の講師は、それを良しとしません。「英語化された変な日本語」、あるいは「日本語化された変な英語」といった中間的言語を嫌うのです。英語を読んだり話したりするとき、変な日本語で媒介されるべきではないと考えているからです。言い換えると、英語を読んだり聴いたりしたとき、日本語を介さずに「そのまま理解」できるようにすれば良いと思っているのです。あるいは、自分の言いたい事を「直接そのまま」自然な英語にできるようにさせたいと考えているのです。彼らの理想を図式化すれば次の様になるでしょう。

 

自然な日本語 <==  自分の言いたいこと   ==>自然な英語

自然な日本語  ==> 気持ち、概念、議論など<== 自然な英語

 

たとえば、“this” と学ぶにあたって、「これ」という和訳を用いず、「時間的ないし空間的に近くにあるモノを指す概念」であるというふうに覚えさせるかもしれません。あるいは、「日本語に訳すな、イメージで覚えろ」とか、「オレンジの絵を見たら、orangeが思い浮かぶように、あるいは、orangeという言葉を聞けばこのオレンジの絵が浮かぶように」といったアドバイスになるかもしれません。

 

日本語を媒介させないで、「英語」と「その概念や気持ち」を直接つなぐ回路を設けるというのは、ある意味では非常に理想的です。英語学習者ならば、大いに憧れる境地でもあります。「英語は英語で」とか、「英語を、イメージや絵と直接結びつける」といったバイリンガル(志向の)教師の指導方針は、一見すると格好いいと思うかもしれません。ネイティヴみたいに英語を読んで話せる近道に思われるかもしれません。

 

しかし、日本の普通の学校に在籍する、日本人の生徒には薦められません。というのは、バイリンガル的英語教育は、日本の学校に在籍する、普通のご家庭の、普通の語学センスのお子さんには、ハードルが高すぎるからです。実際、様々な弊害が出ているようです。例えば、英語は英語でという教育を学校で受けている生徒たちは、正確な英文和訳が出来ませんでした。もちろん、和訳しないというのなら読んだ英文の意味を英語で説明してもらいたいものですが、全く英語を話すことはできません。バイリンガル教育だというのならば、生徒自身が英文を英語で説明出来なくてはいけませんね。つまり、「英語は英語で」といった教育方針は幻想だったのです。

 

大事なことは、性急に「英語は英語で」という回路を作ろうなどと目指すのではなく、まずは自分が培ってきた母語である日本語を最大限に活用していくことです。以前にも紹介しました模範英語と自然な日本語の中間言語のようなもの、あるいは「英語化された変な日本語」だとか「日本語化された変な英語」を活かす事です。そして、そうしているうちに、だんだんと英語の使い方を取り込んでいき、日本語を英語で塗りつぶしていくことが出来るのです。こちらの方が、よっぽど効率的効果的で、確実に成果が出ています。

 

少し分かりにくいかもしれませんが、これからが核心部分ですので頑張って読んでください。バイリンガル的な「英語は英語で」教育の欠点の一つは、「英語だけでは英単語だとか英文法のしくみをほとんど覚えられない」 ということなのです。英検2級くらいの英語学習者ならば、英英辞典だってある程度使えるでしょうし、英語で書かれた英文法の本だってある程度以上は、読めて理解できるかもしれません。しかし、仮に理解できたとしても、記憶に残らないのです。英語入門者であれば、なお一層覚えられません。百歩譲って、英語で英語を完全に理解したとしても、特別な事件でも起きない限り、すっかり忘れてしまう可能性大です。なぜなら、外国語の、ある単語や語句、または文法の規則性を覚えるためには、少なくとも一度は自分の言葉によって、つまり日本語の力を借りてしっかりと意識の中に刻み込むことが必要だからです。外国語=英語によってこれをすることは非常に困難です。

 

 

