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塾ブログ 林間教育通信

2022/04/10

英作文の学習ルート(1)ー基本例文暗唱段階ー

英作文の学習の仕方が分かりにくいとか、やろうとしても難しすぎて挫折しやすいという人は、かなり多いはずです。そこでシリウス英語個別指導塾での長年の指導経験から、英作文力あるいは英語ライティングの力を養成し、大学入試や英検準1級・TEAP(=上智大学・立教大学などに対応できる4技能の能力を測る英語試験)などに対応する学習ルート、それも出来るだけストレスが少なく継続しやすい学習ルートを、三つの段階に則して具体的に示してみましょう。

 

あらかじめ、英作文学習の三つの段階を示しておきますと、以下のようになります。

 

 

 

第一段階 基本例文暗唱段階(英語の直訳的日本語を英文に変換できる段階)

(中学~高校1の基礎英文法完成)
第二段階 和文英訳段階(複雑な和文や日本語的日本語を英訳できるようにする段階)入門編,発展編(大阪大学や京都大学、国立医学部一部など)

 

 

第三段階 自由英作文段階(一文と一文の繋がりを考えて、まとまった意味のある英文を作る段階)(英検準1級、TEAP, 北大、東外大、東大、一橋、慶応経済・医学部、早稲田政経・法学部など)

 

基本的には第一段階⇒第二段階⇒第三段階と一歩いっぽ進めていきますが、学習者の学習蓄積や課題(入試の種類)に応じて様々なヴァリエーションがあります。

 

例えば東工大志望者であれば、第1段階⇨第二段階入門レベル、京大志望者であれば第一段階⇒第二段階発展レベル)、英検準一級受験者や東大志望者であれば、第一段階⇨第二段階入門⇨第三段階といった具合に進めていきます。また、ある程度基礎力のある高校生であれば、第一段階を飛ばし、いきなり第二段階にはいり、第二段階⇒第三段階と進めることも可能でしょう。

 

そしてちょっと残念なお話となりますが、第三段階の訓練がどうしても短期的には無理な生徒さんもいらっしゃることも、前もって申し上げておきます。(英語力不足、教養不足、日本語力不足などの場合)。なお、TOEFLや海外留学を考えている学習者は、第三段階を早く卒業して第四段階へとお進みください。(当塾では対象としません)。
まず今回は、第一段階(和文英訳基礎段階)から説明していきましょう。

 

 

英作文の学習ルート(第一段階 基本例文暗唱段階)

 

英作文の一番最初の段階ですね。

 

 

学習時期中学1年生で英語を最初から始めるならば2-4年間くらいで終えられます。ある程度以上は基礎文法は分かっているぞという高校生ならば、半年-2年で習得できるでしょう。しかし、くれぐれも受験直前から始めようとは思わないこと。要するに、高校一年生レベルくらいまでの基礎英文法をしっかりと身に付け、同時に英作文(和文英訳)もできるように訓練しましょうという段階です。

 

 

学習ポイントを箇条書きにしておきましょう。

 

  • l 英文法の最低限の理屈を覚える。
  • l 英文を直訳的和訳できるようにする。また、直訳日本語に馴染む。
  • l 直訳的和文をみて、それを瞬時に英語に変換できるようにする。
  • l 英語例文を音読暗唱する。このとき、英単語意味のかたまり文法音やリズムによく注意する

 

 

最後の英語の音読だけは太字にしておきました。というのは、とくに中学生の場合、流暢に英語をぺらぺらと暗唱していたとしても、頭の中がスカスカの場合がかなり頻繁にあるからです。つまり、一つひとつの英単語や、英単語が作る意味のかたまり(チャンク)の意味を全然考えないで、きれいに音読したり暗唱したりしているかもしれないのです。これはオウムやインコが人間の言葉を覚えたり、歌詞の意味も分からないのに洋楽を覚えたりするような「勉強法」です。意味を考えずに音読すると、頭が疲れないし、とても楽チンなので、その誘惑は強いみたいです。しかし、もちろんそんな風な音読をしても、英語力養成には全然役立ちません。これは絶対駄目な勉強法ですから、注意して見守る必要があります。スカスカ音読をしないかどうかをチェックするのも、プロ英語講師の使命です。

 

なお直訳的和文とは、英語を直訳したような和文で、日本語の単語が英単語にほぼ一対一に対応しているものです。たとえば、「あれが、あなたが話していた男ですか」のような和文です。この場合は
「あれが・・・ですか」 ⇒ Is that?
「男」         ⇒  the man
「あなたが話していた」 ⇒ of whom you spoke 

 

以上を総合すると、すぐに英文を組み立てられます。

 

Is that the man of whom you spoke?

 

 

あるいは、「何が彼女にそんなことをさせた」という和文であれば、

「何が」は、「何」はWhatで、これは主語になるので、一番先頭に配置し、
「彼女にさせた」は使役表現の動詞でmade her doになり、主語の次に、
「そんなことを」は、目的語ですから、動詞の後にsuch a thingを置くと瞬時に判断し、

 

What made her do such a thing? とすぐに英語にできるように訓練します。
ところで「何が彼女にそんなことをさせた」という和文は、ちょっと不自然ですね。これが直訳的和文なのですが、この段階では、こういう不自然な和文、つまりちょっと英語みたいな変な日本語で良いのです。そのまま英訳しやすいから無理な負担がかかりません。丸暗記不要で覚えやすいのです。そして、この英語みたいな日本語も一緒に覚えてしまいしょう。

 

別の言い方をすれば、純和風の日本語表現を英文にする能力は、この段階では全く求められていないのです。例えば、「猫の手も借りたい」だとか「なかなか寝付けなかった」といった表現を、英訳してみる必要はありません。むしろ、入門段階でこういう難解な(=意地悪な)問題に取り組ませるのは有害だと断言しておきます。

 

また、時に無責任な学校教師が、中学生や高校1年生などに対し、自由英作文を課したりすることが有るようですが、真面目に頑張る必要はありません。仮に苦労して書き上げたとしても、添削指導はおろか読んでくれさえもしないでしょうから。

 

 

お勧めする例文暗唱用のテキスト・問題集(参考書)

 

シリウス英語個別指導塾では例文暗唱のテキストとして、『シリウス発展編』を用いています。ただし指導者がいない場合はお勧めできません。分厚すぎて、一人では挫折するのは必至だからです。

 

独学者であれば、公文の『くもんのハイレベル中学英語ー文法・作文 スーパーステップ』の英文が良さそうに思われます。量が多すぎず、また英文が難しすぎないからです。

 

問題集(参考書)に取り組んでみたいという人がいましたら、宮崎尊『宮崎の今すぐ書ける英作文(和文英訳編)』の第1部と第2部(10-51頁)はどうでしょうか。易しい和文英訳のコツを学ぶことができるでしょう。ただしこの本だけでは、第一段階の課題をマスターすることは出来ません。ボリューム不足で網羅性に欠けるからです。なおこの本の主要部分は第三部(53-226頁)で、難解な和文英訳の入試問題に導いてくれます。

 

 

次回は、英作文の学習ルート第二段階、和文英訳応用段階についての解説をします。

 

 

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