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2017/11/23

英語を勉強することは論理力の形成とつながっている

中高生の皆さんに教えていて気になるところは山ほどあるのですが、今日は「論理力」ということについて書いていきたいと思います。

 

(1)論理的に英文を読み解く

 

と言いますのも、どの教科においても、様々な概念や事象を「論理的に」読み解き理解していく」ということが「学問」することの意義であり使命だからです。当然英語学習においても、文法や文章を論理的に理解し読み解いていく姿勢が求められます。

 

 

しかし、現状はどうかというと、中高生の多くにはーーというか大人の多くもなのですがーー「論理力」がなさすぎです。いったい日本の教育界はどうなっているんだろうかと、私たちは大きな危機感と焦燥感を持っています。

 

例えば下記のような英文があります。

 

We should do our best to understand each other.

 

ある生徒は、「私たちは お互いに 理解しあう 努力をすべきだ。」と訳しました。しかし、なぜそういう日本語訳になるのかと問うても、説明を全くすることが出来ない。(分かり易くなるように、訳文を文節等で区切ってみました)。

 

 

この訳文は、全くダメというわけではない。英文の雰囲気をよく訳しているようにも見えます。しかし、英語の初心者はこういう訳し方を絶対にしてはいけない。場合によっては完全な誤訳となります。というのは、英文法に即して正確な訳文を作っていないからです。そして、今からそんな大雑把な読み方をしていては、この先「必ず」伸び悩むことになります。

 

この英文の正しい日本語訳は、「私たちは お互いを 理解するために 最善を尽くすべきだ」となります。

 

” to understand each other” は、

 

× 「お互い 理解する」ではなく、

○ 「お互い 理解する」にしなくてはいけないのです。

 

 

 

 

ちょっと解説しておきますね。生徒達には何度も解説したり質問して確認しているのですが、

 

 

each otherというカタマリは代名詞で、(代)名詞は他動詞(understand)の目的語になります。

 

understand     each other

 

他動詞(を理解する)  目的語(お互い)

 

 

目的語をとる他動詞(この場合understand)は「~を理解する」という意味ですから、「~」というところに代名詞のeach other=「お互い」という意味が入る。よって” understand each other” は、「お互い 理解する」と理論的になるのです。

 

 

さらに、”to understand~” は不定詞の副詞的用法なので、「~するために」とする。そしてdo our best は「最善を尽くす」という熟語なので、それをしっかりと訳出(直訳)する。

 

こういう感じで訳してもらえれば、わたしたちは「ああ、この子わかってるね」ということになる。

 

 

もちろん、英文法のポイントをしっかりと押さえた上で、直訳のちょっと不自然だったり、硬すぎる部分があれば、辞書(英語辞典、国語事典など)の助けを借りたり、自分の日本語能力を駆使したりしながら、微調整するのであればそれは問題ありません。

つまり、

 

 

「お互い 理解する」と直訳したうえで、「お互い 理解し合う」と微調整するのであれば、それは大いに結構です。しかし、英文を見て、なんとなく雰囲気で「お互い 理解し合う」という訳してしまう生徒は、大いに問題アリです。

 

 

以上たった一文の英文を論理的に理解する道筋でした。

 

 

簡単な例でご説明しましたが、どのように考えてその日本語訳ができるのかを自分で説明できないような人が、この先、複雑な英文を正しく読めるようになると思いますか?複雑になればなるほど、より論理的に緻密に英文を分析していかなければならないのです。

 

 

我々は、非常に基礎的なことを地道にやっているわけです。ただ、誤解しないでください。ここで言う「基礎的なこと」というのは「本質的なこと」という意味であって、決して「簡単なこと」という意味ではありません。(もちろん一旦わかってしまえば非常に簡単なことではあるのですが、殆どすべての生徒たちにとっては一番難しいところです。)

 

 

その基礎的=本質的なこととは、英文を分子原子レベルまで分解し、分析してみながら、論理的な理解を深めていく作業です。この「分子原子レベルにまで分解する」という作業がどうも苦手だったり楽しめない子が多いのですよね。しかし、最も根源的なことですから、ここが抜け落ちてしまっては、以後何を学んでも何も学んでいないに等しいということになります。

 

 

この作業が楽しいと思える人にとっては英語の勉強というのは快楽につながるし、グングン伸びます!面倒だなあと思う人にとっては苦痛でしかないですからね、こちらもどこまで突っ込むべきか常に悩みます。( ;∀;)

 

 

ここでちょうどよい記事を見つけましたのでご紹介しましょう。

 

 

(2)杉田敏と論理的思考の重要性

PRESIDENT Onlineに掲載された記事です。イーオン社長の三宅義和さんと杉田敏さんとの対話形式で進められているものです。ご興味がありましたら以下をご覧ください。

 

英語の達人が社内公用語に賛成しないワケープレジデントオンライン ←クリック

 

 

杉田敏さんというのはNHKラジオ「実践ビジネス英語」の講師も務められている非常に有名な英語の講師の方です。お二人の対話の要点のみを列挙しておきます。

 

三宅さん: いくつもの日本企業が英語を社内公用語にし、英語資格試験を昇格・昇給の条件にしていますがこうした動向をどう見ていますか?