ちょっと違う例ですが、中学一年生が英単語の意味とスペリングをどう覚えたら良いでしょうか?バイリンガル教師ならば、絵と音声とスペリングを結びつけよとか言うかもしれません。しかし、英語を始めてたった数ヶ月の生徒にそれは無理というもの。最も現実的なのは、変な日本語や変な英語もどんどん活用することです。こんなやり方ちょっと恥ずかしいけれど(笑)、大事な事ですからはっきり書きますよ。英語を初めて学習する中学一年生の多くは英語のスペリングで苦労します。一つの方法論はインチキ英語かもしれませんが、ローマ字英語を使いましょう。やはり、この方が覚えやすいようです。こんな具合です。

 

Wednesday → ウェドネスディ → ウェンズディは水曜日

girl → ギルル → ガールで女の子

notebook → ノテボコ → ノゥトブックでノート

son → ソン じゃなくて サンは息子

 

英語のスペリングと音の関係についての規則(phonics)が定着するまでの間、こういったやり方はやはり便利ですし、有効です。真面目に学習していけば、そのうちこういう恥ずかしい中間語はなくなるはずです。自転車の補助輪はいつか外すためにあるのですから。(ただし、sonをソン、foundはフォウンドだと思い込んでいる中高生は沢山いるのではないでしょうか。いい加減にそろそろ卒業しましょう!)

 

長くなりましたのでまとめます。

 

バイリンガル(志向)の英語講師は、英語を英語で理解するとか、英語を直接イメージと結びつけようとしますが、あまりにも性急なためにうまくいきません。学習者の腑に落ちなかったり、意識の中にしっかりと刻み込むことができないので、結局は覚えることが出来ないのです。良く出来すぎた理想論に騙されないようにしましょう。

 

 

日本人学習者にとっての正しい方法論は、日本語を完全に排除するのではなく、むしろ日本語でしっかりとその論理を理解して、英語化された変な日本語(中間言語)を駆使しながら、英語という言葉の発想を徐々に理解し取り入れることです。これが私達日本人が英語を習得する上で、最も効率的効果的な方法論です。

 

当塾ではこのやり方でしっかりと結果が出ています。英文解釈はもちろんのこと、英語話者と英会話もできるようになっていますし、英文ライティングもしっかりとできるようになっています。(当塾の中学2年生の英会話の例を以前とりあげました。宜しければ右をクリックしてください。動画(1)動画(2)  また、英語の多読の自由英作文の事例は(右をクリック→) 「多読記録」でとりあげました)。

 

次回、バイリンガル教師の問題点についてもう一つ書くべきことがありますので書きます。

 

 

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2016/05/20

東大的シリウス英語学習 方法論――文法的な訳し方にこだわる

前回の記事では、日本語と英語は異なる言語かもしれないけれども、「主語と述語」「修飾語と被修飾語」という考え方は共通している。だから、英語を日本語に訳すときにも、その関係を活かすことが出来るという趣旨を述べました。

 

英語を読むときに大事なのは、主語と述語(述語動詞)、修飾語と被修飾語という意味のまとまりを確認することです。そして、日本語に訳すときにも、同じように「主語と述語」「修飾語と被修飾語」と訳してきましょう。英語の「主語と述語(動詞)」は、そのまま日本語の「主語と述語」に訳すことが出来るからです。

 

他方、日本語訳をするときに、ほとんどこのことに関心を払わない人たちが多いのも事実です。英語入門段階の中学生に対して「できるだけ自然な日本語にしましょう」などと指導している、非常に困った英語教師が結構多く存在します。しかし、「主語と述語」「修飾語と被修飾語」に配慮せずに、いきなり自然な日本語に直す英語教育だけは、本当にすぐ止めてもらいのです。(そういう困った英語教師・教授(例、青山学院大学の木村松雄センセイ)がいるので、我々はこういうブログを書かざるを得ないのです)。

 

たとえば、次の英文があります。

 

She   plays   the piano   well.

