
まずは、英語力の現状認識が必要です。
中高一貫校の生徒さんの場合、高校受験を経ていませんので、自分の英語力についてシビアーに問われた経験がありません。
かなり多くの中高一貫校の生徒さんは、高校受験経験者よりも、英語力がかなり落ちる場合が多いです。しかし、勇気を持って、自分の英語力がどの位置にあるのか、確認してみましょう。中1英語から徹底的にやり直す必要があるのか、それとも中3英語から軽く復習すれば良いのか。今自分がどこにいるのかを確認し、今後の計画を立てていきましょう。
中学英語をどの程度マスター出来ているかをチェックするには、英文和訳と和文英訳の力を調べてみるのが一番です。英検2級に合格していても、中一英語を和訳したり、英訳出来なかったりるからです。
ただし、独りではチェックしにくいでしょう。その場合は、問題集などを用いて間接的に調べてみましょう。
当塾では、生徒さんとの個人面談の際に簡単なチェックをしています。少し具体的に言うと、以下の通りです。
中1レベルの英語を英文和訳出来るか。また、和文英訳できるか?
中2〜3レベルの英文を読ませ、文法的に和訳できるか?
現状としては、中高一貫校の生徒さんの場合、一流あるいは準一流の中高一貫校の高校生であっても、中2英語のレベルを全然クリア出来ない人が、残念ながらかなり多いようです。たとえば、不定詞(中2英語)を訳せなかったりします。
結果、当塾の入塾生の場合、ほとんどの生徒さんには、中1英語から復習してもらっています。
一人で自分の実力を測定しようとするならば、中学生用の問題集を解いてみましょう。本人の志望大学によって、問題集の難易度は変わります。
英文法力
『最高水準問題集 特進中1英語』(文英堂)
『最高水準問題集 特進中2英語』(文英堂)
『最高水準問題集 特進中3英語』(文英堂)
長文読解力
『英語長文 難関攻略30選』(東京学参)ー超難関高校入試レベル
『英語長文レベル別問題集(3)』(東進)ーー難関高校入試レベル
英文法力
『最高水準問題集 中1英語』(佐藤誠司、文英堂)
『最高水準問題集 中2英語』(佐藤誠司、文英堂)
『最高水準問題集 中3英語』(佐藤誠司、文英堂)
長文読解力
『英語長文レベル別問題集(2)』(東進)ー県立高校入試レベル
現状認識の結果はどうだったでしょうか。
中高一貫校のかなりの生徒さんは、英語力に問題アリだったのではないでしょうか。中高一貫校は高校受験がないので、理屈から言えば能率的に勉学できるはずなのですが、現実には英語力で停滞してしまうことが、頻繁に起きているようです。
しかし、ご安心ください。高校一年生あるいは中等学校の4年生から真面目に取り組めば、東大・京大を含む一流大学の入学試験に、間に合わせる事が出来ます。日本の大学入試は、幸か不幸か、それほど難しいものではないからです。
とはいえ、どのような教材を用い、どのくらい勉強すれば良いのでしょうか。ここでは、中高一貫校の高校生が手を出すべきではない教材等について、まずは簡潔に説明しておきましょう。
❌❌❌❌大人のための学び直し英語系の学習本や無料Youtube
本屋さんや世の中には、中学英語を「短時間で」マスターしましょうと謳う本やYoutubeの番組であふれています。しかし、これらの本やYoutube番組の多くは、利用してみないほうが良いでしょう。
ちょっと真面目に考えてみれば分かりますよね。中学の三年間、英語の勉強をまるでサボっていたのに、高校になってから、たった10時間や15時間頑張れば、その遅れを取り戻せたりするなんて、そんな上手い話はあり得ないじゃないですか。
実は、それらの「速成」を謳う英語学習本は、中高校生のために書かれてはいません。むしろ、いったん有名大学を卒業した人が、社会人になって、もう一度英語を学習し直してみようと思い立った際に、役に立つように出来ている本なのです。
一度、英語を勉強した人たち、つまり大学受験で英語学習を頑張ったことのある社会人ならば、あまり細々とした説明は不要でしょう。昔習ったことを思い出すキッカケを与えて貰えば、それで十分だからです。だから、さらっと簡潔に書かれているのです。
社会人向け英語学習本の一例を挙げれば、濱崎潤之輔『中学3年間の英語が一冊でしっかりわかる本』です。一度大学受験を通過した社会人には決して悪い本ではないのですが、中高生には理解不可能な内容です。これらの本は、よく見ると、「大人の学び直し」とか「やり直し英語」と、明記されていますね。要するに、英語が全然分からなくなっている高校生向きではないのです。
