★慶應大学合格のためには、<英語と数学>あるいは<英語と小論文>を超得意にしておけ!
慶應大学に一般入試で外部から合格するには、どのくらい勉強したらよいのか。このあたりで、簡潔にまとめましょう。要するに、<英語と数学>あるいは<英語と小論文>(または<英語、数学、小論文>)を超得意にすれば、慶應大学に合格できます。
いずれも、東大受験生以上の実力か、競い合えるレベルが目安となります。国立大学と比べて科目数が遥かに少ないのですから、当然のことですね。
英語力の到達目標としては、理系であれば高3で英検準一級合格レベル、文系であれば高2から高3の段階で英検準一級合格レベルに到達していれば充分でしょう。英検準一級あるいは英検準一級 「+α」の実力で、青本などの過去問演習を積み上げていけば、慶應合格の切符を手に入れることができるでしょう。
★慶應大学の社会科学系学部を目指すならば、社会科学系の新書本を読んでおけ!
社会科学系学部、つまり、経済学部、法学部、商学部、総合政策学部、環境情報学部の小論文と英語の対策については、注意事項があります。
英語長文や小論文で取り扱われるのは、ほとんどいつも新聞・雑誌・書籍の社会科学的話題が中心です。これらの文章は、受験テクニックだけで読みこなすことは決して出来ません。
日本語で読んだことも聞いたこともない話題について、いきなり英語で読んでも訳がわからないし、小論文でも対応できないのは当たり前ですよね。例えば、次のような話題が出ると考えておいてください。
日本のエネルギー問題、ジェンダー論、グローバル化論、格差論、限界農村論、夫婦別姓論、経済成長戦略、ローマ・クラブ「成長の限界」論、沖縄基地問題、非正規雇用問題、就職市場における男女格差問題、ブラック企業、海外労働力導入の是非。
慶應の社会科学系学部の受験生は、様々な社会科学的話題について親しんでください。専門的な知識は必要ありませんが、社会科学的な内容の新書本をまずは10-20冊くらい読むことから始めましょう。
もちろん日々の新聞をしっかりと読むことも大事です。なかには『日本経済新聞』を読むという高校生もいるようですが、私どもは『日経』が面白いとは思えません。むしろ、『ニューズウィーク』『エコノミスト』のような週刊誌、『東洋経済』のようなビジネス誌のほうが良いでしょう。
なお、新聞・雑誌も新書本も読まないという場合は、慶應の英語と小論文は歯がたたないですね。我々は、慶應は潔く諦めるように指導しています。
★現在中学生ならば何を読むべきか?
当塾としては、まずは『朝日中高生新聞』『読売中高生新聞』等を勧めています。大人が読んでもかなり面白い新聞です。なお、新聞を全然読まないようであれば、慶應のことは忘れてください。お願いします。
★慶應大学の文学部を目指すならば?
文学部は、哲学、歴史、文学、行動科学(社会学、心理学など)と幅広い学問分野を含みます。志望者は専攻したい分野の本をすでに読んでいますよね!?
なお、本を読まないのに文学部に行こうなどとたわけたことを言う生徒さんが時々います。が、私どもとしては、そういう態度は非常に不愉快です。本を読まない人が文学部で何を学ぶのでしょうか?絶対に無理ですから、どの大学であれ、文学部は受けないでください。
慶應の小論文とは、いったいどういう問題なのでしょうか。ここでは代表的な学部として、経済学部、法学部、文学部、総合政策学部(SFC)、情報環境学部(SFC)の小論文問題がどのような問題なのか一瞥してみましょう。いずれの問題にも、やや長い課題文を読む必要がありますが、ここでは省きます。(商学部は慶應の小論文の問題としては本格的なものとはいえず、ここでは取り上げませんでした)。
経済学部 (2016年)
Aマイケル・サンデル(注、ハーバード大学の著名な政治哲学者で、彼の『正義論』は日本でもベストセラーになった。また、 NHK の「白熱教室」という番組では、日本人学生も含めて公開授業を何度もした。1953-)の『公共哲学』からその課題文を読み、「共和主義的政治理論の自由」とは何か、「リベラルの自由」の概念と対比しながら、300字以内で説明する。