 

杉田さん: 私はあまり賛成しません。中国に進出している日本企業にも英語を「公用語」にしているところがありますが、どれだけコミュニケーションが達成できているかとなると疑問です。

 

 

拙い英語に日本語と中国語が混じりあってかえって意思の疎通を阻害している。一番の弊害は英語の不得意な人は全く蚊帳の外に置かれてしまうこと。人材を活用するという観点から非常に残念。

 

 

母語としての言葉がビジネス上で戦略的思考をするための重要な武器です。日本語できちんと考え、正確な文章を組み立てるということがまずは大事ではないでしょうか。

 

 

三宅さん:アメリカでは高校や大学でディベートやネゴシエーションなどを通してロジカルシンキングについて学ぶわけです。日本では論理よりも情緒という風潮があります。が、論理も身につけないと世界には太刀打ちできません。

 

 

杉田さん:日本人はロジックの大切さを学校で学んできません。親しくなった外国人ビジネスマンと話をしているとそう感じている人が多く、「日本人は本当にロジカルにものを考えられない国民なんだね」と残念そうに話します。

 

以上要約終わり。

 

 

いかがでしょうか?ロジカルシンキング、つまり「論理的な思考」というのがいかに大切であるかお分かりいただけたでしょうか?

 

 

 

いくら英語を必死で勉強しても「論理的思考力」が欠落していては実質的な意味はあまりないということ、せいぜい稚拙な英語をしゃべって海外旅行で困らないとか低レベルなことで満足する程度の人にしかなれないのだということを肝に銘じてほしい。

 

 

一方、私たちが知る限り今の日本の教育界ではロジカルシンキングを真に養っていく教育は(一部を除いて)ほとんどなされていないように思います。だから、「出来ない」のはある意味仕方がないことでもあるのですね。

 

 

ですから、私たちの質問に論理的に理路整然とした言葉で答えていくということがみなさんにとっていかに大変なことかはよくわかります。が、それなくして勉強することにどんな意味があるのだろうか?と私たちは強い疑念を抱いています。

 

 

次回は、じゃあその「論理的思考力」とやらをどうやったら習得できるんだ、ということについて書いていこうと思います。

 

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2017/11/16

家ついて行ってイイですか?

今日は保護者の皆さんだけでなく、ちょっと中高生にも向けて書いてみます。可能でしたらお子様方にもお声がけいただければと思います。

 

 

テレビ東京の番組に『家ついて行っていいですか』というのがありますがご存知ですか?今は水曜日に放送されているみたいですが、私たちはあの番組も好きで、時間があるときは見ています。

 

 

一般の人々のご自宅に突然訪問するというすごい番組ですけど、多分選んでいるからだろうと思いますが、登場する人々が個性的で、一つ一つの物語に考えさせられたり感動したりといろいろ心が動かされます。

 

 

昨日見たお話はとても切なくて、かつ様々な切り口で考える材料になりますからご紹介しますね。ああいう番組をただ娯楽番組として見るのではなく、是非自分のこととして自分に引き寄せて考えながら見てくださいね。

 

(テレビをそんな風な意識で見ていくと、単なる息抜きのテレビ視聴がものすごく自分の肥やしにもなるんですよ。)

 

 

昨日(11/15)の放送では引きこもり歴2~30年という48歳の息子さんと二人暮らしだという母親が登場しました。引きこもったきっかけは、当時働いていた運送会社で遠距離の仕事に出ていた際、年下の同僚と仕事上でうまくかみ合わなかったようで「今すぐ車から降りろ!」と強い口調で怒鳴られたことのようです。

 

 

「今すぐ車から降りろ」と言われたのは伊豆の辺りだったかな?とても歩いては帰れないような遠い場所だったそうです。

 

 

息子さんは帰宅後、悔しくて悔しくて涙をポロポロポロポロとこぼして泣いたそうで、それ以来仕事にはつかず、家からも出なくなったそうです。

 

 

切ないですね。

こういう問題について、皆さんはどう思いますか?

