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塾ブログ 林間教育通信

2023/08/29

東大英語の要約問題の誤訳 (高橋善昭『英文要旨要約問題』) ーー英語教材チェックーー

英語教材を吟味する

 

 

私たち個別指導の講師たちは、普通、生徒向けの教材を作成したりしません。市販または学習塾向きの教材を使用することになります。しかし、私たちのようなプロ講師は、無批判にそのまま使ったりはしません。

 

 

説明が不充分だとか、解説文が分かりにくい箇所があるといった場合もあります。しかし厄介なのは、答えや解説がそもそも間違っているとか、例文が不適切だったりする場合です。英語の場合は、第二次世界大戦以前の古い表現だったりすることも稀ではありません。

 

 

また、超有名な英語の先生の著作、例えば、竹岡先生だとか関先生の本でも、やっぱり間違いや勘違いはありますね。

 

 

今回から、何回かにわたって、英語教材のミスや不適切な解説などを取り上げる文章を時折書いてみることとします。 最初に取り上げるのは、東京大学の英語入試問題で、英文読んで日本語で端的に要約する問題の解答例です。大御所の大先生ばかりとなりますが、明らかな誤訳が見つかりましたので、明らかにしていきます。

 

 

 

高橋善昭『英文要旨要約問題の解法』(駿台文庫)—東大入試の要約問題(1965年)のindustrialの訳語

 

 

高橋善昭先生と言えば、ちょっと昔ではありますが、駿台の名物先生の1人で、英語科主任(1991-2003) を担当していた実力者です。今回取り上げる高橋善昭『英文要旨要約問題の解法』(駿台文庫、2001年)は、今なお現役のロングセラーとして知られています。

 

 

しかし、本書の解答例を丁寧に吟味すると、ちょっと腑に落ちない箇所が出てきました。part Ⅰ -03「何を書くか」で取り上げられた東京大学の1965年の英語要約問題です。

 

 

結論を先取りして言えば、高橋先生がちょっと致命的な誤訳をし、その結果、要約文(模範解答)が何を言いたいのか、不可解なものになってします。

 

 

まずは東大の問題を提示しておきます。

 

「次の文を読み、’Industrial Revolution’ という用語が必ずしも適当と考えられない理由を60字から80字までの字数で書け」です。 (英文は少々長くなりますので、ブログの最後に掲載しておきます)。

 

 

これに対する高橋先生の解答は、以下の通りです。

 

(a) 産業化は

(b) 斬新的過程なので、

(c) 「革命」より

(d) 「進化」が適切であり、

(e) 産業面の変化は

(f) 社会の全分野の変化と不可分なので

(g) 「産業」も適切ではない。

 

 

どうでしょうか。この要約文の意味がすんなりと頭に入ってきたでしょうか。おそらくほとんどの人は、文章の後半の(e)~(g) が、一体何を意味しているのか、分からなかったはずです。

 

 

もう一度、高橋の要約文の後半部を繰り返し書いてみます。

 

産業の変化社会全分野の変化と不可分なので『産業』も適切でない」。

 

 

「産業の変化は社会全分野の変化と不可分なので」は違和感はありませんね。しかし、後半の「産業」が不適切だと言う結論は意味不明です。

 

 

 

この部分の根拠となる箇所を、高橋の訳文で参照してみましょう。

 

 

「産業面の変化を人口、運輸、農業、社会構造面の変化と切り離すのは不可能なのであるから、何故に『産業』なのかと言う疑問が出てくるのである」。

 

 

この訳文もやはり意味不明ですね。

 

 

 

種明かしをしましょう。すべての問題点は、Industrialを「産業」と高橋先生が訳したことにあるのです。ここは「工業(の)」と訳さなければならなかったのです

 

 

「産業」ならば一次産業から三次産業まで、あらゆる業界が含まれます。他方「工業」であれば、原材料から製品を生産する産業部門に限定されます。すると、次のように解釈できます。

 

 

 

 

‘industrial’「産業」   産業 ≒ 人口、運輸、農業、社会構造

 

 

‘industrial’「工業」  工業 <==> 人口、運輸、農業、社会構造

 

 

 

 

再度、高橋訳(’Industrial’=産業)を掲載します。拙訳(’Industrial’=工業)と比較してみてください。

 

 

高橋訳「産業面の変化を人口、運輸、農業、社会構造面の変化と切り離すのは不可能なのであるから、何故に『産業』なのかと言う疑問が出てくるのである」。

 