(主語) (述語動詞)(目的語)(playsの修飾語)

 

適切な指導を受けていない生徒たちの大半は、「彼女はピアノがうまい」と訳します。この和訳は「自然な日本語」に直すという意味では正解かもしれません。しかし、これは我々の基準から言えば0点の答案です。

 

というのは、「主語と述語」「修飾語と被修飾語」の関係が適切に訳されておらず、また目的語(the piano)について「を」という助詞を用いていないからです。英語学習者にとって一番大切なことは、「主語と述語」「修飾語と被修飾語」の関係をしっかりと捉え、それをそのまま直訳することなのです。また、日本語には必ずしも正確に訳せませんが、目的語はなるべく「を」を使って訳すことが大事です。なぜなら、入門・初級の段階では、英文を通して文法を学習しているわけですから、英語の文法を意識しながらその英文を読み解くという繰り返しの中で、次第に文法力がついてくるからです。

 

しっかりと直訳できない生徒については、英語力が伸び悩むことを危惧しています。理由は大きく分けて二つあります。一つは、複雑な英文を読み取ることが出来なくなってしまうことです。

 

“She plays the piano well.“のような中1英文ならば、「彼女」「弾く」「ピアノ」「上手に」を適当に組み合わせるだけでも、意味はだいたい理解できてしまいます。我々は「単語連想法」と言っているのですが、要するに、文法無視のむちゃくちゃな和訳でも意味はおおよそ理解できるでしょう。しかし、学年が上がるにつれて、主語や目的語が長くなり、不定詞になったり、節(S+Vのカタマリ)になったりします。また、修飾語が不定詞、分詞、関係詞節になったりするのです。そのときに、いままでの「単語連想法」では文章の意味はほとんど分からなくなってしまいます。ですから、まずは易しい英文で、徹底的に文法的な解釈の練習をしておかなければならないのです。

 

ちなみに、優秀な生徒さんならば、英文を適切に直訳し、求められたらならば自然な日本語へと翻訳できます。 “She plays the piano well”は、 正しい直訳( 「彼女は ピアノを 上手に 弾く」)をしてから、自然な純日本語へと翻訳(「彼女はピアノを弾くのが上手だ」)をすれば良いのです。

 

“She plays the piano well”をいきなり「彼女はピアノが上手だ」と訳すようなやり方が駄目だというのには、もう一つ理由があります。それは英語を口から出したり、書いたりすることが出来なくなるということです。

 

「彼女はピアノが上手だ」を英語に直すのは大変です。純日本語というか、生の日本語だからです。この文を英訳するとしたら、いったい何を主語にすれば良いのでしょうか。「彼女」でしょうか、それとも「ピアノ」でしょうか。また、「上手だ」という日本語の形容動詞の英訳はどうしたら良いのでしょうか。初心者にとっては、大変悩ましい問題のはずです。

 

ところが、「彼女は ピアノを 上手に 弾く」のように、ちょっと英語化した変な日本語ですと、英語に転換するのは簡単です。主語は、助詞の「は」の前にある「彼女」でしょうから、sheにする。述語動詞は「弾く」ですから、playという動詞にする。「ピアノpiano」には「を」がついていますから目的語にすれば良いでしょう。さらに楽器なのでtheをつければ、the piano とする「上手に」は「弾く=play」を修飾していますから副詞のwellを充てればよいと、簡単に理解できるしょう。

 

英文を、「主語と述語」「修飾語と被修飾語」にこだわって日本語に直訳すると、ちょっと不自然でこなれていない変な日本語ができあがります。それが良いのです。そういう「英語を尊重した変な日本語」を一度介入させることによって、英語に戻すのもとても容易になるのです。

 

変な日本語をどんどん覚えれば、話せて書ける英語も増えていきます。例えば、「この道路が あなたを 駅に 連れていく」という和文を貯えておけば、“This road takes you to the station”という英文も簡単に発話したり書いたりできるようになるでしょう。つまり、「英語を尊重した変な日本語」を使いこなせることによって、英語的な発想も身につけ、英語を発信できるようになるのです。

 