 

 

この息子さんと同僚の間でどんないきさつがあったのか詳しい事情がわかりませんのであまり突っ込んだことは言えないのですが、

 

「そんなことで引きこもってしまうなんて心が弱すぎる。」

「親が甘やかせて育てたからそういう弱い人間になったんだ。」

 

という意見は必ず出てくるでしょうね。

 

 

確かにそういう一面はありますし、そういう切り口で教育論、子育て論へと発展させることが可能です。一方で、もしあなたがこの息子さんの立場だったら、この息子さんの親だったらどう思いますか?

 

 

少なくとも一人の人間が二度と家の外へ出られないほどの精神的衝撃を与えられた、ということ。そしてそういう人はこの人だけではない。実はかなりの数で存在しているのだということ。これは無視することの出来ない重大な社会問題なのです。

 

 

(暴力的な)強い力を持つ人間は苦しまず、それに抵抗出来るほどの力を持たない弱い者ばかりが損をする、我慢を強いられる。それを「本人が弱いからダメなんだ」の一言で切り捨ててよいのでしょうか。

 

 

現実の社会でこうやってひっそりと息をひそめて暮らしている人々が実際に大勢いるのだという「現実」を皆さんは意識したことがありますか?

 

 

恐らくなんとなくは知っていてもあまり考えたことはないだろうと思います。なぜなら、それは学校の成績には直接関係のないことだ(と思っている)からでしょう。また、豊かで平穏な生活を送っている皆さんには程遠い世界だからでしょう。

 

 

しかしこういう、簡単に正解など導き出せないような問いを、心の痛みとともに考え続けられる人こそが本当に「賢い人」なのだろうと思います。

 

テレビを見る時も少し視点を変えていろいろな角度から考えられるとよいですね。

 

 

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2017/11/14

英会話ーどうしたらできる?

皆さんは、金曜日の夜11:00頃って何をされていますか?我が家ではほぼ決まってNHKの『ドキュメント72時間』という番組を見ています。知らない人のために簡単にご説明しておきますと、毎回ある場所を設定してそこを訪れる人々にインタビュ―をし、人々の様々な人生を少しだけのぞかせていただく、そんな番組です。私や娘は、特に、社会の片隅、うらぶれた町でひっそりと生きている人たちの、骨のある話やちょっと淋しい物語を聞くのが好きです。

 

 

で、先週(11/11放送)の番組はそういうのとは全く関係なく、英会話スクールに通う人々を撮影したものでした。所謂英会話スクールですので番組に登場したのは大人ばかりでしたが、案の定、なかなかみなさん苦労されているなあという印象だけが強く残るものとなっていました。要するに、全く英語が口から出てこないんですね。I…I…の後が続かなくて、結局単語だけを並べているだけ、みたいな(笑)なるほど、多くの方が「英語英語」と必死になるのも合点がいきました。

 

 

しかし、あんなやり方ではいつまでたっても英語が話せるようにはなりません。なぜか、と言えば、ほとんど基礎=土台のない人にいきなり自由に話させているだけ、だから。基本的な言い回しを知らない人に自由に話せと言われても話せるはずがないわけで。ひょっとするとまずは「あー私全然話せない。やっぱりしっかり通って勉強しなきゃ。」と思わせる「作戦」なのかな?そして「いつまでたっても話せない=客として長くキープ出来る」というシナリオがあるのかもしれませんね。

 

 

 

シリウス英語個別指導塾に通っている皆さんは自信を持っていいですよ、本当に。ああいう不様なこと(失礼!)にならないように、ということも目標の一つでやっているのが、当塾のやり方です。当英語塾で基礎をしっかりと築き上げた上で英会話スクールだとかスカイプ英会話を利用すると非常に効果的ですよ。もちろん現段階でも、当塾に1年以上通っているお子さん達でしたら下手な英会話スクールの大人たちよりはるかに話せますよ。

 

 

秘訣は、文法を理論的にしっかりと理解する。理解したら基本構文をしっかりと音読して覚える。ただこれだけのことをコツコツと続けるだけです。ただし「文法を理論的にきちんと理解する」という部分はそういう意識を持った能力のある指導者にしっかりと導いてもらう必要があります。そこが抜け落ちるとただの丸暗記に終わってしまい、応用力が育ちませんからね。つまり、決まったことは言えるけど自分の言いたいことは自由に表現できないということに情けないことになるだけです。

 

 

ということで、大人の方も英会話ができるようになりたかったら町の英会話スクールでは無理ですよ。保証します。あの番組がそれを証明してくれました。

 

 