B 地球温暖化防止対策のような、次世代のために現在の我々がコストを払うことは、我々の自由と矛盾しないかどうか、課題文を参考にしつつ意見を300字以内で論述する。
法学部(2016年)
(1)非常に影響力のあった歴史学者トインビー(1889-1975)の思想を解説した文章を読み、彼の思想とその根拠について400字以内でまとめる。
(2)トインビーによると、西洋文明の圧倒的優位という時代が終わり,それに代わる世界文明の時代が「来ようとしている」。これについて世界の現状に具体的に触れつつ、自分の見解を述べるという課題。(1000字以内程度か)
文学部(2016年)
現代日本の批評家である四方田犬彦のエッセイを読んで次の問に答える。四方田のエッセイは、実存主義者との論争でも著名で、一時代を築いたフランスの構造主義人類学者レヴィー=ストロース(1908-2009)の議論と、我が国の漫画家つげ義春(1937-) の漫画に言及したものである。
(1)その内容を300-360字で要約する。
(2)人間にとって「名付ける」とはどういうことなのか、課題文をふまえて320-400字で自分の考えを述べる。
総合政策学部 (SFC) (2016年)
所得や社会階層の「格差」について、「国際比較」「職業の世代間移動」「高齢化」という 3つの視 点による社会学的経済学的文章を読んで次の問いに答える。
(1) 2つの視点を選択し、それぞれ200字以内で要約する。
(2) (1)で要約した 2つの文章が、同じ視点 からの分析にもかかわらず違う結論になるか を300字以内で説明する。
(3) 2020 年の日本の「格差」について、調査・分 析の方法も述べつつ予想する問題。600字以内。
環境情報学部 (SFC) (2016年)
他の学部と比べると明らかに軽いノリを意識した問題で、学問的というよりはビジネスのプレゼンテーション的な問題設定である。ただし小論文の問題として易しいというわけでは決してない。
自分の身近なモノ(道具、例としてスマートフォン)やコト(サービス、例としてLineやTwitter)が、どのように登場してきたのか、そしてそれが、人間の意識や行動にどのような変化を与えていたのかを考える問題。A~ G までの資料を読んで次の問に答える。
資料は次の通り。 A は西岸良平の漫画「テレビが我家にやってきた!」 Bランガム「人は料理で進化した」C 関根 「ユニバーサルデザインの力」D西垣通「スローネット」Eグリーンズ編「ソーシャルデザイン」F横井「ゲームの神様」Gちきりん「社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう」
問1 それぞれの資料について一行で簡潔に答える。
問2自分の身近にあるモノやコトを一つ選び、それが、人の意識にどのような影響を与えたのか解答用紙の四つの枠を用い、採点者に説得的に述べる問題。
問3 問2で選んだモノやコトが、未来にどのように発展・進化を遂げていくか考え得る問題。880字以内。
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皆さん、慶應大学の小論文は如何でしたか? 慶應大学の受験生はこんなに面白い問題をやるのかと、興味を持たれた方もいるでしょう。あるいは、「げ、難しそう・・・出来るかな~」と不安に思われた方もいるでしょう。
親御さんも含めて、やり甲斐のある試験問題だなとか、この本すぐにでも読んでみたい ! といったような意欲が湧くようであれば、慶應大学とは相性がよいのです。ちょっと大変そうだなと思ったら、あまり向いていないのかもしれませんね。思うに、慶應大学にそんなに縛られる必要も必然性もないんじゃないかな~。他にもいろいろといい大学ありますよ!
