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塾ブログ 林間教育通信

2016/08/11

慶應大学合格の夢を叶えるには?part2

前回のpart1に続いて、ここからが本題です。慶應大学に一般試験で合格するというのは、どういうことなのでしょうか。そして、それが家柄・家系あるいは家族の学歴とどのように関係しているのでしょうか。

 

 

慶應大学の入学試験は、実は他の私立大学とははっきりと異なっています。とても特徴のある試験制度なのです。

 

 

まず、慶應大学には文系であっても国語の試験がありません。国語の代わりに小論文の試験が課されます。もしかすると、これが一般家庭のお子さんには大きな関門かもしれません。

 

もう一つは、私立文系学部でも、他の私立大学とは異なって数学重視の点です。つまり、慶應大学合格のためには、文系受験生であっても、英語・国語・社会という3科目受験を選択できないのです。

 

逆に言えば、慶應大学に合格するためには、「英語と小論文」または「英語と数学」ができれば良いと言えるのです。少し前に話題になった「ビリギャル」も、「英語と小論文」の2科目受験で慶應に合格したのです。

 

 

このブログでは「数学」についての詳細は省きますが、少しだけ説明しておきましょう。ご家庭親御様による教育力(文化的環境)に自信がない、しかしそれでも慶應に進学させたいという場合はぜひとも数学の力を身につけさせて突破口を開いていきましょう。

 

 

数学は、勉強の性質上、塾や予備校での研鑽と自宅学習によって、その力を伸ばすことが出来るからです。そして、英語と数学が得意でさえあれば、理工学部、薬学部、看護医療学部、経済学部、商学部に合格する可能性が出てきます。特に、看護医療学部と商学部は大いに注目です。(注意:理工学部のみ数ⅢCまで、他の学部は数ⅡBまでです。なお理工学部・薬学部・経済学部については、東大志望者レベルが前提です。

 

 

さて、「英語と小論文」で慶応大学を突破できる素養をどのように養っていくことができるのか、です。結論を先取りしますが、英語も小論文もどちらも、学校や塾にまかせていればOK という訳には決していきません。小論文は国語以上に、個々の受験生の素養が求められています。英語でさえ、慶應レベルのやや高度な英文を読むとなると、塾の力だけではどうしようもないのです。英語の基礎力を身につけることはできても、限界にぶつかってしまうからです。要するに、英語や小論文で合格点をもらうためには、本人の主体的・継続的な読書習慣や文化的活動とそれに基づく一般教養や背景知識があるということが前提条件になってきます。

 

 

残念ながら、我々塾講師側も全面的には助力できないのです。なぜなら、私たちは生徒さんと一緒に毎日を暮らしているわけではないし、暮らせるわけでもないからです。

言い換えると、それだけ日常のご家庭での文化的活動の習慣が重要ということになります。(家庭での文化的活動というキーワードでピンとこない場合は、この道は難しいでしょう。ただし、商学部・看護医療学部ならそれでも可能性はあります。) 

 

 

たとえば東京大学法学部志望を自称する高校生女子に「東大法学部か、すごいなあ、やっぱりアリストテレス(古代ギリシャの非常に著名な哲学者)とか読むの?」と尋ねてみましたがそんなもの読んでもいないし、決して読んでもくれません。むしろ、「嫌み」と思ったのか退塾してしまいました(笑)。(アリストテレス自体は入試に取り上げられていませんが、アリストテレスの政治思想を論じたサンデルの著作は、慶應大学経済学部の小論文や、青山学院法学部の英語問題に出題されました。(いずれにせよ、ラノベレベルの本しか読んでいないのに読書が好きですとか言わないでほしいのです。それで東大や慶應の法科に行くのは無理筋です)。

 

 

他方、今年(2016年)、早稲田大学政治経済学部政治学科に合格した中田君(浅野高校)との間ではアリストテレスのレトリック論(『弁論術』)が話題に出ましたし、彼も自主的にマキャベリ(ルネサンス時代のイタリアの政治哲学者。『君主論』で有名)を読んでいたようです。また、当塾の授業ではNew York Timesのヴァーグナー(19世紀ドイツの代表的オペラ作曲家)のオペラ公演についての評論を原文の英語で読んだり、エドガー・アラン・ポー(アメリカを代表する詩人、作家。探偵小説の創始者としても知られている)の代表作「Raven(カラス)」https://www.youtube.com/watch?v=BefliMlEzZ8 という詩を一緒に聴いたりもしました。