Youtubeの無料の中学英語の番組も、事情はあまり変わりありません。2022−23年現在、短時間で中学英語を学び直してしまおうというコンセプトのものばかりですね。中高生には、そういうった趣旨の番組は、ほとんど参考になりません。結論を繰り返せば、高校生は社会人向きの本ではなく、高校生を意識して作られた英語本や映像授業を選ぶべきなのです。
❌❌❌❌ Z会等の通信教育
❌❌❌❌ NHKのラジオ講座、テレビ講座
通信教育やNHK講座については、以前、落ちこぼれの中学生向きではないと、説明しました。このことは、高校生でも、全く同じです。英語力に余裕ができた時に、使えるかもしれない教材にすぎません。
以上、前編はこれまでとします。次回では、武田塾さんの学習モデルについて、検討する予定です。
中高一貫校の中学生のお子さんが、学校の英語の授業についていけなくなりそうな時、あるいは、すでに授業が分からなくなってしまった場合、どのような手を打てば良いでしょうか。
現実的に考えると、家庭教師または個別指導塾を選択するしかありません。
とはいえ、どの家庭教師・個別指導塾でも良いという訳ではありません。いくつかの条件を挙げてみましょう。
落ちこぼれでしまった生徒を救済するために、絶対に欠かせないのは、家庭教師であれ個別指導であれ、週2回以上の授業を受けることです。たとえどのような事情かあるとしても、絶対に守ってください。
◉塾関係者や語学教育関係者の共通の経験からすると、英語は週一回の授業では成果がほとんど上がらないからです。
◉ある程度の学習密度がないと、前回習ったことをすっかり全部忘れてしまうので、何もかも最初からやり直さなくてはならないからです。これでは英語力を積み上げる事が出来ません。
ちなみにロンブ・ カトー著 米原万里訳『 わたしの外国語学習法 』(ちくま学芸文庫)によると、外国語を学習するならば、週に最低10−12時間必要だという説が提示されています。
◉週一回では、コツコツと毎日復習するモチベーションがわかず、学習者が挫折してしまうからです。
私自身、大学生時代にドイツ語等いくつかの外国語(第三外国語)に挑戦しましたが、週一回の授業しかない場合は、毎回の如く挫折してきました。今考えると、週一回しか授業がない場合、挫折してしまうのは、やむを得ないことなのでした。
◉落ちこぼれ君は学校の英語の授業がちんぷんかんぷん状態なので、塾や家庭教師の授業だけが英語の勉強時間となっているからです。
学校に追いついていれば、塾の授業と学校の授業がかみ合い、週一回でも成果が上がります。しかし、落ちこぼれ君の場合は、週2回以上通塾しましょう。
週2回を勧めると、やはり週一回で良いと希望される方が非常にたくさんいらっしゃいます。予算が足りないか、クラブ等で忙しいからといった理由があるようです。その場合にはどうしたら良いのか。いくつかのヒントを出しておきます。
◉期間限定で週二回の通塾をしましょう。
たとえば、4〜6か月限定で週二回の通塾はどうでしょうか。その後は家庭教師や塾を止めれば良いのです。ただし、予め家庭教師や塾の先生に、その旨、申し出ておくこと。
当塾でも、お医者さんの家庭のご兄弟が、8か月間限定の集中授業を受講されました。お兄さんは、その後、首都圏の国立大学医学部に現役進学されたそうです。
◉一回の授業時間を少し短くしましょう。
例えば、80分×2 → 60分×2 はどうでしょうか。
1時間あたりの料金は、多少割高になることが多いでしょうが、授業回数だけは2回以上を確保してください。
◉高校生になるまで待つ。
実際、高校生になってから、集中して勉強すれば、一気に遅れを取り戻すことは、不可能ではありません。高校生になると、少し大人になってきますから、自覚をもって勉強に取り組むことができます。また、大学受験が目の前に迫っていますから、やらなくては不味いと理解できるからです。そういう訳で、高校生で始めれば、成果が上がりやすくなります。つまり、コスパが良くなるのです。(ただし、いつまで経っても、やる気の出ない高校生も沢山います、念のため)。
◉ 学生講師や素人講師などに教えてもらう。
当塾としては、あまりお勧めしたくはないのですが、料金的に安くなるのであれば、そういう手もアリかとは思います。ただし、お子さんと一緒に遊んでしまう先生だけは、ご注意ください。
◉クラブ等で忙しいのであれば、オンライン授業(スカイプ授業)と対面授業を組み合わせましょう。