拙訳 「(工業革命のように)、『工業』部門に限定して論じることも、大いに疑問である。というのは、工業部門の変化は、人口、運輸、農業、社会構造といった諸部門の変化と切り離して論じることは不可能だからだ」。

 

 

 

同様に、’Industrial Revolution’という用語がなぜ不適切なのかを説明するものとして、高橋の要約文(e)(f)(g)は、(e’)(f’)(g’)のように書き換える必要が出てきます。

 

 

 

高橋要約

(e) 産業面の変化は

(f) 社会の全分野の変化と不可分なので

(g) 「産業」も適切ではない。

修正版

(e’) 工業部門の変化(=工業化)は

(f’) 社会の他部門(=人口、運輸、農業など)の変化と不可分なので、

(g’) (工業(革命)のように)、工業部門だけの大きな変化として記述するのは適切ではない。

 

 

どうでしょうか。明晰明瞭になったのではありませんか。

 

 

 

’Industrial’を何故「産業」と訳すようになったのか?

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ところで、’industrial’という言葉に対し、本ブログが指摘するように「工業」と訳すことに対して違和感を覚える方も沢山いるのではないでしょうか?なんといっても,我々日本人の多くは、’Industrial Revolution’を「産業革命」という用語で習ってきたからです。

 

 

また、どの英和辞典を調べても、’Industrial Revolution’には「産業革命」という訳語しか載っていないはずです。

 

 

けれども、ここで既存の知識から自由になって、ちょっとよく考えてみてください。そもそも何故「産業革命」と訳すようになったのでしょうか。

 

 

18-19世紀の、大きく変貌しつつある英国のイメージと言ったら、それこそ、蒸気機関、紡績工場、製鉄工場ではありませんか。つまり、工業技術の驚異的変革と、それに伴う革命的な社会の変化ではないでしょうか。つまり、「工業革命」とか「工業化」と表現するのがむしろ普通の感覚で、「産業革命」と訳すのがむしろ奇異であり、何か意図的なものを感じるべきなのです。

 

 

実は私は、1970年代に、高校の世界史の授業でK先生から教えてもらっていたことを思い出しました。「工業革命」と訳すと、工業部門のみの変化だと誤解される恐れがあるので、工業を含めた全産業の大変化であると示すために、「産業革命」と訳すようになったのだそうです。

 

 

「工業革命」という風に、「工業」面に限定した表現では、実態をとらえたことにならないのでダメであるという議論があったのだとしたら、それはまさに今回の英文、つまり東大の1965年入試でとりあげられた、’Industrial Revolution’への批判の議論も、その潮流の一つであると考えて良いでしょう。

 

 

したがって、次のように推測できます。

 

 

従来の’Industrial Revolution’論には批判があったのです。つまり、工業部門の変革のみに注目し、社会全体の大変貌を見損なっているという訳です。そこで日本の歴史学界や知識人たちは、’Industrial Revolution’という概念を救済するために、その訳出にあたって、「工業革命」ではなく「産業革命」を選んだのでしょう。「産業」革命なのだから、工業中心主義ではないぞ、という解釈です。

 

 

 

他方、今回の英文は、従来のIndustrial Revolutionという概念や認識を否定する立場に立っています。工業中心主義的な歴史認識であると批判し、さらに歴史に即していない革命至上主義的な史観と批判しているのです。
ですから、Industrial Revolutionを擁護する立場の訳語を採用するのではなく、それを否定する立場からIndustrialを訳出しなくてはならないのです。となると、Industrial Revolutionは「工業革命(論)」とするのが一番です。現代の英和辞典には「工業革命」という言葉は掲載されていないかもしれませんが、Industrial は「工業」と訳したほうが良いのです。

 

 

 

もう一度、言いますよ。ここでは、我々はIndustrial Revolutionという認識と概念を否定する英文の書き手の立場に立って、訳していくと良いのです。

「工業革命論(Industrial Revolution)」なんてのは、間違った認識だよね。その実態は、「工業」でもなければ「革命」でもないからね。だって、イギリスで起きた変化は工業だけじゃない。それにフランス革命みたいな、急激な政治的大波乱が起きたわけでもないんだ。

なお、帝国書院(教科書会社)の注釈(クリック)も参考にすると面白いですよ。ここでは、産業革命論のうち、革命史観の否定について、簡単な説明があります。

 

 

今回の教訓

 