ここで、まとめましょう。なぜ、「主語と述語」「修飾語と被修飾語」の関係にこだわって、英文を直訳することを我々は重視するのか。それは、難しい英文を読みこなす土台になると同時に、英語を書いたり話したりするときの助けになるからです。生の英語を生の純日本語へ、あるいは、生の純日本語を生の英語へと、いきなり転換しようとするのではなく、英語っぽい日本語(直訳的日本語)という一種の中間的な言葉を積極的に作りだし、それを媒介することによって英語を理解したり、発話したりしていくのです。

 

他方、学習者が自然な日本語に訳すことばかりしていたら、難解な英語は決して理解出来ず読めない、また片言英語すら発することも出来ないでしょう。

 

下図のような思考回路で言葉を理解したり発話していきます。

 

 

 模範英語    =======>英語化された変な日本語=========>自然な純日本語

 模範英語 <=======英語化された変な日本語<=========自然な純日本語

 

 

ただし、英語の上級者になって、すらすら英語を話せるようになれば、あるいは、本格的な翻訳ができるようになれば、中間的な言語は不要になりますし、自然と無くなってしまいます。あくまでも学習段階で必要なのが変な日本語で、上級者には不要なのです。ですから、英語学習の入門者や初級者がいきなり上級者の真似をしてはいけません。

もちろん、指導者もそういうことをさせてはいけないのです。

 

それから、念のために付け加えておきますと、英検準一級くらいまでの英語中級者は、スラングがあふれる本物の「生の英語」を読んだり聴いたりする必要はありません。文法的にしっかりと丁寧な学校的模範英語に触れているだけで充分です。ですから上の図では、一番左は「模範英語」としておきました。

 

今回のブログ記事、一度は書いておきたかったテーマなので、ちょっと長くなってしまいました。

 

 

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2016/05/09

シリウス式英語学習方法論 ―言語の普遍的性質を活用する(その1)

 

英語をまったくできない人は、単語の意味を適当につなぎ合わせて、英文の意味を解釈しようとします。いわゆる「単語連想法」です。これでも、易しい英文を読んでいるうちは、それほど支障はないのが実情です。公立高校入試レベルですと、「単語連想法」でもなんとか英文を読めてしまうかもしれません。しかし、ある程度以上複雑な文を読むとなると、こういうやり方では何が何だか分からなくなってくるはずです。英文を英文法に即して正しく読まいと、意味がとれなくなるのです。

 

だから、英語を正確に読み解けるようになるためには、英文法を学ばなければなりません。

 

しかし、英文法学習の方法論については、必ずしも共通理解がありません。シリウス英語個別指導塾の講師から見ると、ちょっとケシカランなあという英語教材もたくさんあるのが現実です。

 

日本人が学ぶ英文法学習は、日本人の中高生(および大学生・社会人)に相応しいものでなくてはならないのです。というのは、我々日本人は、全くの白紙状態から英語を学ぶ訳ではないからです。日本語のネイティブスピーカーとして、日本語を通して身につけた言語感覚・文法感覚や教養力をフル活用しながら英語を学ぶのが、もっとも正しい勉強方法だということですね。

 

もちろん、日本語と英語とでは、言語としての仕組みはかなり違います。しかし、双方とも同じ言語なのですから、言語として共通のもの、普遍的な何かを備えているように見えます。(念のために付け加えておきますが、ここでチョムスキーの普遍文法のような高尚な話をしようとしているのではありません(笑))

 

さて、その普遍的なものは何かと言えば、一つの文の中に、「修飾語と被修飾語」「かかる言葉とかけられる言葉」、あるいは、「主語と述語」のような、意味の上で密接な関係のある(呼応関係のある)単語間の意味のつながりが有るということです。また、一文を正しく理解するにあたって、最も重要な基本事項だとも言えるでしょう。

 

私自身は、欧州とアジアの言葉をいくつかしか勉強したことがありませんが、おそらくどの言語にも当てはまる普遍的性質と言って良いのではないでしょうか? 少なくとも、英語と日本語の双方に、こういった性質が共通にあるように思われます

 

もちろん英語のSVOSVCは、日本語には存在しないかもしれません。しかし、「修飾語と被修飾語」「主語と述語」という関係は、日本語にも英語にも成り立ちうるのではないでしょうか。我々は、それを最大限に活用すべきであると考えます。つまり、英語を日本語に訳すとき、英文における「修飾語と被修飾語」や「主語と述語」の関係を、日本語にもそのまま活かすべきでないでしょうか。

 

たとえば、次の英文を考えてください。

 

I have two dictionaries in my bag.