オンライン授業は通塾時間がかかりませんし、夜遅くの授業でも負担は減ります。
たとえば、
80分 ×1 対面授業
60分×1 オンライン授業
とするのはどうでしょうか。
当塾(シリウス英語個別指導塾)のようなプロの個別指導講師の経験から申し上げますと、真面目に宿題をこなしている生徒さんであれば、週二回(一回80分または60分)の授業で学校に追いつき、追い越すことが可能です。
しかし、どの生徒さんも必ずしも成績が上昇するとは保証できません。というのは、学校の英語の授業についていけなくなった生徒さんの多くは、なまけ者君だからです。
怠け者君は、ご家庭で宿題をしっかりと、毎日、やりません。完全にサボったりはしないとしても、授業前日の一夜漬けかもしれません。いわゆる「やっつけ仕事」ですね。その場合、週2回ではちょっと厳しいかもしれませんね。お金はかかってしまいますが、週3−4回くらいの授業を受けるのが良いということになります。
◉真面目な性格の生徒さん—-宿題を真面目にこなす生徒さんであれば、週2回でOKでOKでしょう。
◉毎日の宿題をサボりがちな生徒さん—-プロ家庭教師・個別指導塾講師の一対一個別指導で、週3−4回以上が必要です。
◉学生講師等の家庭教師や個別指導塾の場合—-中下位の中高一貫校で一流大学を目指していない場合は、必ずしもプロ講師(家庭教師)でなくても良いかもしれません。しかし、その場合、週4ー5回の授業を受けさせると良いでしょう。
個別指導塾の場合は、必ず1対1の個別指導で、しっかりと丁寧なレクチャーがあるところを選んでください。
個別指導塾と銘打っている塾の多くは、実は先生1人 対 生徒2~3人の指導だったりします。これでは、英文法を丁寧に体系的に説明することは出来ません。授業というのは、問題演習と答え合わせでしかなかったりする訳です。落ちこぼれ君は、これでは英語が分かるようにはなりません。
中学英文法は、易しいようでいて、実は大変難しいです。というのは、色々な単元を全部覚えていなくてはならないからです。
中学生で習う英文法には、例えば、一般動詞とbe動詞の区別、他動詞と自動詞、疑問詞、進行形、受動態、現在完了、助動詞、接続詞、前置詞などといった非常に多くの単元があります。定期試験であれば、それらを一つか二つマスターしていれば良いかもしれません。
しかし、将来一流大学に進学する中学生の場合、最終的には、全部の単元を完全理解をしていなければなりません。これが難しい。
新しい単元に取り組もうとすると、既習事項を完全に忘れていることを発見する。その繰り返しです。どうやって忘却の連続から抜け出したら良いのか。
巷の本屋さんでは、『中1ワーク』『中1ドリル』『中学英語を一つひとつ○○○』等々、沢山の問題集が売られています。どれも悪い教材ではありません。しかし、これらの問題集を、一通り完成させたとしても、中学英文法は習得できません。というのは、一度やっても、やった端から忘れてしまうのが普通だからです。
もちろん、中学英語のアプリ教材(iPad教材など)も、似たり寄ったりです。中学生は、最初に習ったことを、折り返し地点にたどり着いた時には、すっかり全部忘れてしまっているのです。
英語学習は、忘却との戦いです。忘却を克服する実績やノウハウがあるのかが問われています。
繰り返しになりますが、ポイントをまとめます。
中学生は次からつぎへとすぐに忘れてしまいます。生徒さんが、忘れても、忘れても、何度でも繰り返し学び直させること、そして、それを定着させるようなノウハウや実績があることが求められています。落ちこぼれ君を、最初の第一歩から訓練し、基礎を習得させる、経験を積んだ講師(塾・家庭教師)がいるのかどうかが問われています。
オンライン授業はとても良いのですが、それでもやはり中学生には、対面授業の機会あることが望ましいですね。
対面授業が良い理由の一つは、生徒さんのテキストやノートをチェックしやすいことが挙げられます。
よろしければ、お子さんの単語本(帳)をチェックしてください。何も書き込みがない、きれいな単語本であれば、全然勉強をしていないか、あるいは、勉強法がわかっていない証拠です。きれい過ぎるノートも、感心できません。要するに、中高校生のほとんどは、ノートやテキストの使い方を知らないのです。
対面授業でないと、勉強状況や勉強法の指導を適切に出来ないのです。
(ただし、怠け者クンの場合は週3~4回の授業が必要)
★★★ ほとんど必須要件
(b)プロ講師(家庭教師・個別指導塾講師)による1対1の個別指導であること