受験生が小論文で高得点を取るためには、予備校等で様々な受験テクニック(=微調整)を身につけておいた方が良いのはもちろんです。しかし、小手先のテクニックで慶應大学の小論文をパスできるというものではないでしょう。慶應大学を受験する資格がある人ならば特別な対策を施さなくてもラクラクにパスできる、それが慶應の小論文なのですから。日頃から新聞・雑誌・新書本を楽しみながら読んだり、ニュースや教養的TV番組を見たりしながら、日常的に自分の思考を磨き続けてきた人ならばそれほど苦労なく書けてしまう試験だということなのですね。
最後に付け加えておきますと、受験資格のある受験生の争いの中で、慶應大学の文系諸学部(法学部、文学部、経済学部、SFCなど)に合格するには、最終的に英語力が決め手のようです。これは受験界では半ば常識となっています。
前回のpart1に続いて、ここからが本題です。慶應大学に一般試験で合格するというのは、どういうことなのでしょうか。そして、それが家柄・家系あるいは家族の学歴とどのように関係しているのでしょうか。
慶應大学の入学試験は、実は他の私立大学とははっきりと異なっています。とても特徴のある試験制度なのです。
まず、慶應大学には文系であっても国語の試験がありません。国語の代わりに小論文の試験が課されます。もしかすると、これが一般家庭のお子さんには大きな関門かもしれません。
もう一つは、私立文系学部でも、他の私立大学とは異なって数学重視の点です。つまり、慶應大学合格のためには、文系受験生であっても、英語・国語・社会という3科目受験を選択できないのです。
逆に言えば、慶應大学に合格するためには、「英語と小論文」または「英語と数学」ができれば良いと言えるのです。少し前に話題になった「ビリギャル」も、「英語と小論文」の2科目受験で慶應に合格したのです。
このブログでは「数学」についての詳細は省きますが、少しだけ説明しておきましょう。ご家庭での親御様による教育力(文化的環境)に自信がない、しかしそれでも慶應に進学させたいという場合はぜひとも数学の力を身につけさせて突破口を開いていきましょう。
数学は、勉強の性質上、塾や予備校での研鑽と自宅学習によって、その力を伸ばすことが出来るからです。そして、英語と数学が得意でさえあれば、理工学部、薬学部、看護医療学部、経済学部、商学部に合格する可能性が出てきます。特に、看護医療学部と商学部は大いに注目です。(注意:理工学部のみ数ⅢCまで、他の学部は数ⅡBまでです。なお理工学部・薬学部・経済学部については、東大志望者レベルが前提です。)
さて、「英語と小論文」で慶応大学を突破できる素養をどのように養っていくことができるのか、です。結論を先取りしますが、英語も小論文もどちらも、学校や塾にまかせていればOK という訳には決していきません。小論文は国語以上に、個々の受験生の素養が求められています。英語でさえ、慶應レベルのやや高度な英文を読むとなると、塾の力だけではどうしようもないのです。英語の基礎力を身につけることはできても、限界にぶつかってしまうからです。要するに、英語や小論文で合格点をもらうためには、本人の主体的・継続的な読書習慣や文化的活動とそれに基づく一般教養や背景知識があるということが前提条件になってきます。
残念ながら、我々塾講師側も全面的には助力できないのです。なぜなら、私たちは生徒さんと一緒に毎日を暮らしているわけではないし、暮らせるわけでもないからです。
言い換えると、それだけ日常のご家庭での文化的活動の習慣が重要ということになります。(家庭での文化的活動というキーワードでピンとこない場合は、この道は難しいでしょう。ただし、商学部・看護医療学部ならそれでも可能性はあります。)
たとえば東京大学法学部志望を自称する高校生女子に「東大法学部か、すごいなあ、やっぱりアリストテレス(古代ギリシャの非常に著名な哲学者)とか読むの?」と尋ねてみましたがそんなもの読んでもいないし、決して読んでもくれません。むしろ、「嫌み」と思ったのか退塾してしまいました(笑)。(アリストテレス自体は入試に取り上げられていませんが、アリストテレスの政治思想を論じたサンデルの著作は、慶應大学経済学部の小論文や、青山学院法学部の英語問題に出題されました。(いずれにせよ、ラノベレベルの本しか読んでいないのに読書が好きですとか言わないでほしいのです。それで東大や慶應の法科に行くのは無理筋です)。
他方、今年(2016年)、早稲田大学政治経済学部政治学科に合格した中田君(浅野高校)との間ではアリストテレスのレトリック論(『弁論術』)が話題に出ましたし、彼も自主的にマキャベリ(ルネサンス時代のイタリアの政治哲学者。『君主論』で有名)を読んでいたようです。また、当塾の授業ではNew York Timesのヴァーグナー(19世紀ドイツの代表的オペラ作曲家)のオペラ公演についての評論を原文の英語で読んだり、エドガー・アラン・ポー(アメリカを代表する詩人、作家。探偵小説の創始者としても知られている)の代表作「Raven(カラス)」https://www.youtube.com/watch?v=BefliMlEzZ8 という詩を一緒に聴いたりもしました。
「英語と小論文」の素養を上げていくには、中高生が、自主的にちょっと高級な内容について、新聞、雑誌、本、インターネット、TV番組を読んだり見たりする必要があります。(とくに新聞や新書本を読んでいることは非常に重要)。もちろん、クラシックコンサートやバレエ・または歌舞伎等の古典芸能等にも親しんでいるのは当然といえば当然です。
ただ、中高生、あるいは小中高生が自主的に学ぶというのは、大半がご家庭の文化的力です。たとえば多くのお子さんは、自分の家に置いてある本や雑誌を読むことから、大人の本の読書を始めるのです。これが家庭に求められている文化的教育力に他ならない訳です。慶應家系とか慶應一族なるものの中核にあるのは、子供たちが大人的なものを学びたい、知りたい、読書したい、と思わせるような家庭の雰囲気が元々構築されているからではないでしょうか。別にお父様やお母様が慶應大学を卒業していたり、慶應一族であったりする必要はないのです。大事なのは、慶應を出ていることではなく、慶應「的」な家族の慣習なのです。ですから、そういう雰囲気を作り出すようにお父様やお母様が努力なさればよいのです。
具体的にどんな努力が必要でしょうか?