 

“in may bag” という単語のカタマリは、何を修飾しているでしょうか。常識的に考えて、二通り考えられます。(“I” を修飾している可能性もあり得るわけですが、ここでは省略します)

 

(a) “have”(被修飾語)           ←“in may bag” (修飾語)

(b) two dictionaries”(被修飾語) ←“in may bag” (修飾語)

 

(a)b) のどちらが正しいのか? 難しい言い方を敢えてすれば、“in may bag”“have”を修飾する副詞句なのか、それとも、“two dictionaries”を修飾する形容詞句なのか?

 

英語のネイティブ感覚を売り物にする先生方ならば、英語の内在的ロジックにしたがって読み解いていくかもしれません。しかし、日本人の英語入門者・初級者にとっては、日本語に訳しながら、考えていくのが近道でしょう。試しに日本語に訳してみましょう。

 

  • (a) 私は、私のカバンの中に、2冊の辞書を持っています
  • (b) 私は、私のカバンの中の2冊の辞書を、持っています。

 

(a)(b)もごく自然な日本語(純日本語)ではない、いや、どちらもちょっと不自然な日本語かもしれません。しかし、(b)の訳は納得しがたい不自然さがあると判断できるはずです。(b)「私のカバンの中の → 2冊の辞書」という訳よりも、(a)「私のカバンの中に → 持っている」という訳した方がより適切であると分かるでしょう。そして、この日本語訳から、“have” ←“in may bag” という修飾・被修飾の関係が適切なのだということを理解できるはずです。日本語と英語は、文法は異なっているかもしれませんが、修飾と被修飾の関係は共通しているです。

 

あるいは、英語の文を読んだだけで、(a) “have” ←“in may bag” が直感的に正しいと感じる学習者もいることでしょう。よろしい、それならば、「私のカバンの中に → 持っている」と訳してみて、「合点!」してみてもらいたいのです。(あるいは、“two dictionaries” ←“in may bag” であると思ったならば、「私のカバンの中の → 2冊の辞書」と訳してみて、「あれ、おかしいかな?」と思ってもらいたいのです)。

 

ブログの文字数が多くなりましたので、簡単に今回のまとめましょう。

 

日本語や英語を含むほとんどの言葉には、「修飾・被修飾」「主語・述語」といった普遍的な関係があります。だから、英語(外国語)の文を日本語に訳すときには、「修飾・被修飾」「主語・述語」の関係をそのまま日本語に訳すことができます。ですから、それを忠実に母語(日本語)に訳すことによって、英語(外国語)の「修飾・被修飾」「主語・述語」の関係を理解・解明していこうではありませんか。それが、英語入門者・初級者にとっての、最善の英語学習方法になるからです。我々シリウス英語個別指導塾からの英語教育への提唱です。

 

次回は、我々が提唱しない英文の訳の仕方にはどのような問題があるのか、説明をしていく予定です。

 

 

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2016/05/08

英語学習とは日本語の訓練でもある

生徒たちにはよく「英語を勉強するということは、日本語を改めて勉強し直すということでもあるのだよ」と話します。教えていて、本当にそれを実感するからです。

 

子どもたちを見ていると、日本語力だとか言葉力といったようなものが弱いなあと感じることが多いのです。あまりにも雑に言葉を使いすぎていると感じますし、言葉に対する感性が鈍いといいますか、もっともっと言葉に対して敏感になってほしいと思うことが多いのです。

 

簡単な例を挙げてみましょう。

 

She plays the piano very well.