(c)中学英文法養成のノウハウと実績があること。
★★強く望まれる
(d)対面授業があること (中学生の場合、オンラインだけでは厳しい)
以上、ぜひ参考にしてください。
せっかく憧れの私立や公立の中高一貫校に入学したのに、 学校の英語でつまずいてしまったとか、授業についていけなく なるのは、残念ながら珍しい事ではありません。
英語に関して言えば、一流進学校だろうと有名私大付属校だろうと、関係ありません。東大・国公立大医学部に多数合格者を輩出しているトップレベルの超名門校であっても、学年の20~40%くらいは落ちこぼれになっているのが現実です。
英語という教科が怖いのは、そこなのです。つまり、どんなに中学受験で算数や国語ができても、中学入学後に英語がわからないといって落ちこぼれることは珍しいことではありません。
もちろんのことですが、英語の成績が悪いと一流大学の現役合格は絶望的です。また場合によっては、上の高校への進学を断念させられる場合もあり得ます。
では、中高一貫校に入学したお子さんが、中学生の段階で英語の 授業でつまずきそうになっている場合、保護者はどのよう な手を打てば良いでしょうか。
これから何回かにわたって、 中高一貫校の中学生が英語で困った時、どのような対策を打てば良いのかについて、説明をいたします。話の流れは次の通りです。
⑴ 絶対にしてはいけない「対策」について説明します。 (今回は(1)の前半まで)
⑵ 有効だろうと思われるいくつかの処方箋を提示します。
⑶ 最後には、シリウス英語個別指導塾の対策と特徴では、 どのような特色があるかを述べていきます。
中学から本格的に始まる英語が難しいと聞くと、保護者の方々は、 昨今の英語の学習環境については疎いので、ついつい悪手を選びがちです。ですから、まず私たちの身の回りにある、典型的な悪手について説明しましょう。なお、ダメさの程度に応じて✖をつけて、 ✖が多いほどダメで、✖✖✖✖から✖まで得点化しました。
かつてのNHKの『基礎英語』と『続基礎英語』は、英語を頑張って勉強したい中学生にとっては、最高の番組でした。英語の発音から丁寧に指導してもらえますし、毎日ラジオを聴いてしっかりと復習すれば、中学生としては相当高度なレベ ルまで到達できました。
しかし、現在のNHK基礎英語は、昔の番組とはほとんど別物です。英語で落ちこぼれかけている中学生には、絶対に勧めてはいけません。
NHKの基礎英語、つまり正式名称は2022年12月現在、『中学生の基礎英語レベ ル1』『中学生の基礎英語レベル2』『中高生の基礎英語 inEnglish』ですが、あまりにもレベルが高すぎ、普通の中学生では全く消化することはできないでしょう。
ちなみに「中高生の基礎英語 inEnglish」(=旧基礎英語3)ではオール・イングリッシュになってしまい、日本語での説明は一切ありません。いくらなんでも無茶苦茶な番組ですね。
そんな訳ですから、学校の英語の授業がよく理解できなくなったと訴えているような生徒さんには、NHK基礎英語を無理に聴かせようとしては絶対にいけ ません。
通信添削(教育)は、優秀な生徒さんのための発展的学習方法です。お子さんの成績が振るわないのであれば、選択肢からは絶対に外してください。 (なお数学など他の科目についても、同様です)。
というのは、問題を解いて提出したとしても、それが本人の手元に返還されるまで、かなりの日数がかかってしまうからです。
どんなに丁寧な添削だとしても、それが返却される頃には問題の内容について、本人はすっかり忘れてしまっているでしょう。だから、大半の生徒は真面目に復習したりはしません。つまり、問題のやりっ放しとなります。おそらくは解答のチェックすら、疎かになるでしょう。落ちこぼれそうになっているお子さんに、こんなことをやらせてはダメです。
付け加えれば、通信教育(添削)では、語学の基礎訓練の必須事項(たとえば、音読・ 暗唱)の機会を提供してくれません。
そういう訳ですので、通信教育を基礎段階でメインに利用しようとはゆめゆめ思わないことです。ましてや、中学校でアップアップしている生徒さんに取り組ませては いけません。
学校の授業についていけないのに、東大・医学部合格者数を謳う 有名英語塾(集団塾)に通い続けようとする人がいます。もちろん、 そんなことをしても、本人のためにはなりません。
つまらない プライドで有名塾に通い続けても、落ちこぼれ君は救われません。今すぐ、勇気を持って、基礎からのやり直しに邁進すべきです。
