ChatGPTの情報収集力はスゴイというのが、もっぱらの世間の評判である。たしかに英作文やEnglish Writingの学習において、ChatGPTは革命的な能力を持っていた。我々英語学習者の書いた英文を、AIに瞬時に添削してもらえるようになったのだ。
さて今回のテーマは、ChatGPTやClaudeなどのAIによって、Youtubeの動画をどれだけ要約できるかの実証検証である。Youtubeには面白い情報が溢れているが、全部視聴するとなるとかなりの時間を食うので、AIが要約やアウトラインを出してくれるとなると、大いに注目しなければならない。
私が利用したのは、AI(ChatGPT-4, Claude)の他に、Windowsのデスクトップパソコン、ブラウザーの Chrome、およびChromeの拡張機能である”Youtube Summary with ChatGPT & Claude”である。なお、最後の拡張機能(YouTube Summary)の使い方ですが、ここでは詳細を省きます。もしそれについてもっと知りたいと思われる方は、他のブログ、たとえば「YouTube Summary with ChatGPT & Claude」が便利すぎた」などを参照してみてください。(もちろんのことですが、Microsoft Edgeなどの他のブラウザーでは機能しません、念のため)。
さて、AIが動画の要約を出来ると聞いて気になるのは、AIの要約力がどの位のものなのか、どれくらい信頼できるのか、ですね。残念ながら、大半のサイトでは、「AIの動画要約力はスゴイ!」とだけ言うのみで、実際に活用して検証してみたりはしません。これでは、安心して活用できません。なにしろ、AIは幻覚(ハルシネーション)という名前の嘘を平気で撒き散らしてきた実績があるのですから。そこでこのブログでは、様々なyoutube動画について、AI(ChatGPT, Claude)を活用して要約させてみることにしました。
今回のブログは次のような構成になっています。まずはChatGPTとClaudeの要約力について、結論を先述してしまいます。
次に、「ベスト5」を提示する動画(10~15分程度)を3本取り上げ、それぞれChatGPTとClaudeを活用して要約させます。このとき、必要があれば、随時、要約の修正や追加を命じますから、要約文がどのように変わるのかがわかるでしょう。最初にChatGPT, 次にClaude、最後にClause×ChatGPTで、それぞれ要約を出力させてみます。AIの力の差を具体的に確認できるでしょう。
1.Yoube要約力は、文句なしに大変重宝する道具となります。Youtubeから様々な情報を入手している人は、今すぐ始めるべきです。とくに「ベスト5」などの情報をてっとり早く入手したいとき、あるいは、難解または外国語で行われるニュースやレクチャーの予習復習に便利である。
2.長めの動画の要約には、ChatGPTよりもClaudeを活用しよう。あるいは、ClaudeとChatGPTを併用しよう。なぜならばChatGPTでは、動画の後半部分がカットされてしまう場合が目立つからだ。
3.日本語の場合、かな漢字変換のミスが多発し、ときには「ベスト5」にも重大なミスにつながります。かな漢字変換のミスとは、例えば、
「同名し」⇛⇛「動名詞」(英文法用語)
「冥王大学」⇛⇛「名桜大学」(沖縄県の公立大学)
「神奈川さや」⇛⇛「金川紗耶」(乃木坂64)
4.適切な質問や追加命令をすれば、書き直しや追加情報を提示することが可能である。
5.4と同義であるが、利用者(人間)側が、予備知識や問題意識をもって、積極的にA Iに質問・修正リクエストをしないと、その能力を活かすことは出来ない。あるいは、動画のメッセージを誤解することになるかもしれない。ただし質問やリクエストが幻覚(ハルシネーション)等を生み出す危険もないわけではない。
6.日本語の動画を英語で要約させる、あるいは英語を日本語で要約させるといった作業には、大きな問題はなさそうに見える。(次回以降の課題となります)
7. 20分を超えるような長い動画の要約をさせる場合、様々な工夫が必要である。(次回以降の課題となります)。
まずはChatGPTで、この動画(by梅田)を要約させます。出力したデータのかな漢字変換のミスは、赤字で注釈を加えました。
ChatGPTの要約(ベスト5)
梅田さんがおすすめする文法書のタイトルとその理由は以下の通りです:
1. **『中学英語もう一度ひとつひとつわかりやすく』**