偉い先生のもの、あるいは、権威ある辞典であっても、よく理解できない訳語や文を見つけることが時々あります。そのとき、自分の頭が悪いのだと決めつけるのではなく、丁寧に読み取る努力をしてみましょう。意味を理解できないのは、必ずしもあなたが悪いとは限らないのです。

 

 

 

 

参考資料

 

東大入試問題(1965年)

 

次の文を読み、’Industrial Revolution’ という用語が必ずしも適当と考えられない理由を60字から80字までの字数で書け

 

The term ‘Industrial Revolution’ has been a little disparaged lately by historians. When using it, it is prudent to add the qualifying ‘so called’. And though it would clearly be impossible to overrate the coming industrialism, which has transformed the country and moulded the lives of its inhabitants, we know now that the changes were gradual — they had been coming for centuries. Evolution, perhaps, would be a better word than revolution. It is quite impossible to take a date, say 1760, and say here begins the Industrial Revolution’ — and equally unsound to make it end somewhere about 1830 or even 1850. The process of industralization began before the eighteenth century, and has been going on at an increasing rate ever since. And why industrial, it is even asked, since it is impossible to separate changes in industry from changes in population, in transport, in agriculture, and in social structure. Each acted and reacted on the other. Again, though the inter-relation is less direct, the changes in the spirit of the age and in the literary fashion are all connected with the growth of an urban civilization and the increasing command over Nature.

 

 

 

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2023/06/18

教養がなければ英文を読めない

I 教養がなければ、英文を読めない。

 

入試で出題される現代英語を読むためには、教養が不可欠です。教養があるとは、ある程度広範囲の語彙を持っている事だと定義しても良いでしょう。

つまり、現代を理解するのに必要な語彙を持っていないと、英文を読めないのです。

 

実は、たったのワン・センテンスを読むのでさえ、教養力が大きく作用してきます。教養があれば読めるが、無いと読めない文があります。あるいは、一つの文だけで、教養の有無を判定できてしまいます。

 

Ⅱたったのワン・センテンスで教養力をチェックできる。

 

当塾(シリウス英語個別指導塾)の塾生に対し、次のような教養力テストの質問をしてみました。

 

(1)”The world is getting smaller and smaller”(「世界はますます小さくなっていく」)とは、どういう意味なのか。 [(注)英文和訳を求めているのではありません]

 

(2)”animal kingdom”や”plant kingdom”という言葉があるが、どういう意味か想像してみよ。(大阪大学2022年の問題より)

 

ウチの高校生の正答率は、どの程度だったと思いますか。

 

中堅進学校から一流進学校の生徒さんがいますが、新高1は全滅でした。どちらの問題も、全く解答出来なかったのです。「世界は小さくなった」というフレーズはよく聞くのですが、「小さくなる」とはどのような現象を指すのか説明出来なかったのです。

 

しかし、新高校2・3年生は、ちょっと違いました。中堅進学校の文系志望の生徒さんたちでしたが、(1)の意味を答え、その意味を説明することが出来ました。文系の受験生が文系的な話題を知っているのは、ちょっと安心です。

 

 

一方、理系受験生はですが、(2)の意味を適切に推測してくれました。理系受験生は、文系的問題は出来なかったかもしれませんが、理系的問題ならば、見事に正確な推測をすることが出来たのでした。もちろん、kingdomの意味を習ったことはないはずです。

 

事例はごく限られたものですが、高校生として1-2年間でもそれなりに教養を積んだ結果、背景知識を必要とする英文の意味を推測できるようになったと言っても良いのではないでしょうか。

 

III 問いの解答

最後に、二つの問いについて、簡潔に見てみます。

 

(1)”The world is getting smaller and smaller”(「世界はますます小さくなっていく」)は、交通機関とコミュニケーションの発達、さらには近年のインターネットなどの登場により、世界の諸地域・国家がより緊密に結びつくようになったことを示す、一種の決まり文句です。近年では、グローバル化を論じる際の枕詞的フレーズとなっています。

 

ある程度の教養がある生徒であれば、何を論じようとしているのか瞬時に理解できるはずです。
(2)“animal kingdom”や”plant kingdom”は、実際に大阪大学の和訳問題で出題された箇所からの出題です。英語的には少々難しいですが、阪大の受験生は、animal kingdomとplant kingdomを訳出しなければなりません。

 

kingdomとは、animal(動物)とplant(植物)という広範囲な事物と結びつく、非常に抽象的な名詞でなければなりません。それは一体何を指しているのか、考えてみる必要がありますね。

 