昨今では手頃な価格で英会話を学ぶ事が出来るようです。しかし、 落ちこぼれ候補の中学生には、とくに勧められません。
大半の中学生は、英語環境に置かれても、ほとんど話をせず、単に黙って時間を潰すだけになることが目に見えているからです。英語が得意でも、 得意でなくても、一言二言しか英語を話せずに、英語キャンプや留学が 終了となってしまうでしょう。
いや現実問題として言えば、短期英語留学などをすると、英語力が むしろ少々低下してしまう場合もあります。なぜならば、留学中に英語学習が疎かになってしまうからです。
これは脅しでもなんでもなく、実際に私たちが見た生徒さんのよくある姿だからこそ、アドバイスしているわけです。
英会話プログラムへの参加は、英語がある程度以上話せるようになってからにしましょう。 具体的に言えば、英検準一級に合格した後くらいから受講すると、良い成果があがるでしょう。
Youtuberの教えるYoutube無料英語講座は、中学生には基本的にはお勧め出来 ません。
Youtuber講師の英語力に問題があるという指摘がありますが、そこがポイントではありません。
Youbeの中学英語レベルの英語講座は、本当の中学生のための英語講座ではないからなのです。実は、大人のための学び直し講座なのですね。
宜しければ、Youtubeで「中学英語」などのキーワードで検索してみてください。出てくる英語講座は、ほとんどが「速習」コースばかりだと分かるはずで す。例えば、「50分でわかる中1英語」とか「3時間で中学英語完全制覇」の類 です。
それらの英語講座では、たしかに、要領よく簡潔に、中学英文法が解説されているかもしれません。しかし、それが大いに問題なのです。
全くの英語学習の初心者である中学生が、中学英語や中学英文法のエッセンスを、短期間・短時間のうちに習得出来るでしょうか。どう考えても無理ですよね。
要領良くとか、効率よく短期間のうちにとか、そういう横着な考え方に未練があるならば、今すぐ捨ててください。
英語の基礎力構築段階では、何度も何度も繰り返しくりかえし学び、時間をかけてゆっくりと英語を習得するのです。それしかない!
そんな訳ですから、普通の中学生にYoutube視聴させてみようは考えないでください。
公立中学で、地頭が良いお子さんが、英語で一時的に落ちこぼれているのであれば、自力救済も全く不可能ではないでしょう。
しかし、苦労して入学した難関・有名中学に在籍している中学生が、英語で苦しんでいるというのであれば、自力救済はほとんど期待出来ません。
最大の理由は、英語で落ちこぼれてしまう中学生は、ほとんど全員が怠け者だからです。
そしてもう一つの理由は、難関・有名中学生向けの優れた自習教材がほとんど無いからです。
大きな本屋さんに行けば、中学生向け英語自習教材が売られています。中学生向けのワーク(『中1英語を○○◯』など)が代表例です。
教材としては悪くはないのですが、いかんせん、公立中学生向けでしかありません。どの教材も、圧倒的にボリューム不足で、レベルも高くありません。
『ニュー・トレジャー』 や『プログレス』のような教科書を用い、高度な英語学習を求められている中高一貫校の中学生には、焼け石に水という結果になるでしょう。
もちろんレベルの高い中学生向け教材も、いくつか市販されてはいます。『最高水準問題集 中1英語』などです。しかし、それらは自習教材ではありません。落ちこぼれ予備軍の中学生には歯が立たないでしょう。
結論的に言って、中学生に自力救済を求めるのではなく、良い教師に助けてもらう必要があります。
中学生に自力救済を求めたり、Youtuberの無料講座を見せるよりは、有料の映像授業を視聴する方がはるかに良い考えです。
しかし、有料映像授業は、落ちこぼれてしまった中高一貫校の中学生を救い出す方法論としては、有効ではありません。
ところで、ほとんどの映像教材は、高校生・大学受験生向けで、中学生向けと銘打っているものは、あまり有りません。その理由は分かりますか。
中学生では、強い学習意欲をもって、映像授業を自発的に受け、毎日コツコツと復習を継続することは、至難の業だからです。ましてや、学校の英語の授業で困った状況に陥っている生徒さんは、そのほとんど 全員が意志薄弱な怠け者さんでしょう。叱咤激励してくれる先生がいない映像授業に、何の期待が出来るでしょうか。
中学生が学業を怠けて、英語の授業についていけなくなっているならば、生身の先生に直接教えてもらうことが絶対に必要だと言えます。