– **理由**: この本は、英語を基礎から学ぶために最適です。中学レベルの文法が1冊で学べるようにまとめられており、日常生活で出会う文法のほとんどをマスターできます。説明の仕方がオーソドックスでわかりやすく、学校の文法授業が苦手でなかった人に特におすすめです。各項目には実践的なエクササイズが含まれており、英語を実際に使っていくための訓練ができます。
2. **『中学英語意味ジェンドリルの位置』** [⇛『中学英文法「意味順」ドリル①』]
– **理由**: (動画ではこの本についての詳細な説明が途中で切れていますが、おそらく) 英語の意味にフォーカスしており、従来の文法書とは異なるアプローチで学べる点が特徴です。日常的な英語の理解を深めることができるでしょう。
他の3冊については、動画内での言及が見られませんでした。これらの本は、文法に苦手意識がある人や、以前文法書で挫折した人にも適しており、効率的かつ実践的な学習を可能にする内容となっています。
残念ながら、ChatGPTでは英文法書ベスト5のうち、最初の2冊しか提示出来ませんでした。また、『中学英語意味ジェンドリルの位置』は明らかに音声認識とかな漢字変換のミスです。
Claudeの要約力(ベスト5)
ここで勧められている5つの英文法の参考書とそのおすすめポイントは以下の通りです。
1. 「中学英語もう一度ひとつひとつわかりやすく」
・最も重要な基礎的な中学英語の文法が1冊で学べる
・例文を繰り返し覚えるドリル形式で実用的
2. 「意味から学ぶ中学英文法」(=>中学英文法「意味順」ドリル)
・意味にフォーカスした学び方で文法用語にとらわれない
・英語を話す際の語順を大切にした文法学習ができる
3. 「新 TOEIC TEST 英文法を初めからていねいに」
・TOEIC対策を意識し、初学者でも分かりやすい解説
・200ページ程度の薄さであるため短期間で読める
4. 「一億人の英文法」
・ネイティブの英語の感覚がイメージ図で分かりやすい
・学校文法をある程度理解した人に実践的な知識を深める
5. 「英文法のエッセンス」
・文法のルールの由来が論理的に詳しく解説されている
・疑問に思ったことが納得の説明でわかる上級者向け
全体的に非常に良いですね。Claudeではベスト5の全てが簡潔に提示されました。ただし、「意味から学ぶ中学英文法」(=>中学英文法「意味順」ドリル)は音声認識ミスです。
最後にClaudeが作ったトランスクリプト(音声認識による書き起こし)をChatGPTに入力(=ペースト)して、要約をさせてみましょう。
ChatGPT×Claudeの要約力(ベスト5)
おすすめされる英文法の参考書とその特徴は以下の通りです:
中学英語もう一度ひとつひとつわかりやすく
特徴: 中学英語の基本的な文法を1冊で網羅。日常生活で遭遇する文法の大部分をカバー。オーソドックスな説明で初学者にも理解しやすい。例文とドリル形式で実践的な練習が可能。
中学英語意味順ジェンドリル (=>『中学英文法「意味順」ドリル』)
特徴: 英語の意味にフォーカスし、従来の学校文法とは異なるアプローチ。文法用語にとらわれずに意味ベースで文法を学び直す。英語を話す際の語順を重視し、実践的な学習が可能。
新TOEIC Test 英文法をはじめからていねいに
特徴: TOEIC対策を中心に基本的な文法を丁寧に解説。TOEICでよく問われる文法事項に焦点を当てており、短期間での復習に適している。200ページ程度でコンパクト。
一億人の英文法
特徴: ネイティブの感覚に基づく英文法の説明。従来の学校文法とは異なる切り口で、英語の文法とそのニュアンスについて深く理解可能。基本動詞や助動詞などの解説が豊富。
英文法のエッセンス
特徴: 読む文法書として設計。英文法について詳細かつわかりやすい解説が特徴。英文法のルールがなぜそうなっているのかを論理的に説明し、深い理解を助ける。上級者向けで、既存の知識を整理し深めるのに適している。
これらの書籍は、英語学習を加速させるための文法の基本から応用まで幅広くカバーし、異なるニーズに応じて選ぶことができます。
ChatGPT× Claudeでは5冊のすべてが提示されました。もっとも「中学英語意味順ジェンドリル」のかな漢字変換ミスは相変わらずです。しかし、Claude単体の「意味から学ぶ中学英文法」という誤タイトルと比べれば、まだマシかもしれません。
暫定的な結論としては、ChatGPT単体では動画の要約は任せにくい、しかしClaudeならば、あるいはClaude×ChatGPTならば、役立ちそうだと言えましょう。もう少し別の動画で実験を続けましょう。
ChatGPTによる要約(ベスト5)