実は、自然の分類法に関わる「界」という意味なのです。animal kingdomは「動物界」、plant kingdomは「植物界」となります。古典的な学説として、生物を大きく動物と植物との二つに分けるられるのですが、このときにkingdomという言葉を使うという訳です。

 

少し難しいですね。

 

文系受験生と新高1生は、「サファリかな?」と答えました。アフリカのサファリ・パークは、「動物の王国」というタイトルでテレビ番組化されますからね、気持ちは分からなくはありません。しかし、動物は世界中に存在するものであり、アフリカの草原に限定される概念ではありません。また、植物は地球のほとんどどこにも存在する訳ですから、サファリ地帯では、不味いですね。残念ながら、ちょっと短絡的な解答でした。

 

Ⅳ 教養をつけるには、まずは『中高生新聞』の購読を。

 

教養力を身につけるには、どうしたら良いのか。高校生には是非とも新書本をどんどん読んでもらいたい。とくに、国立難関大(東大、一橋大)や早慶上位学部(早大政経学部、法学部、慶應大経済学部、法学部)の場合には、そのことを強く訴えたい。

 

しかし、何か数冊を推薦するとなると、大変難しいですね。当塾ではとりあえず、『朝日中高生新聞』を読むことから始めてくださいと、面接時に皆さんに申し上げています。『中高生新聞』といっても、1週間に一回発行される週刊誌ですから、手軽に読むことが出来ますので、ご安心ください。

 

大学入試レベルならば、中高生新聞を読むだけで、英語、国語、社会(とくに地理など)等で、大きく得をするに違いありません。
そして、それ以上となると、何が良いでしょうか。いつもは新書本を読めと言っていますが、具体的なタイトルを挙げないと、不親切かもしれませんね。

 

大いに迷いますが、文系に興味があるのであれば、三省堂大図鑑シリーズはどうでしょうか。経済学、経営学、政治学、哲学、世界文学、宗教学、心理学、世界史、社会学、西洋音楽史等があり、大学での専攻を決めるのに役立つので、お勧めしましょう。調べてみたところ、相模原市、町田市、横浜市、川崎市、大和市等の公立図書館で、読んだり借りたりできるようです。

 

理系では、Newtonの大図鑑シリーズが実に充実しているようです。生物、太陽系、地球、数学、化学、鉱物、AI,人類学等々。多すぎて数え切れません。もちろん、ほとんどの市の図書館で読むことが出来ます。機会がありましたら、『AI大図鑑』や『人類学大図鑑』のレポートもしたいです。
今日はこれまで。

 

 

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2023/06/08

中高一貫校生で英語が伸び悩む二つのタイプ

 

せっかく名門の中高一貫校に合格出来たのに、英語で伸び悩んでしまう生徒さんというのは、残念ながら非常に多いですね。しかし、英語が出来ないと言っても、幾つかのタイプに分かれているように見えます。ここでは、そのうちの主要タイプである(1)怠け者タイプ、(2)言語への無関心タイプの二つに分けて、感想を述べておきたい。

 

(1)怠け者タイプ

名門一貫校の英語落ちこぼれタイプの圧倒的多数派は、怠け者タイプでしょう。要するに、英語は退屈で覚えなくてはいけないし、面倒臭いので、やりたくないのでしょう。

 

私見では、どうもこのタイプのお子さんの場合、お父さんにその原因の一つがあるような気がします。つまり、例えば、子供に対して非常に甘いとか、あるいは、子供の教育に無関心でお母様に丸投げしているのではないでしょうか。このことについて、責任をもって断定はできません。あくまで、単なる個人の一つの感想に過ぎません。

 

 

(2)言語への無関心タイプ

 

名門校の生徒さんで、それなりに英文法を学んだのに、そして英単語の意味も説明しているのに、まとまった意味のある英文をさっぱり読めなかったり、頭に入ってこないというタイプの生徒さんがいます。

もちろんそういうタイプの人は、英語力向上で伸び悩むことになります。

 

ちょっと不思議な症候群です。英文の意味を文法的に解読できないとか、和訳できないとかいうのとは、少々異なります。日本語であれ、英語であれ、文章をよく読めない。あるいは文章に限らず、映画や漫画などの作品をあまり読めないタイプがいるのです。

 

この生徒たちの特徴を列挙すると、次のようになります。

 