iPadやiPhoneを学習補助の道具にするというのは、決して悪い考えではありません。英単語や基本例文を覚えたりするなど、いろいろと役に立つ物もあります。
しかし、現段階(2022年現在)において、難関・有名中高一貫校の英語学習を、本格的にヘルプしくれるアプリやタブレット教材は、まだ無さそうです。 あくまでもサブ教材限定の機能しかないとして心得るべきです。
英語で落ちこぼれた中学生がやってはいけない学習法ーまとめ
今回はこれまで。次回は、落ちこぼれ中学生に有効な処方箋対について書きます。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
シリウス英語個別指導塾
by 東大式個別ゼミ 中高一貫校専門
大学受験英語塾 英検/TEAP/ライティング/スピーキング
相模大野・中央林間・横浜・藤沢・町田
住所:神奈川県相模原市南区東林間4丁目13-3
TEL:042-749-2404 https://todaishiki-english.com/
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
前回(一流私立中高一貫校に合格しても伸び悩む、その原因は知的好奇心の欠如 ←クリック)の続きで、O君と魚関係の写真を掲載し、後半で一応のまとめを書き、まずは一区切りとします。お楽しみください。
この人↑は誰だかお分かりになりますか?漁師さんじゃないですよ(笑)。前回ご紹介したO君のお兄さんで、当塾の卒業生でもあります。現在北海道大学水産学部で学んでおられます。
さすが水産学部の学生!って感じですよね。
ここからはお兄ちゃんの方がとった魚達をご紹介しますね。しばしお楽しみください。
これはアカハタという魚だそうです。アカハタというのは根魚(ネザカナとかネウオなど読み方は諸説ある模様)といって、岩がたくさんあるところの下の方に生息しているらしいです。調べてみると英語ではrockfishというそうで、確かにそのまんまですね。
一番上の魚は真鯛(まだい)だそうです。ちょっと桜色っぽいので「桜鯛?」と質問すると、桜鯛というのは春、桜の咲くころにとれる真鯛のことだそうです。ただ、サクラダイという別の種類の魚がいるそうで、それはスズキ目ハタ科の魚。調べてみると、鮮やかな赤色の体に白い斑点が散っているようです。(因みに真鯛はスズキ目のタイ科。)
真鯛の隣がヒラスズキだそうです。波がたつ‘’さらし‘’というところによく生息しているそうです。
これはブリでしょうか?
これはサクラマスでしょうか?
これがカラフトマスでしょうか?
これは鮭でしょうか?大漁ですね(@_@)
≪ひとまずのまとめ≫
以前こんな記事を書きました。
将来伸びる子にするための子育てをしよう←クリック
将来グングンと柔軟に伸びる子に育てるためには、「大きな余白=見えない学力=栄養たっぷりの土壌」を育んであげることが不可欠だ、という内容です。
皆さん、我が子を少しでもよい大学に通わせたい、優秀にしたいという強い思いを抱きながら、日々子育てに奮闘されているのだと思いますが、なぜかなかなかうまくいかない、という方も多いのではないでしょうか?その原因は実は、知的好奇心が欠如している状態で、必死に成績ばかりを追い求めているからというケースが多いように感じています。小さいうちにしっかりと土壌を耕してあげ、知的好奇心を育んであげる。まず何よりもそこがスタートラインです。
このコンセプトを丸々自然体で実践なさっているご家族、それがO君ご一家なのです。何かを成さねばならない、とか、子を何者かにしなければならない、といった呪縛に全くとらわれることなく、ナチュラルに生活なさっている、私からはそんな風に見えます。
一つの模範とすべきご家族だと思いますので、是非参考になさってください。
例えば、ご兄弟二人とも、中学受験を経験されましたが、親御様が率先してリードしたわけではなく、お子さんが小5か小6の時に自分から受験したい、と言い出したので、それならばと応援しただけのようです。
世間では、眉間に皺を寄せた教育熱心なママたちが、やれ「サ〇ックスだ」「四〇大〇だ」「さらに個別だ」と小さい子どもの手を引っ張ってあちこちの塾に連れまわしている方がいらっしゃいますが、そういう世界からはおよそ無縁な世界で、世間の風潮に踊らされることなく、のんびりとマイペースで、しかも涼しい顔して受験を走り抜けたなんて、カッコイイと思いませんか?