動画「【コスパ良】難関校じゃないのに魅力あふれるオススメ大学5選」では、入学が難しくないが価値のある日本の大学5校について話しています。要約は以下の通りです:
1. **武蔵大学**:
– 東京の池袋より少し北に位置。
– 小規模なセミナー形式の教育、特に「ゼミ」で知られる。
– 早い段階から学生が積極的にフィールドワークやプロジェクトを進めるスタイルを強調。
2. **大阪工業大学**:
– 機械工学およびロボット工学に強い焦点を当てている。
– ロボットコンテストで他の技術大学を上回る成果を出している。
– ロボットやAIに関心がある学生に適した専門的かつ進んだ学習を提供。
3. **津田塾大学**:
– 東京の西にある女子大学。
– 以前はよりアクセスしやすいという印象があったが、質の高い教育で知られる。
– プログラムや特色についての具体的な詳細は記載されていません。
動画のトランスクリプトでは他の2つの大学について言及されていないため、話題はこれら3校に限定されています。
おすすめ大学の「ベスト5」のはずですが、ChatGPTはまたしても途中で途切れてしまいました。ベスト5なのに、3つの大学しか提示されていないのです。かなり残念ですね。
Claudeによる要約(ベスト5)
【コスパ良】難関校じゃないのに魅力あふれるオススメ大学5選
・武蔵大学: 小人数ゼミ制度が充実しており、学生が主体的に学ぶ機会が多い
・大阪工業大学: 機械工学系が強く、ロボットコンテストでの実績もある
・津田塾大学: 女子大だが英語教育が充実、理系も得意で課題が多い
・獨協大学: 英語力が高く、入学後に英語実力が高まる例が多い
・武蔵野大学: アントレプレナーシップ学部がビジネスセンスを磨ける
Claudeは、ベスト5大学を全部提示してくれましたね。しかし、あまりに情報量が少なすぎます。そこで、「詳細な情報を加えて」と命令します。すると、
はい、もう少し詳細な情報を追加します。
【コスパ良】難関校じゃないのに魅力あふれるオススメ大学5選
・武蔵大学: 小人数ゼミ制度が充実し、1年生から参加できる。教授と距離が近くなり、きめ細かい指導が受けられる。
・大阪工業大学: 機械工学系が強く、ロボットコンテストで数々の受賞歴がある。就職率も高い。
・津田塾大学: 昔からの女子大の名門校。バランスの取れた教養教育に加え、英語教育や理系も充実。課題が多く鍛えられる。
・獨協大学: 英語系学部があるほか、入学後の英語力が高まる実績がある。TOEICの点数が上昇する学生が多い。
・ 武蔵野大学: 新設のアントレプレナーシップ学部がビジネスセンスや起業マインドを磨ける好機。ビジネス界を目指す人におすすめ。
まだまだ、あっさりすぎる内容ですが、良しとしましょう。最後に、Claude が出力したスクリプトをChatGPTで要約させてみましょう。
Claude×ChatGPTの要約力(ベスト5)
1. **武蔵大学**:
– 東京に位置し、小人数制のゼミ教育で知られる。
– 学生は積極的にフィールドワークなどを通じて学習する。
– 早い段階からゼミに参加し、主体的な学びを経験できる。
2. **大阪工業大学**:
– 機械工学とロボット工学に特化。
– ロボットコンテストでの成功があり、技術的な強みを持つ。
– ロボットやAIに関心のある学生に適している。
3. **津田塾大学**:
– 女子大学で、英語と理数系の教育が強い。
– 小人数制の教育を採用し、課題が多く、学生を鍛える。
– 昔はより名門であり、現在も質の高い教育を提供。
4. **獨協大学**:
– 英語教育に力を入れており、学生の英語力向上に注力。
– TOEICスコアの向上が期待できる。
– 卒業後の社会での成長に重点を置いている。
5. **武蔵野大学**:
– アントレプレナーシップ学部が特徴で、企業家精神を重視。
– 学生は企業経営やビジネスについて専門的に学ぶ。
– 自分のビジネスを立ち上げたい学生に最適。
これらの大学は、偏差値に対する教育の質とコストパフォーマンスが良いことで選ばれています。
なかなか良いベスト5が出来上がったと思います。私的には、Claude×ChatGPTの今回のベスト5で大満足です。
さて、AIの「ベスト5」の要約力のチェックとして、最後にもっと要約するのが難しい動画を取り上げてみましょう。今度は16分もあり、「ベスト7」で、しかもかな漢字変換が非常に難しいものです。選んだのは「絶大な人気なのにアンチかほほいない乃木坂メンハー7選」 です。まずは、ChatGPTから行きましょう。
ChatGPTの要約(ベスト7)