  • 文章を読ませても、その内容に興味を持てない
  • 要点やキーワードを掴むのが苦手だ
  • 和訳をさせると、意味不明な日本語を書くことがあるが、そのことについて自覚が持てないし、全然気にもならない
  • 文章の自然な流れを掴むことができない。(したがって、例えば、英語の分詞構文を読もうとしても、二つの動作の関係を読み取るが出来ない)
  • 本を読んだり、その他の媒体(新聞、雑誌、映画、TV、マンガ、アニメ、落語、漫才等)を楽しんだりしない。

 

 

これらの生徒さんたちも、試験というゲームとして文を読むならば、答えを探す事はある程度は出来るようです。しかし、本当に文を理解していると言えるのかどうか不明です。

 

こういうタイプの生徒さんについて、断定的な事は書けないのですが、それでも推論を小中学生時代に大きな原因があるように思われて仕方ありません。つまり、読書習慣を持たないうちに、中学受験勉強の特訓を始めたために、文章や物語を読む喜び楽しみを知らないし、興味も持てなくなってしまったのではないか。

 

ところで、ある塾の先生の説(水島 醉『「受験国語」害悪論』)によるならば、中学受験国語の勉強の中には、文章読解の習慣を身に着けるのに悪影響を与える性質のものがあるのだそうです。つまり、与えられた問題(「それ」はなにを指すか抜き出しなさい)に答えるために、本文中から答えの箇所を探し出すゲームに熱中してしまうと、文章読解から得られる本来の楽しさを、子供たちが見失ってしまうようになるのだそうです。私は中学受験国語に詳しくはありませんが、十分に有りうることでしょう。

 

まとめましょう。中学受験のための国語(日本語)の勉強をした子供たちの中には、おそらくその受験勉強のために、本来の人間の生活様式を著しく痛めてしまい、本来の文化的遺産の享受をできないようになっている人たちがいると、水島さんは言いたいし、告発したいのでしょう。そして、我々が直面している、英語の文章が読めなくなっている生徒さんと、かなり共通点があるように思われるのです。

 

 

どのようにすれば、彼ら・彼女らを救済できるのか。このテーマについては、改めて論じる予定です。

 

 

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2023/05/16

対話型AIとの対話:英文添削をしてもらおう

対話型人工知能(Conversational Artificial Intelligence)は、英文ライティングの添削には最高だ。

 

嘘も平気ででっちあげる人工知能(AI)

 

以前(2023年4月4日)GeePeeTeeについてのブログを書いてから、chatGPT、BARD(Google)、Bing(マイクロソフト)等の様々な対話型人工知能(AI)を試してみた。噂通りで、確かにスゴイ!

 

今までの常識を完全に覆すツールですね。例えば、舞台や単語などの諸設定を決め、これで物語を作ってくれと命令すると、瞬時に文章を作る。単語数や難易度を変えてくれとか、正誤問題を作ってくれと命令しても良い。

 

しかし、すでに頻繁に伝えられているように、とんでもない噓つき野郎でもあると実感した。ネットで調べればすぐ分かるレベルの情報でさえ、全然確かめたりせずに、いい加減な話をでっち上げる。架空の人物、決して存在しないバス路線、間違った年号などなど。

 

英語の文献では、対話型AIの発する嘘を、confabulation (=(精神病者の)作り話)だとか、hallucination(幻覚症状)とか呼ぶようだ。

 

例えば、プロ棋士で一番負け数が多い人は誰かと、iPhoneのGeePeeTeeに質問したところ(プロ棋士で負け数がずば抜けて多いのは、加藤一二三であることは、よく知られています)。

 

神田辰之助九段です。

 

と返事が返ってきました。

 

そんな名前の棋士は全く聞いたことが無かったので、架空の人物を創造してしまったのであろうと考え、いったい神田九段とは何者かと尋ねました。すると、

 

1956年生まれの棋士で、身長は170cm、血液型はAB型。得意戦法は三間飛車だが、大胆な手で敗因になってしまうことが多い。引退後は後進の指導にあたる。

 

と作り話を展開してきた。

 

なお念の為にウィキペディアで調べてみると、1957年生まれの神田辰之助は存在しないが、同姓同名の神田九段が第二次対戦前(1893ー1943年)に活躍していたと言うことがわかった。もちろん、負け数日本一の記録を樹立したわけではない。勝手に名前だけを借用したのだ。

 

対話型AIは、アメリカの司法試験に合格できる能力があるとも言われるが、いい加減に話をでっちあげてしまう場合も多いということなのだ。(とくに日本語で質問をすると、データ入力が英語と比べて少ないので、いい加減なことをさらに頻発しがちである)。

 