 

この英文を訳させると、ほぼ9割以上が「彼女はピアノを弾くがうまい」と訳します。大雑把に言ってしまえばこういう訳でも許されるかもしれません。しかし、それは中・上級者になって初めて許される訳文であって、入門・初級段階では決して許されません。そういう訳で理解してしまうと、英語学習そのものを非効率的・非効果的なものにしてしまうのです。

 

この英文の正しい認識(=訳し方)は「彼女はピアノをとても上手に弾く」なのです。

 

初心者にとっては、英語の言葉の並びの規則性=文法をしっかりと理解・定着させる必要があるわけですから、英文を書かれてある通りに、正確に理解していく必要があります。

 

この英文の場合ですと、「主語・動詞・目的語ときて、最後にvery well という副詞がきている」という語順を意識することが最大のポイントです。well の品詞は副詞で、play という動詞を修飾する副詞ですから、当然「上手に弾く」という認識=訳にしなければなりません。(修飾・被修飾の関係がよく理解できていない生徒は、そういう訳が出来ません)。

 

英語学習において、形容詞だとか副詞といった概念を理解することがとても重要になります。当然そこをしっかりと教えていくわけですが、「この場合のwellの品詞は何?」と質問したときに「副詞」と適切に答えられるのに、訳させてみると「彼女はピアノを弾くがとても上手い」となってしまったりすることがあります。これでは、副詞の概念を理解したことになりません。この場合の副詞(well)は、動詞(play)を修飾しているわけですから、動詞にかけた訳し方をしなければならないはずなのです。

 

副詞と思っているのに、動詞にかけずに訳すといったようなミスをする子どもたちの思考回路では、「wellは副詞」ということと、「だから、playにかけて訳すのだ」ということが全くつながっていないわけです。一つ一つ全く別のことを丸暗記しているだけの状態となります。そういう勉強の仕方では大変だろうなあと思います。

 

では、なぜそういった(面倒くさい)ことを理解しなければならないのでしょうか?それは、外国語としての英語の運用力を身につけるために絶対に必要なことだからです。(日本語にも実はあるのですが、母語であるためにそれほど意識せずとも出来てしまっているだけです。)

 

英語の運用力を身につけるとは、同じ意味のことを様々な表現で言い表すことができるようにするということでもあります。(日本語でも同じです。)

例えば、最初に例を挙げた英文のアバウトな和訳、「彼女はピアノを弾くがとても上手い」ということを英語で言い表すとしたら

She plays the piano very well.

She can play the piano very well.

She is very good at playing the piano.

She is a very good pianist.

といったところでしょうか。

 

英語の問題でもこういった言い換え問題はよく出題されます。ではこの文を全部覚えたらよいのでしょうか?「彼女はピアノがとても上手い」という時は・・・

もちろん、覚えるのだとも言えます。ただ、その時に一生懸命丸暗記するのではなく、

 

  • 一般動詞を使って「~を上手に弾く」という言い方
  • canを使って「~を上手に弾くことができる=弾ける」という言い方
  • 「彼女はピアノを弾くのがとても上手い」というbe good at~という言い方
  • be動詞を使って「彼女はピアノのとても上手い奏者だ」という言い方

が出来るのだと日本語で整理することが大切です。なぜなら、表現したいことは無数にあるわけですから、その一つ一つを丸暗記で消化できるわけがないからです。一つ一つのパターンを、その文の構造を意識=区別して理解するということです。それができて初めて「運用力」が身につきます。

 

つまり、英語の運用力を身につけるためには、一つ一つの英文の構造をしっかりと意識する、この英文とこの英文の構造はここが違うのだということをしっかりと認識する習慣をつけることが大切ですから、アバウトな訳をする癖がついてしまうことは、英語力向上の道筋を絶ってしまうことになりうるのです。

 

また、ついつい「彼女はピアノが上手に弾けます」と訳してしまう人の場合は、どうしても自分の感覚で英文を読んでしまっているのです。自分の言葉や思考の癖がどうしても出てしまうのです。しかし、普段勉強している英文は、自分ではなく他人が書いた文章なのですから、自分の感覚ではなく、あくまでもその英文を尊重して、その英文に自分を委ねて、読んでいく必要があります。自分を出してはいけないのです。

 

口うるさいようですが、そういったことを日頃の授業では丁寧に、しつこく、教えています。

 

 

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2016/04/24

たくましい子は伸びる!

