既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、2020年からは日本の義務教育の内容が大きく変わりました。特に英語の新学習指導要領の変容ぶり(教育改悪)は、凄まじいものがあります。そのことは新しい検定教科書を見れば一目瞭然です。
かいつまんで説明しますと、小学校で英語教育が導入されたのだから、小学校卒業段階では英語の基礎の基礎(英単語、英文法、英語の読み方など)はすでに身についているという前提になっています。結果、中学1年生の4月の段階で、いきなりbe動詞、一般動詞に加えて助動詞canまでもが教科書に登場してきます。(写真は東京書籍『NEW HORIZEN1』の最初の方にあるUnit1です)。
また、今までなら中2で学習していた『不定詞』も中1に降りてきています。最終的には、従来は高校で学ぶはずの内容(toなし不定詞、仮定法)も、中3で取り扱うことになりました。
上記の新カリキュムラが一体どれほど恐ろしい事を意味しているのか、ピンとこない方も多いかもしれませんが、実に大変な事態が到来しています。私たちの経験上、公立中学在校生の98%くらいは完全に取りこぼされてしまうでしょう。
Youtubeをいくつか見ておりますと、総じて、「頑張って大いに復習に励みましょう」という意見の人たちが多数派のようです。しかし、これはあまりに無責任なアドバイスです。具体的な方法論が何も示されていないのですから。
我々シリウス英語個別指導塾としては、公立中学生の生徒さんは新指導要領にまともに立ち向かうのは諦めるしかないと考えています。
とはいえ、一部の生徒さんは例外です。今現在で公立中学1年生、あるいは今後公立中学に入学する予定で、国立大付属高校(筑大駒場、学大付属など)や早稲田・慶應高校に合格することを決めている生徒さんならば、超難関高校対策をする進学塾等を活用しながら、新教科書についていけるように努めてみるべきでしょう。もちろん当塾も相談にのります。(☆注意☆ 中学1年生の段階で、NHK基礎英語1を活用することは薦めません。21世紀のNHK基礎英語は、昔の基礎英語とは異なり、あまりにも難しすぎるからです。ただし、ある程度基礎を身に付けた段階で挑戦してみるのは、悪くない考えです)。
さあ、ここからが本論です。成績にはある程度自信があるが、上記のような超難関高校を目指すぞというほどではない中学生、神奈川県で言えば、県立厚木高校、県立横浜緑が丘高校、県立相模原高校などの県立進学高を目標にする、普通に優秀な生徒さんの場合です。これらの皆さんは、新指導要領にあまり執着する必要はありません。もちろん学校の成績は大事ですから、教科書に適当に馴染み、単語を覚え、比較的簡単な文法問題集(例えば、佐藤誠司『最高水準問題集中1』)を出来るようにすれば、それで良いです。文法理解が多少曖昧だと感じても、あまり悲観したり深追いしたりする必要はありません。従来のカリキュラムのレベルを目指しながら、淡々と勉強を続けてください。県立進学高の受験ならば、それで十分通用するはずです。
え、それでは大学受験はどうするの?と思われるかも知れません。大丈夫です。高校一年生から真面目に3年間正しい方法で勉強を継続しさえすれば、絶対に間に合います。
そもそも高校生になると、中学時とは異なり、しっかりと自覚を持って勉強出来るようになります。文法を含め、理論的に学ぶ姿勢も身についてきます。ですから、中学生の時よりもはるかに高い集中力で学ぶことができるようになっています。そのような状態で英文法を理論的に学び理屈をしっかりと理解していけば、グングンと力はついてきます。非常に効率的です。当塾でも、高校生で中1英語からやり直し、京都大学、早稲田大学、明治大学、立教大学、日本大学等々に合格しています。
今回はこれまでです。この続きとしては、高校から中1英語を勉強し直すメリットについてもう少し詳しく説明いたします。