我々人類を騙してやろうと企んでいる訳ではないようだが、自分の作る文章について、その情報が正しいか、説得力があるか、論理的かといったポイントには、ほとんど無関心だ。だから悪気なく適当な嘘もでっち上げてしまう。

 

その理由は、対話型AIは、言語データベースに基づく文章生成装置なので、重要なのは言語表現としての「もっともらしさ」だかららしい。言い換えれば、表面的に道理にかなっているように見えさえすれば、それで良い。それが彼らの知能の正体だ。

 

 

AI言語教師と対話しながら

 

そんないい加減な詐欺師のようなAIなんか、全く無意味じゃないかと思う人も沢山いるだろうが、そんなことはない。文章の「内容」の吟味についてはまるでいい加減なのは確かだが、文章の「形式」については、優れた能力があるはずだからだ。

 

つまり、理科や社会は全然ダメな英語や国語の先生のような存在なのだ。あるいは、百科事典的機能はいい加減だが、言語辞典(類語・反対語辞典、表現辞典、コロケーション辞典、表現言語など)の機能は満載と言ったらよいだろうか。そんなAIは、言語の教師として最高ではないのか。

 

このブログは英語塾のブログであるので、我々の興味は次の点にある。英語学習のためには、どのように対話型AIの力を最大限に活用出来るだろうか。

 

オンライン上でしばしば見かけるのは、対話型AI能を使って問題文(英語長文と正誤問題など)や暗記用単語リストを作ってもらうというものだ。そういう使い方はお勧めできない。なにしろ、問題集や単語本などは、すでに山ほどあるからだ。市販の教材優れた教材教材に任せれば良い。

 

同様に、模範回答を作ってもらうとか、宿題代行をしてもうらなどの使い方も感心できない。

 

対話型AIが優れているのは、まさにその「対話型」に意義がある。つまり、個々の学習者に寄り添ってくれるのだ。解答例をいきなり提示する能力だけではなく、一人ひとりの学習者が書いた文について、ある程度以上は元の文を尊重し、その改善案を提示してくれるのは、なんとも有り難いではないか。

 

英語を学習しようと思うならば、まずは自分で英語を書いてみること、そしてそれを対話型AIに添削してもらう。そしてもしその添削やアドバイスが適切だと判断できれば、それを取り入れ、自分の文章を書き改めたり、付け加えたりするそしてさらに、書き改めた文章を再度AIにチェックし添削してもらうのだ。つまり、AIと対話を深めていくように、自分の書いた英文を何度も繰り返し修正して練り上げるのである。それが一番勉強になるのです。

 

 

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AIの提案や指摘がどうしても納得できない時にはどうするか。(2023年5月20日補筆)

 

さて、ここで大事なことを付け加える。AIの提案は必ずしも適切であるとは限らない。(具体的事例については、近いうちにいくつかブログで提示しておきたい)。もしその提案が不適切であるときは、どうしたらよいのか。その時は躊躇なく、別解を求めてみたり、別の対話型人工知能に同じ質問を投げかけてみよう

 

あるいは、AIに不明点について質問をしたり、異議申し立てしてみるのも悪くない。(AI側が、自分の主張を強引に押し通そうとする場合もあれば、即座に謝罪することもある)。こちら側が積極的にレスポンスすれば、納得できる回答を引き出せる可能性があります。

 

いずれにせよ、黙ってAIの提案を受け入れるような姿勢だけは、絶対に避けなければいけない。AIの提言をいつも真に受けるような愚か者になってはならないのです。

 

ちなみに、『英語教育』という雑誌に書かれてあった大学教授の模範英文(和文英訳)についてAIに評価を任せたところ、CEFRでB1レベル(英検2級程度)という評価でした。[抗議しても変わらず]。また、英語の哲学図鑑の和辻哲郎の解説記事(英文)を評価させたら、B2レベル(英検準一級レベル)と出ました。[抗議したらC1レベル、つまり英検1級くらいに昇格しました。教養のあるネイティヴが英検1級レベルのはずがありません(苦笑)]。

 

どちらも、率直に言ってナンセンスです。日本人大学教授やネイティヴの哲学系ライターの英文が、僕の生徒よりも低レベルのはずがないのです。おそらく、現行のAIでは英文のレベルの評価は非常に難しいのでしょう。

 

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あるいは、自由英作文の課題で、何を書けば良いのか途方に暮れている時に、いくつかアイデアを出してもらう。例えば、「あなたの行きたい海外の都市を挙げ、その理由を説明しなさい」という問題が出され、困ってしまったとしよう。このとき、例えば、「タイ国のアユタヤ市に旅行する理由をリストにして教えて」(Make a list of the reasons why people go to Ayutthaya.)と質問してみたら良い。そして、そのリストを参照しながら、自分なりの英文を書いてみるのである。