今回は、当塾のたくましいある女子生徒(当塾女子生徒はなぜかたくましいお子さんが多いですが・・・)の話題を取り上げてみたいと思います。彼女は中学2年生になったばかり、当塾には小学校6年生の2月から通い始めてくださっています。小さい頃から英語は習っていらっしゃったこともあり、初めは順調に進んでいました。しかし、中学に入学後しばらくして、当塾のメイン課題となる構文の音読暗唱の仕上がり具合がいまひとつな感じになってきた時期がありました。

 

中学に入学したてで新しい生活が始まったばかりというところに、部活動まで始まり、毎日が忙しい日々の連続だったということもあったのだと思います。また、順調に進んでいたが故に、中1にしては難しい内容(単元)に入ってしまったというタイミングの悪さもあっただろうと思います。

 

私の記憶では3週間ほど連続で、当塾の求めているレベルに到達しない仕上がり具合だったことがあります。

 

その時、私のとった態度はこうです。「ちょっと怠けているんじゃない?中1からうちのような塾に来ることの意味をよく考えなさい。やる気がないならこの塾に来る必要はないのよ。塾なんていっぱいあるんだから、あなたに合う塾を探しなさい。」

 

私の発言の意味について少し補足しますと、当塾では学年に関係なく、高度な基礎力を習得するために必要な理論をしっかりと叩き込みます。それは大量の構文をしっかりと暗唱するレベルに止まらず、それがどうしてそうなるのかその理由もきちんと自分の言葉で説明できるレベルを求めます。ですから、丸暗記では対応できない内容になっているのです。また、授業の前日に付け焼刃的に勉強しただけの場合はすぐにそうだとわかるので、そこを必ず突くのです。

 

まだ中1の彼女にとって、さぞかし恐ろしい時間だったことでしょう(笑)。大粒の涙をこぼしながら、それでも1時間半の授業をこなして帰りました。そういうことが確か3回ほど続きましたが、彼女は休むことやめることもせず、毎週授業に来ました。(本人には伝えていませんが、涙を流しながら頑張った姿は立派でした、見込みがあると思いました。)

 

その後、ガラッと彼女の態度が変わったという印象は受けませんが、なんだか気がつくと、毎週ものすごく一生懸命勉強してくるようになっていました。このまま怠けず努力を続ければかなり高い英語力が習得できることはすでに確約できる状態になっています。ですから、彼女には「英語だけ頑張っても駄目だよ、あと一教科、国語か数学を得意にしておきなさい。そうでないとせっかく英語がすごくできてもそれを活かせない」というアドバイスをするほどになっています。(実はいくら英語ができてもそれだけではあまり意味がありません。)

 

彼女を見ていると、やはり「精神的たくましさ」だとか「粘り強さ」が学力形成の上でも必要不可欠な要素だなあということを痛感します。私に叱られてきつい言葉を浴びせられた時、当塾をやめてもよかったわけです。塾なんてそこらへんにいくらでもあるのですから。楽な道を選ぶことはいくらでもできたはずです。でもそこをなにくそと踏ん張った。そしてこの、「今」があるのです。

 

(このことに関しては、お母様もやはりご立派だったと思います。大切な娘を何度も泣かしてイジメル先生、塾。そんなところ真っ平ごめんと、ばっさり切り捨てることもできたはずです。しかし、なさらなかった。辛抱強くお嬢様の様子を見守ってくださったのだと思います。そして、「今」があります。)

 

こんな風に頑張れる子はほぼ将来安泰といってもよいと思います。もちろん、未来に確信・確約できるものなどありえません、あり得ませんが、何があってもこういう子なら耐えてゆける、乗り越えられるだろう、と感じるのです。そういう「たくましい精神力と忍耐力がある」ということが、何よりの未来への安心材料となり得ると思うのです。

 

 

 

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