人気とアンチの少なさ: 乃木坂46の中で特に人気が高く、アンチが少ない7人のメンバーに焦点を当てています。これらのメンバーは、親しみやすさや優しい性格、ピュアな性格が特徴で、ファンや後輩メンバーとの良好な関係を築いています。
- かきさんの特徴とエピソード: かきさんは、特にアンチが少ないと言われる4期生のメンバーです。彼女は、性格の良さや笑顔で知られ、バラエティ番組での困難な経験にも前向きに取り組んでいます。また、彼女のファースト写真集は大成功を収めており、ルックスと人気の高さを示しています。
- 田村まゆの特徴と対応: 田村まゆさんは、4期生の中でもリーダーシップを発揮するメンバーで、アンチが少ないことで知られています。彼女は、後輩との良好な関係を築くためにスキンシップを取り入れるなど、コミュニケーションに長けています。さらに、ファースト写真集でランジェリー姿を披露するなど、バランスの取れた魅力を持っています。
- 人間性とプロ意識: これらのメンバーは、自分たちの人間性とプロ意識を通じて、多くのファンから愛されています。彼女たちは、自分たちの挑戦や成長、そして相手に対する配慮を通じて、ファンにポジティブな印象を与えています。
- ファンとの関係: これらのメンバーは、ファンとの接触時にもその特性を発揮し、ファンに好まれる要因を作っています。特に、親しみやすさや気遣い、そしてプロフェッショナルな姿勢が、彼女たちのアンチが少ない理由の一つとなっています。
困ったものです。「ベスト7」のはずなのに、「かきさん」と「田村まゆ」の二人の名前しか出てきません。(文中のアンダーラインは私による)。しかも、かな漢字変換は誤っています。そこで追加命令を出してみます。
私の命令
・ 「かきさん」→「賀喜遥香」;「田村まゆ」→「田村真佑」です。
・ 他のメンバーにも言及しているはずです。
しかし、かな漢字変換のミスを修正するのが限界でした。他のメンバーの名前を挙げることができないのです。この段階ではポンコツAIと言われても仕方ありません。そこで、Claudeに期待を繋げます。
Claudeの要約力(ベスト7)
1. 人気が高くアンチがほとんどいない乃木坂メンバーの共通点は、優しい性格や明るい笑顔、後輩への気遣いなどの人柄の良さである。
2. 親しみやすいキャラクターや会話のうまさが、ファンとの距離を近づけ、アンチを作りにくくしている。
3. ダンス、歌唱力、演技力などの実力の高さが評価され、アンチよりファンのほうが多い。
4. ルックスや体型といった外見の魅力に加え、性格の芯の強さや意外な一面などギャップが魅力。
5. 個性的なキャラクターを持ちながらも他メンバーとのバランスをとれていることがグループの力となっている。
この要約はヒドイ!具体的なメンバーの名前が一人も出てきません。しかし、ClaudeやChatGPTを使用するときには、必要な追加命令を出しさえすれば良いのです。すぐに別の要約を提示してくるはずです。私は次のように命令しました
「具体的なアイドルの名前を提示しながら説明してください」
はい、具体的なメンバーの名前をあげて要約します。
1. かはか恋などの優しい性格や笑顔が人気の理由で、アンチがつきにくい。
2. 田村芽宇の会話のうまさがファンの支持を集めており、アンチが少ない。
3. 奥田恵海のダンス実力の高さや吉田朱里の歌唱力が評価され、アンチよりファンが多い。
4. 与田祐希のルックスに加え、意外な一面のギャップがアンチを作りにくくしている。
5. 筒井あやめの個性的なキャラクターが光りながら、チームワークも大切にしており、グループの力となっている。
一瞬にして相当程度に修正されました。
かな漢字変換のミスが相当目立ちますが、それは良しとしましょう。(「田村芽宇」→「田村まゆ」;「かはか恋など」→「**賀喜遥香」;「**奥田恵海」→「奥田いろは」です)。最大の問題点は、「ベスト7人」のうち「5人」しか名前が上がっていないことです。非常に残念です。しかも、まだ2人の名前が足りないのです。
そこで、かな漢字変換のミスを改めさせ、さらに全文のスクリプトをチラ見しながら、「吉田の名前を加えよ」と追加命令を加えます。するとこのプロセスで、Claudeが「 吉田綾乃クリスティー」の代わりに「吉田朱里」(NMB48なので不適切)を加えてしまうという失策を犯しました。仕方ないので、私がそのミスをAIに指摘し、最終的には次のように修正・追加させました。
Claudeの要約の最終段階(ベスト7)
はい、失礼しました。吉田朱里を削除し、乃木坂46のメンバーである吉田綾乃クリスティーを要約文に反映させます。