 

 

「英語と小論文」の素養を上げていくには、中高生が、自主的にちょっと高級な内容について、新聞、雑誌、本、インターネット、TV番組を読んだり見たりする必要があります。(とくに新聞や新書本を読んでいることは非常に重要)。もちろん、クラシックコンサートやバレエ・または歌舞伎等の古典芸能等にも親しんでいるのは当然といえば当然です。

 

 

ただ、中高生、あるいは小中高生が自主的に学ぶというのは、大半がご家庭の文化的力です。たとえば多くのお子さんは、自分の家に置いてある本や雑誌を読むことから、大人の本の読書を始めるのです。これが家庭に求められている文化的教育力に他ならない訳です。慶應家系とか慶應一族なるものの中核にあるのは、子供たちが大人的なものを学びたい、知りたい、読書したい、と思わせるような家庭の雰囲気が元々構築されているからではないでしょうか。別にお父様やお母様が慶應大学を卒業していたり、慶應一族であったりする必要はないのです。大事なのは、慶應を出ていることではなく、慶應「的」な家族の慣習なのです。ですから、そういう雰囲気を作り出すようにお父様やお母様が努力なさればよいのです。

 

 

具体的にどんな努力が必要でしょうか?

 

先ほどは詳しくは説明しませんでしたが、慶應大学の入試英語は、実は時事的な英語、あるいは出来るビジネスマンが読んでいるような英文が取り扱われることが多いのです。決して専門的内容――早稲田の英語のほうがむしろ大学院的レベルだったり哲学的だったりする傾向があるーーではありません。一流ビジネスマンが教養やら一般的知識を身につけるための英語英文を受験生に読ませると言ったら分かり易いでしょうか。こういう英文を読みこなすためには、狭い意味での受験英語の勉強では不十分です。むしろ、こういった題材について、日本語でよいのである程度の予備知識を持っていると、正しく速く読めるようになります。つまり、大人のビジネスマンの教養的知識を予め身につけておくと、慶應英語克服には大変有利なのです。

 

 

そのためには、ご家庭で新聞購読をしているというのは、あらためて申し上げるまでもないことですが、これに加えて、ビジネス経済誌を購読するのはどうでしょうか。お子さんに読ませるのではありません、お父様、お母様が自ら楽しんでお読みになることです。決して「子供を慶應大学に入れるためよ」と力んで眉間にしわを寄せて読むのではありません!

 

そしてお食事の際などに、ご家族でその話題を共有するのです。そういう日々の積み重ねからお子さんたちが自然にそういったものに興味が湧いてくるのです。お子さんにだけ読め読めといっても逆効果。とりあえず国語塾に行かせるというのもナンセンスです。

 

 

慶應家系、慶應一族に対抗するには、こういう環境から作っていくことが必要です。ここで、お父さまお母さまの力量が問われます。ご両親が楽しめないようでしたら、この道はあきらめしょう。

 

代表的な経済誌・ビジネス誌は『東洋経済』『ダイヤモンド』『エコノミスト』等。『プレジデント』や『日経ビジネス』(定期購読のみ)もあります。あるいは、経済誌とは言えませんが、『日本版ニューズウィーク』や『アエラ』だとか『COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)』(web限定)も見逃せません。もちろん文芸誌(『新潮』『文学界』『すばる』など)や大衆向け科学誌(『日経サイエンス』『Newton』など)といった選択肢も、慶應文系向きとは言いませんが有りうる選択肢でしょう。

 

 

上記の中から一つ選べと言われたら、私ならば『ニューズウィーク』でしょうか。価格が400円前後とお安く手頃だからです。とはいえ、特集のテーマで毎回選ぶのが良いのではないかなとは思います。

 

 

例えば、最近の『ダイヤモンド』では「死生学の勧め」「EU分裂は必然!大経済史」「確率・統計入門」、『東洋経済』では「健康格差」「ビジネスマンのための世界史」などが特集となっています。

 

 

 

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