お兄ちゃんの方は、いざ大学受験突入!という時も、高校2年生あたりから本気モードを出し、(かといってそれほどガリ勉しているようには見えませんでしたが(笑))またもや北海道大学水産学部に颯爽と合格を果たしてしまいました。
当塾に通い始めた当初は他の多くの入塾生同様、英文法の基礎からやり直しをするレベルでした。しかし、やればやるだけどんどん伸びていき、わずか2年で基礎から北海道大学合格レベルまで英語力を順調に伸ばすことができました。まさに乾いたスポンジが水を吸い込むかのごとくです。
「見えない学力」=「余白」=「よく耕された栄養たっぷりの土壌」が育まれている子は本当に順調に、やればやっただけの成果が得られます。
前回の記事と当記事に掲載した魚についていろいろと教えてくれたのが中2のO君、上の写真の弟君です。前回の記事にも書きましたが、物心ついたころには家に「図鑑」があっていつもそれを見ていたとのことです。そして「図鑑」を見れば自分が調べたいこととは別に、更に関連した内容も載っているので、どんどん知識が広がっていくのだ、と嬉しそうに話してくれました。
確かに、釣りを趣味とし釣りに没頭しているわけですから、魚の種類だけではなく、この季節にはどんな魚がとれるのだろうか、どんな場所に行けば釣れるのだろうか?エサは何がよいだろうか?etc…知りたいことは無限に表れますが、調べればわかる、ということが体験上わかっているので、主体的積極的にどんどん調べていくのでしょうね。そういえば、O君と話していると、「この写真はお兄ちゃんが五島列島に行った時のもの」とか「〇〇の魚はオホーツク海にたくさん生息している。」といったように、魚の説明の時に地名もよく出てきます。これ、速攻学校の地理の勉強にも役立ちます。
最初は、釣った魚の種類を知りたい、という素朴な好奇心から始まっただけなのに、それが生物の体の仕組みだけでなく、生態系だとか地理的学びへとつながっているわけです。このような生きた学びが、「知らないことを知りたい!」という内発的動機付けに突き動かされ、主体的かつ自然体でできているなんて、なんと素晴らしいことでしょうか!本当に素晴らしいです。
こういうお子さんは、何か教科の学習をしていても、自然と気づきが多くなるはずです。「これはどういうことだろうか?」「どうしてこうなるんだろうか?」この「疑問」がないと勉強は自分の肥やしにならないんです。
O君ご一家のありようは、教育学的に見て、子どもの能力を柔軟に伸ばすための沢山のポイントがあります。本当は、一つ一つ、「こういうところは、勉強面のこういうところにつながっている」といったことを細かくご説明したいところですが、多すぎて、そう簡単にはまとめられませんので、折に触れて引用させていただきたいと思います。
皆様、特にまだ未就学のお子さんをお持ちの親御様方は、とにかくお子さんと自然の中でたっぷりと遊び自然に親しむことをお勧めします。そこには、子どもの好奇心を育む栄養素があちらこちらに溢れています。
以前、このような記事を書きました。
中高一貫校上位男子校諸君、勉強は競争ではない ←クリック
上の記事でも書きましたが、せっかく御三家あるいはそれに準ずるような上位中高一貫校に入学できても、入学後に成績が伸び悩んでしまうお子さんが少なからず存在します。結果的に中学受験時が学力のピークだったなんてことはよくあることです。ちょっと残念ですね。そうならないためには何が必要かというと、やはり「知的好奇心」。これがなければどうにもならない。20年以上にわたって様々なお子さんやご家庭を見てきて、これは確実に言える事実です。
「知的好奇心」があれば、身の回りの様々な事象に対して、自然に興味を持ちます。「これはなんだろう?どうしてこうなるのだろう?」といった疑問が次から次へと沸き起こり、その謎を解明したくなる。だから、知的好奇心が育まれたお子さんというのは、新しいことを知るのが大好きで、楽しんで勉強をすることができます。また、多少嫌な教科があったとしても、自分の学びたいことのためには嫌な科目も勉強しなければならない、と自発的に思えるので、親御さんが必死で「勉強しなさい」とお尻をたたく必要もないのです。
ではどうしたらその「知的好奇心」を育み、将来柔軟に伸びる子に育てることができるのでしょうか?