 

実際に、AIに英文の添削をやらせてみると、実に素晴らしい働きを示すことが多い。なにしろ、いつでもほんの一瞬のうちに、添削や推敲に応じてくれるのだ。日本の英語学習者の多くは、ライティング(やスピーキング)となると、独学を強いられているだろうから、かつてない福音だ。なにしろ、自分が書いた英文をしっかりと添削してもらえるなんて、ほとんどの日本の英語学習者には、期待できない状況だったのだから

 

具体事例に入る前に、長所と短所を最後に列挙してみる。

 

 

英文添削者としての対話型AI、その長所と短所

 

長所

 

  • そもそも学習者が書いた英文を全部読んでくれ、添削までしてくれる。
  • 文法ミスの指摘、語彙・表現の修正提案が出来る。
  • 追加事項や補足の提案が出来る。
  • 文章の出来を評価をしてくれる。

 

 

短所

 

  • ある程度以上の英語力がないと、使いこなすのは難しい。 
  • 気まぐれで応じてくれない時がある。(BARDの場合)
  • 動詞の動作主体が何か、代名詞が何を指しているか等については、読み間違えることが時々ある。
  • 文章の論理的不整合を指摘できない。また、文と文とのつながりの良さ(悪さ)や「飛躍」「びっくり!」の有無をよく理解しているとは限らないように見える。(e.g. not の記入忘れなどの致命的なミスであっても、chatGPTやBARDは指摘してくれない。また、日本人に多い過ちだが、センテンスとセンテンスの間に意味的な「飛躍」があり、読み手がビックリしてしまうような悪文であっても、その点を指摘できないようだ)
  • 英文の評価をさせると、一度しか同じ単語を使っていないのに、同一単語を2回繰り返して使ったから減点だ等の不適切なコメントをすることが多い。また、著しい低評価をする傾向がある。
  • 語義の差異などを質問すると、訳の分からない、あるいは、理解の困難な説明をすることがある。(私の語学不足で理解できないのか、それとも良い加減な議論をでっち上げているのか?)

 

 

 

こう書いてみると、AIによる文章添削や採点は、結局のところ、かなりポンコツで、とうてい英語学習者が利用するに値しないのではないかと思われてしまいそうだ。しかし、そんなことを書きたいのでは断じてない。まるで逆だ。

 

多くの場合、充実した指摘、提案をしてくれるからである。ただ忘れてはならないのは、AIを使う学習者側がしっかりとした判断力を持って、AIのメッセージを取捨選択しなければらないということだけである。(だから英検一級程度くらいの英語力は求められるだろう)。

 

例えば、英語教師と対話型AI(chatGPT、BARD、BING、Perplexityなど)とがタッグを組んで、高校生や英検受験生の英文ライティングの添削指導をするならば、英文ライティングの指導は、格段に迅速で能率的になるはずだ。あるいは、英語教師が英語を研鑽したり、英検一級やTOEFLのライティングの独習する時などにも、大いに役立つだろう。

 

 

今回はこれまでとする。次回は、対話的人工知能の英文添削力について、具体的に書く。

 

 

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2023/04/04

対話型人工AI(”GeePeeTee”)は英作文指導・英語ライティング学習に使えるのか?

最近、世間を大いに賑わせているお手軽な対話型AIですが、日本人の英語学習や指導、とりわけ英作文(英文ライティング)に有効に活用出来るでしょうか?英語学習者であり、英語講師である私には大いに気になるところです。皆さんも、とても興味がありますよね。

 

私も早速使ってみました、と言いたいところなのですが、2023年4月3日現在、すっかり例の対話型AI”ChatGPT”については出遅れてしまいました。今さら試すのは、ちょっと癪です。ところが2023年の3月末に、iPhone向けの対話型AIのアプリとして、“GeePeeTee”が新しく発表されたと伝えられました。そこで今度こそは乗り遅れないようにと、早速インストールし、その実力をチェックしてみた次第です。

 

という訳で、GeePeeTee先生の英語指導力の現状を紹介いたします。

 

1)GeePeeTeeの英文添削力

 

2002年の大阪大学の入試問題では、次のような和文を英訳せよという問題が出されました。

 

私たちは、ことばを使っていると、ことばというものが色々な意味で「力」を持っているということを経験すると思います。人を喜ばせたり、悲しませたり、人の心を動かして何かをさせるーーことばには、このような力があります

 

私は下記のように英訳してみました。

 

Using language, you have experienced how powerful language is in various kinds of way; it is language that makes people happy or sad or moves them to do something. They are the power of language.