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2017/11/02

大学入試と映画の関係

すみません、私たちも少しは検索ワードのことなんかも気にして「大学入試」なーんて言葉をタイトルに持ってきたのですが、何のことはない最近観た映画の話をまた書きたいわけです。(といって、全く大学入試と無関係かというと、実は大アリなんですがね。)ともかく本題に入りましょう。

 

 

 

つい数日前かな、わが子と一緒に見たのは『切腹』という古い映画。(1962年公開、小林正樹監督。)

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ものすごく簡単にあらすじを紹介しておきますと、

 

時は江戸時代。関ヶ原の合戦以降、元豊臣方の武士たちは行き場を失い浪人として困窮した生活を送っていた。そんな頃、江戸の大名屋敷には、「このまま惨めな生き恥をさらすよりはいっそ武士として潔く切腹したい。そのために庭先を貸してくれ。」という浪人が現れ、その心意気が買われて士官として雇い入れられたという噂が広まり、そういう動きが広まっていた。かといって全ての浪人を雇入れることなど出来ないため、武士の情けで金銭を渡して引き取ってもらうというやり方で対処していた。すると、はなから切腹などするつもりもない浪人たちが金をたかるために大名屋敷を訪れるという流れが出来てしまった。

 

 

 

それに手を焼いていた井伊家では、切腹したいから庭先を借りたいといってきたある浪人に対して「やりたいならやってみろ」と本当に切腹をさせてしまった。実は、その浪人(千々岩求女ーちぢいわもとめ)には今にも息絶えそうになっている赤ん坊と結核で寝込む妻がいた。しかし医者を呼ぶ金もなく万策尽き果ててとうとうこの「たかり」の戦術に出たのだ。一方井伊家では、そのような者に全て金銭を渡していてはきりがないということで、「切腹するならするがよい」となってしまった。この浪人、貧窮し武士の魂ともいえる刀は既に売り払っており、脇に差していたのはただの竹光。井伊家の家老はそのことを知っていながらあえて竹光で切腹をさせたのだ。(竹光で腹を刺せるかどうか想像してみてください。)

 

 

 

その後、事情を知った求女の義父(求女の妻の実父)ー仲代達也扮する津雲半四郎ーもまた井伊家を訪れ、最終的にはそこで切腹をする。

 

 

 

この最終場面が圧巻です。言わば、幕府側の権力に対して、みすぼらしい姿の一介の老浪人が真正面から闘いを挑むという光景です。戦国の世を生き抜いてきた半四郎は剣の達人。井伊家を訪れる前に実は、あくどいやり方で娘婿の切腹の介錯をした井伊家の家臣ども三名の髷を切り落としていた。それは武士にとって切腹に値するほどの恥さらしなことであった。そして最後は何十人という井伊家家臣を相手にたった一人刀を振り回し、次々と切り落としていくのだが、最後は追い詰められ切腹をする。

 

 

 

一方、井伊家では一介の浪人に重臣達の髷を切り取られ、多くの死人まで出たなどということが世間に知られるようなことがあっては絶対にならない、ということで、死者は皆病死、津雲半四郎は無事切腹という虚偽で体裁を取り繕う。当然井伊家の名誉は守られお家は存続する。とこんなストーリーです。(全く腐りきった姑息な輩。武士の風上にもおけないような輩が武士で居続けられるという皮肉。あれ?どこかにもそんな人が!)

 

 

古い映画ですし江戸時代を舞台にしていますから、言葉遣いだとか武士道というものを知らないとなかなか難しいと思いますので、中高生にはちょっと無理かな?親御さんが時々解説してあげながら観ればなんとかなるか?

 

 

 

別にこの映画でなくてもよいのですが、映画というのは単なるエンターテインメントではないのです。もちろんそういったものもありますが、よい映画というのは、歴史認識だとか社会的認識だとか、様々な世界観を知ることができるのです。また、私たちが生きている「今」にそのまんま当てはめて考えることもできます。

 

 

 

(例えばですが、上記のあらすじはかなり雑であまり上手くないので分かりにくいかもしれませんが、この映画のストーリーって古いと思いますか?現代には全く関係ない話だと思いますか?いえいえそんなことないですよね、現代に、特に今の日本にはこれと全く重なり合う構図というのがそこかしこにありますよねー。)

 

 

 

タイトルに関連付けて書いておきますと、映画のストーリーがそのまんま入試問題に取り上げられることもありますよ、上智とかね。また、いい映画をたくさん見ておけばそれだけ世界観が広がることになる、即ち余白が大きくなる。とにかく余白が大きくないと一流大学は厳しいのです。もちろん、余白なんて何かをしたからってすぐに広がるものではないですので、誤解なきようお願いいたします。

 

 

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