ここで、まさに王道ともいうべき素晴らしい子育てを自然体で実践されているご家族の事例をご紹介します。未就学児をお持ちの親御様などでこういったことをできていない、という場合は是非参考になさるとよいと思います。
現在当塾で英語を勉強してくださっている中学2年生のO君ご一家です。このご一家はご家族全員が釣りが大好きで、週末ともなると海へ出かけ、釣りを楽しんでいるようです。
以下、O君が釣りをしている様子の写真を送っていただきましたので、まずはご覧ください。
この魚は鯉でしょうか?ボラにも似てるな、と思いながらO君に聞いてみると、やはりこれは鯉のようです。
あれ?鯉とボラってどう違うんだっけ?どこで区別するんだろう?鯉は淡水魚でボラは海水魚だっけ?じゃあ捕れる場所で判断するのかな?またはもっと形状的に明確な違いがあるのかな?etc…すでにここで知りたいことがどんどんあふれてきます。
これはやっぱりクロダイでしょうか?とても立派で、おいしそうですね…(笑)。釣るだけでなく、さばいたりもできるのでしょうか?魚をさばくということは、解剖をしているのと同じで生物の身体をリアルに観察できるのだから、とても勉強になるよね?と思って聞いてみると、やはり自らさばくようで、さばくどころか、それが大好きとのことです。さばく時には胃袋の中身を確認して、次の釣りに活かすのだそうです。
こういう子に、必死でテスト勉強ばかりしても勝てませんね。
これは、なにやら、岩場についたコケだかノリだかの観察をしているのでしょうか?それとも、その間にいた微生物をつまもうとしているのでしょうか?
これも確認してみると、岩についた海苔の味見をしようとしているところのようです。(本人は味見しようとしているだなんて公表しないで、と恥ずかしがっているようでしたが、寧ろフォーカスすべきことなので公表してしまいます。ごめんなさい。)
皆さんはこの行為をどんな風に受けとめられますか?「ふうん」って感じかな?なんか意味があるの?と思われる方もいらっしゃるでしょうが、教育的観点からすれば、非常に大事な行為です。つまり、普通の人が目にもとめないようなさりげない存在に気づき、自然に興味がわき、「これは一体なんだろう?」「このノリ、食べたらどんな味がするんだろう?」と様々なものに興味を抱く習性を身につけているのです。
こういう習性は一生ものです。今後様々な局面ー例えば勉強や学業成績、ひいては学問研究の領域などーで、非常に有効に効いてくることは間違いありません。
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関連した話でかつ余談になりますが、上の写真を見て、ノーベル医学・生理学賞を受賞された大村智博士のことが頭に浮かんできました。(大村博士は、静岡県のゴルフ場の土壌から微生物を取り出し、後に「イベルメクチン」という抗寄生虫薬の発見をし、アフリカや中南米における熱帯病撲滅に莫大な貢献をなさった人物。)
テレビのインタビューか何かで聞きましたが、大村さんは幼いころから何やら土ばかりいじっていらしたようです。ご実家が農家ということもあり、農作業のお手伝いの傍ら、土をじっと観察していらしたのではないでしょうか。
お姉さまのお話によると「こんなに偉くなると思わなかった。私たちよりも「勉強」していなかった。」とのことです。しかしこの「勉強」とは机上の「勉強」をあまりしていなかったという意味であり、幼いころに、日々の暮らしや自然に対する興味関心を持って暮らす習慣が身についてさえいれば、自然と知的好奇心が芽生え、机上の勉強以上の奥深い学びを経験できるということでしょう。
「知的好奇心」の育成こそがお子さんの教育において、何よりも最優先にされるべきものです。
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↑小さなカエルです。O君に聞くとアマガエルだそうですが、体の模様が変わっているので写真に撮ったとのことです。確かによく見ると、体は緑色ですが、足の部分は茶色です。生息する場所によって体の色が変わってくるということで、枯草の多いところに生息している場合は、隠れやすいように、足が茶色に変化してくるそうです。なるほど、こういうことは、アマガエルを実際に捕まえて、よーく観察しなければ気づかないことですが、O君からしたら当たり前のことなんでしょうね。
これは、ウナギ。なんと、ウナギも釣るんだということで驚きです。O君によると、これは江ノ島の境川河口付近で捕ったものらしいです。夏の夕方によく釣れるらしく、河口付近だと比較的小さいウナギが数多くいて、上流に行くと大きなウナギがいるが数が少ないのだそうです。
ウナギもさばくのか、と尋ねると、yes!の返答。 YouTubeでさばき方を調べて練習したのだそう。ウナギは生命力が強いので、さばいてもなかなか命が途絶えず、にゅるにゅる動くので、一旦冷凍してからさばくんだそうです。なるほど!勉強になりますー。
ウナギをさばく中学生なんています?びっくりです。
ひとまず今回はここまでにします。まだ続きがありますのでお楽しみに!