 

そして、GeePeeTeeに添削をお願いしました。すると次のようなアドバイスが返ってきたのです。

There are no objectively incorrect statements in the passage, but there are couple of suggestions that could be made for improvement.

 

 要するに、文法的ミスはないが、さらに改善出来ますよと云うのです。

 

Here’s a corrected version of the passage:

“You have likely experienced the power of language in various ways. Language has the ability to make people happy or sad, and it has the power to motivate people to take action. These are just some examples of how powerful language can be.” (アンダーラインを私による)

 

どうでしょうか。確かに良い英文になったようです。

 

分詞構文などを使わず、「経験すると思います」を”have likely experienced”と修正してくれました。(ただし、GeePeeTeeに和文は読ませていません)。

 

また、”the power of language”という表現を用い、the powerを”the ability to V” と承けました。簡潔で良い表現です。

 

そして、最大の改善ポイントは、”moves them to do something”という直訳的英語を”motivate people to take action”にしたところです。

 

最後の締めくくりの”just some examples”は、和文にはない英文ですが、適切なセンテンスでしょう。

 

GeePeeTeeの英作文指導(添削)について、私はかなり気に入りました。

 

 

2)GeePeeTee先生の和文英訳力をみてみる

 

これも2002年の大阪大学の和文英訳問題です。(一部削除してあります)。

写真を撮るときは、ただカメラに向かうのではなく、あなたの好きな人の顔を思い浮かべて、話しかけるような気持ちになると良い」

 

今回は、GeePeeTee先生に直接和文を読ませ、それを英訳してくれるように要請しました。すると、次のように即座に返答してきました。

 

 

Here’s the translated sentence in English: “When taking a photo, it’s good to not just face the camera, but also imagine the face of someone you love and speak to the camera as if you’re having a conversation with them.”

 

かなり素晴らしい解答のように思えます。しかし、“When taking a photo“ という英訳は間違いです。というのは、ここで「写真を撮るとき」というのは、文意からすると、自分の写真を撮ること、つまり誰かに撮ってもらったり、セルフタイマーを使って自分の姿を撮影することを意味しているからです。そのことは文脈からは明らかです。

 

ところが、”taking a photo” と英訳してしまうと、「私が何らかのオブジェの写真を撮ろうとするとき」という意味になってしまいます。人工知能が犯しがちな誤訳だと想像できます。
話は続きます。対話型AIですので、こちらがミスを指摘すると、GeePeeTeeは修正に応じたり、謝罪してくれるのです。

 

I apologize for my mistake. Thank you for bringing it to my attention

 

と謝罪の返答がありました。さらにこちらが説明すると、

 

ありがとうございます。その場合、 正しい英訳は、「When taking a selfie」です。おっしゃるとおり、「写真を撮るときは」は自分の顔写真を撮るという意味合いがあります。

 

と返答してきました。

 

3

2

 

煩雑になるので、それ以上の修正は求めませんでした。しかし、「写真を撮る」が何故この場合には自分の顔写真を撮るという意味になるのか、そこまではGeePeeTeeは分からなかったようです。

 

また、自分の顔写真を撮るのだとしても、「taking a selfie」はちょっと不適切でしょう。これだと、2010年代以降ののスマホによる「自撮り」写真になってしまいますから。この和文はおそらくは第三者に撮影してもらう時を想定しているはずです。やはり”taking”(撮る) ではなく、”taken”(撮られる)を使い、”When you have your picture taken” としてもらいたかったところです。

 

 

仮の結論

いかがでしょうか。完璧とは言えないにせよ、Gee Pee Teeには相当の英語力が備わっていることが分かりますね。ある程度以上、たとえば英検準一級以上の英語力のある高校生でしたら、英作文の勉強の相棒にふさわしいようにさえ思えます。いや、それ以上に、英語の先生にとって、頼りになる相談相手と言って過言ではないでしょう。ただし、やはり普通の日本の中高生には、まだ使いこなせないかな

 

世間では、対話型人工AIがあれば、英語の先生は不要だという意見まで出ているようですが、それは過大評価でしょうね。

 

今回は、取り急ぎ上記の報告まで。

 

(2023年4月5日修正)

 

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