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塾ブログ 林間教育通信

2017/07/10

子どもを賢くしたいなら、日経電子版を読んではいけない

近頃はiPhoneやスマホなどのデジタル・デバイスで、新聞を読む人が増えています。もちろんKindleのような電子書籍リーダーを活用して書籍を読む人もたくさんいることでしょう。これに対しては、伝統的な紙媒体のほうがやはり良いとか、電子版のほうがずっと便利だとか、様々な賛否両論があります。

 

ちなみに、最近出た池上彰、佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方』によりますと、池上彰さんは紙媒体派で、佐藤優さんは電子版派だそうです。要するに、どちらが良いのか結論は出ていません。一般論として言えば、どちらも使い比べてみて、自分にとって使いやすいものを選びなさい、となるはずです。

 

しかし、教育論となれば、話は全然違います。子供を持つ親であれば、断然、紙媒体のほうを優先させるべきなのです。なにも電子版を全然活用するなとは言いません。電子版だけで済まし、紙媒体を購読しないのではダメだということです。

 

紙媒体の新聞は、必ず定期購読してください。家の中に、「活字」が目につくように置かれて、子どもが日常的にそれらの刺激を受けることが肝心なのです。もし、自分の子どもを一流大学に進学させたいのであれば、新聞・雑誌の購読や、日々の読書は、もはや自分のためだけではないのだ、実は子どものためにもなるのだと、自覚することです。親が新聞や書籍を読んで、その「紙の媒体」を食卓や本棚に置いているから、子どももそれを読んでみようとなるのです。

 

もちろんこういう話は、お子さんを難関国立大学や早慶(文系)に進学させたいと願う親御さん限定の話です。理系進学の方針だったり、中堅大学で良いのであれば、お子さんにしっかりとした読書の習慣がなくても、合格は充分可能です。しかし、東大や一橋大学だとか、早稲田か慶應の法学部に行ってもらいたい、などと思われているようであれば、学校や塾に頼るというよりは、むしろ、お父様お母様ご自身が積極的に新聞や書籍をお読みになり、かつそれらの「活字」がいつでも子どもの目に入るように、家庭の文化的環境を整えなければなりません。だからKindleやiPadで、独りだけの読書をしてはいけないのです。

 

ここで、子どもの読書とか読解力について、もう少し背景を詳しく説明しておきましょう。

 

子どもの読解力は小学生のときにぐんぐん伸びていきますが、最初の「壁」は、小学校高学年くらいのときに来ます。要するに、小学校卒業レベルの日本語読解力の有無が問われているのですが、ここで文章を一応読める子どもと、まともに文章を読めない子どもに分岐してしまいます。これは、公立小学校や公立中学校では、非常に大きな問題なのですね。しかし、中学受験を乗り越えたお子さんであれば、この「壁」はなんなく乗り越えられているはずですので、ご安心ください。

 

皆さんにとっての大きな問題は次の段階です。現代の子ども達の多くは、普通、子ども向けのラノベのような、娯楽的な軽い物語を読むことになります。私たちは、そういった本の多種多様なタイトルだとか内容をよく把握しているわけではないのですが、たとえば、『黒魔女さんが通るのような作品群です。こういう物語を読むのは、それ自体は非常に結構なことなのです。問題は、ある程度の読解力を身につけた子どもであっても、ほとんどのお子さんは、子ども向けエンターテイメントの作品しか興味を示さないし、読まないということです。

 

学年があがれば、中高生向けあるいは大人向けの現代的エンターテイメントを読むようになるのかもしれません。人気があるのは、TVや映画になった作品群でしょうか。たとえば、東野圭吾『探偵ガリレオ』、有川浩『図書館戦争』、 三上延 『ビブリア古書堂の事件手帖』、坪田信貴『ビリギャル』といったあたりかな???

 

 

しかし、もう一歩レベルをあげ、読解力の必要とされる文章、つまり、いわゆる純文学だとか、新書本のような説明文的な文章を読みだそうとはしません。これが多数派のお子さんです。ここには、とてもつもなく大きくて高い壁があるようです。この壁を乗り越えられない限り、たとえ穴場とされる慶應大学SFC(藤沢キャンパス)にせよ、合格は困難でしょう。どうやったら、この壁を越えられるのか。

 

 

他方、多数派とは異なって、現代エンターテイメント作品でない活字を読むお子さんがいます。そういうお子さんが何をどうして読むのか。実は、ほとんど圧倒的多数は、親御さんやお姉さんお兄さんの蔵書だとか推薦本を読んでいるのです。もちろん、親御さんの蔵書を読むというのは、必ずしも純文学や哲学書を意味しているとは限りません。多くの場合、昔流行ったエンターテイメント作品、たとえば『少年探偵団』『ガラスの仮面』(少女漫画)、アガサ・クリスティーのミステリーみたいのを読む。あるいは、中学生でも、ドストエフスキーや太宰治あるいはドラッカーやアインシュタインを読んだりする場合もある、といったように様々です。

 

注目すべきは、親御さんの蔵書、つまりは家の本棚にある本を子どもは読みたくなるものなのだ、ということなのです。実は親御さんの読書体験こそが、自宅の本棚にある「紙の媒体」を通じて、お子さんに受け継がれていくのだという事実です

 

新聞を読むという習慣も同様です。親御さんが新聞を読んでいると、子どもも新聞を読む習慣を自然と身につけるようになる。逆に言えば、親が新聞を読まないのであれば、子どもも新聞は読みません。(もっとも、親御さんが『日本経済新聞』(紙媒体)を定期購読しているからといって、中学生のお子さんにそれを読ませようとは思わないでくださいね。内容が経済事情に偏っていますし、子どもが読むには退屈なはずです。つまり、日経を定期購読するだけでは、紙媒体だとしても、教育的には配慮が欠けているということになります)。

 

子供向けラノベやエンターテイメント作品を超えて、主体的にしっかり読まなくては読みこなせない活字を読むようになるのか否か。少なくとも文系に進学するつもりならば、決定的な重要性を持っています。そして、それを大きく左右しているのは、親御さんの主体的な家庭環境作りです。お子さんがラノベ読書から卒業できていないのに、読書活動を子ども任せにしているようでは、絶対にダメです。自分が面白いと思う本や記事を、子どもに積極的に伝えていく努力が不可欠なのです

 

 

 

以上、よろしくお願いします。

 

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