先ほどは詳しくは説明しませんでしたが、慶應大学の入試英語は、実は時事的な英語、あるいは出来るビジネスマンが読んでいるような英文が取り扱われることが多いのです。決して専門的内容――早稲田の英語のほうがむしろ大学院的レベルだったり哲学的だったりする傾向があるーーではありません。一流ビジネスマンが教養やら一般的知識を身につけるための英語英文を受験生に読ませると言ったら分かり易いでしょうか。こういう英文を読みこなすためには、狭い意味での受験英語の勉強では不十分です。むしろ、こういった題材について、日本語でよいのである程度の予備知識を持っていると、正しく速く読めるようになります。つまり、大人のビジネスマンの教養的知識を予め身につけておくと、慶應英語克服には大変有利なのです。
そのためには、ご家庭で新聞購読をしているというのは、あらためて申し上げるまでもないことですが、これに加えて、ビジネス経済誌を購読するのはどうでしょうか。お子さんに読ませるのではありません、お父様、お母様が自ら楽しんでお読みになることです。決して「子供を慶應大学に入れるためよ」と力んで眉間にしわを寄せて読むのではありません!
そしてお食事の際などに、ご家族でその話題を共有するのです。そういう日々の積み重ねからお子さんたちが自然にそういったものに興味が湧いてくるのです。お子さんにだけ読め読めといっても逆効果。とりあえず国語塾に行かせるというのもナンセンスです。
慶應家系、慶應一族に対抗するには、こういう環境から作っていくことが必要です。ここで、お父さまお母さまの力量が問われます。ご両親が楽しめないようでしたら、この道はあきらめしょう。
代表的な経済誌・ビジネス誌は『東洋経済』『ダイヤモンド』『エコノミスト』等。『プレジデント』や『日経ビジネス』(定期購読のみ)もあります。あるいは、経済誌とは言えませんが、『日本版ニューズウィーク』や『アエラ』だとか『COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)』(web限定)も見逃せません。もちろん文芸誌(『新潮』『文学界』『すばる』など)や大衆向け科学誌(『日経サイエンス』『Newton』など)といった選択肢も、慶應文系向きとは言いませんが有りうる選択肢でしょう。
上記の中から一つ選べと言われたら、私ならば『ニューズウィーク』でしょうか。価格が400円前後とお安く手頃だからです。とはいえ、特集のテーマで毎回選ぶのが良いのではないかなとは思います。
例えば、最近の『ダイヤモンド』では「死生学の勧め」「EU分裂は必然!大経済史」「確率・統計入門」、『東洋経済』では「健康格差」「ビジネスマンのための世界史」などが特集となっています。
シリウス英語個別指導塾は小さな個人塾ですので、毎年多くの受験生がいるわけではありませんが、慶應大学にも合格者を出しています。では、どんな子が慶應大学に合格したのかなと、ちょっと振り返ってみました。
するとちょっと意外なことに気が付きました。一般試験で慶應大学に合格した生徒は、全て慶應以外の大学に進学しているということです。古い年度から列挙すれば、東工大,東大,京大,早稲田(政経)です。
早稲田に進学した生徒さんの場合は早稲田でも慶應でも良かったわけですが、結局は早稲田となりました。他の生徒さんは、第一志望は当然のことながら東大等の国立大学でした。
慶應大学に実際に進学したのは、慶應の附属高校(中学から)出身者と学校(横浜雙葉)推薦の生徒さんです。
慶應一族という感じの生徒さんは今のところいませんが、お母様が慶應大学商学部出身の生徒さんの場合、慶應にもそれなりの愛着を感じてはいたようです。ただし最終的には東大に進学したいという気持ちが強くなり、その夢をかなえました。
こうして考えてみると、慶應に合格するには東大・東工大のような難関国立大学を志望する者が一番多いのかもしれませんね。あるいは、東大一族から慶應に合格する場合もあるようです。慶應大学を第一志望に目指しているようでは、慶応にはなかなか合格できないという解釈も出来るでしょう。ですからどうしても慶応大学に行かせたいという場合、その王道は、やはり慶應附属から進学する事なのかもしれません。
なお、当塾としては、小論文が得意なタイプや、数学が特別にできるわけでもない場合は、東大・一橋ではなくむしろ慶應文系を目指しなさいと強く勧めています。(東大・一橋の文系数学は、かなり難しい)
逆に、小論文を書くのがちょっと苦手そうな生徒さんの場合は、慶應ではなく早稲田か上智を目指すように指導します。慶應大学商学部あたりを第一志望にしてしまうと、滑り止めの大学がなくなってしまう危険もあるからです。また、慶應文学部を志望するのはほぼ無理筋だろうからです。
慶應大学附属以外から慶應大学を志望する人にこういうデータは参考になったでしょうか。次回はもう少し慶應大学合格対策について詳しく検討していきます。お楽しみに。
最近,生徒さんの間から、慶應大学に進学したいという声をよく聞くようになりました。国立でも、早稲田でもなく、なぜか慶應大学なのです。
慶應大学は昔から憧れの的で、親戚一同が慶應出身であるという慶應一家の話もよく聞きます。しかし、だからこそ慶應大学に合格するのは容易ではないのです。普通の人たちが慶應大学に合格するためにはどうしたら良いのか、ちょっと考えてみましょう。
まず、慶應大学に進学する人はどんな人でしょうか。大きく分けると、次の様に分類できるでしょう。
A 東大落ち
B 慶應家系出身者
C 慶應の附属校の出身者
D その他の場合
Aタイプ、つまり、東大に落ちて慶應大学に入学したというタイプの人ですが、経済学部や理工学部などではかなり沢山いるはずです。私たちの年長の慶應出身者の知り合いは、日比谷高校→浪人→慶應大学経済学部という人達が何人もいるのですが、いずれも東大落ち受験生でした。実際、慶應大学の看板学部である経済学部や医学部では,東大受験生が不利にならないような問題が作成されています。明らかに慶應大学は、東大受験生を欲しがっているのです。
そういう意味では、東大を目指す勉強をすれば慶應大学にも合格できるということになるでしょう。
B タイプ(慶應家系出身者)は、慶應大学の場合はかなり多いはずです。一族が慶應出身者で固められているという場合も有るでしょう。または、お父さんやお母さん、あるいはお兄さんや親戚のお姉さんが慶應大学だから自分も慶應大学を目指すというのはごく自然なことでしょう。いわゆる逆転合格というのも、実はこのタイプの人が多いのではないでしょうか。
また、ちょっと意外かもしれませんが、東京大学や早稲田大学ですら、家族や親戚一同がその大学の出身者であることが多いようです。たとえば、私の知り合いの東大女子の殆ど全員が、お父さんは東大卒です。またその女子にお兄さんや弟がいたら、かなりの確率で東大出身です。(東大男子の場合はそれほどではありません。ただし、やはりお父さんが東大卒で息子も東大である確率は高いようです)。実を言えば、私の母方の親戚は早稲田大学出身者が非常に多いので、どうやら早稲田家系というのもあるようです。という訳で、慶應家系が慶應に合格して進学するケースは、さらに多いのではないでしょうか。
C は、慶應の附属の小学校・中学校・高等学校からそのまま大学に進学するコースです。慶應ファンは当然のことながら慶應の幼稚舎を目指す訳ですが、ある意味では最も狭き門ですね。
さて、 私達が塾講師として特に興味深く思うのは、Dタイプです。家族や親戚に慶應大学出身者があまりいないけれども、慶應大学に合格できたというケースです。家柄・家系だとか、ご両親の学歴といった点で不利であっても、それを克服できたという場合です。もちろん、慶應大学はご家族の学歴でスクリーニングしたりはしませんから、理論的には充分可能です。つまり、慶應出身者ではないけれども、なんからの意味で慶應家系的な学びを実践してきたから、慶應大学に合格できた筈なのです。いったいどこに秘訣があるのでしょうか?