1. 賀喜遥香の優しい性格や笑顔が人気の理由で、アンチがつきにくい。
2. 田村まゆ(⇛「田村真佑」)の会話のうまさがファンの支持を集めており、アンチが少ない。
3. 奥田いろはのダンス実力の高さが評価され、アンチよりファンが多い。
4. 与田祐希のルックスに加え、意外な一面のギャップがアンチを作りにくくしている。
5. 筒井あやめの個性的なキャラクターが光りながら、チームワークも大切にしており、グループの力となっている。
6. 小川彩のルックスと個性がアンチを作りにくくしている。
7. 吉田綾乃クリスティーの親しみやすいキャラクターと対応のうまさが、アンチがつきにくい理由である。
内容のシンプルさと比べると、AIとの対話はちょっと面倒くさい作業という気がします。Claude は人気アイドルの名前や大学の名称を正確に知らないのですね。
Claude×ChatGPTの要約力(ベスト7)
今度も、Claudeのトランスクリプト原稿を用い、ChatGPTで要約させてみます。
要約:
1. **アンチが少ない乃木坂46メンバー**: 乃木坂46の中には、人気が高いにもかかわらずアンチがほとんどいないメンバーが多数います。これらのメンバーは、後輩との良好な関係を築くために積極的にコミュニケーションを取る優しさや、親しみやすく魅力的なキャラクターで知られています。
2. **賀喜遥香の魅力とエピソード**: 賀喜遥香はアンチが非常に少ない4期生メンバーです。彼女の性格の良さや笑顔が強調されており、バラエティ番組での挑戦や成長する姿勢が好評です。また、彼女のファースト写真集が大ヒットし、そのルックスと人気を示しています。
3. **田村真佑の特徴とエピソード**: 田村真佑は4期生であり、アンチが少ないメンバーです。彼女は親しみやすく、後輩との関係を深めるためにスキンシップを取り入れるなど、コミュニケーション能力に長けています。また、彼女のファースト写真集ではランジェリー姿も披露しています。
4. **奥田色葉(→「奥田いろは」)の人柄とパフォーマンス**: 奥田色葉もアンチが少ないメンバーです。彼女は、乃木坂46の番組での天然な魅力と素直さで知られ、演技や踊りが得意で、将来的に映画出演を目指しています。
5. **小川エア(→「小川彩」)のビジュアルと性格**: 小川エアは最年少メンバーであり、アンチが少ないと言われています。彼女のビジュアルの高さや性格の良さが強調されており、メンバーやファンからの支持を受けています。
以上の要点は、乃木坂46の中でも特にアンチが少ないとされるメンバーの特徴や魅力に焦点を当てています。彼女たちのビジュアル、人柄、才能、そして真摯な姿勢がファンからの愛される理由となっています。
最初のこの段階では、ベスト7人のうち4人しか提示できていません。要約力としては、ちょっと厳しいですね。
もちろん追加命令として、「筒井あやめと吉田綾乃クリスティーと与田祐希についても言及してください」とすれば、ChatGPTは適切なベスト7の要約文を作ってくれるでしょう。しかし、私が3人の名前を知っているのは、Claudeとのやり取りや追加命令を経ているからです。と考えると、今回のベスト7について言うと、ChatGPTはちょっと能力不足が目立ちます。
一応、Claude×ChatGPTの要約の最終段階をペーストしておきます。
了解しました。吉田綾乃クリスティーと与田祐希についても含めて、乃木坂46でアンチが少ないメンバーに関する要約を行います。
1. **アンチが少ない乃木坂46メンバー**: 乃木坂46には人気が高いにも関わらず、アンチが少ないメンバーが多く存在します。これらのメンバーは後輩との良好な関係を築くための積極的なコミュニケーションや、親しみやすいキャラクターで知られています。
2. **賀喜遥香の特徴**: 賀喜遥香はアンチが非常に少ない4期生メンバーです。彼女の性格の良さや笑顔が強調されており、バラエティ番組での挑戦や成長する姿勢が評価されています。また、彼女のファースト写真集の大ヒットがそのルックスと人気を示しています。
3. **田村真佑の特徴**: 田村真佑は4期生で、アンチが少ないメンバーです。彼女は親しみやすく、後輩との関係を深めるためにスキンシップを取り入れるなど、コミュニケーション能力が高いことが特徴です。また、彼女のファースト写真集でランジェリー姿を披露しています。
4. **奥田いろはの特徴**: 奥田いろはもアンチが少ないメンバーです。彼女は乃木坂46の番組での天然な魅力と素直さで知られており、演技や踊りが得意です。将来的には映画出演を目指しています。
5. **筒井あやめの特徴**: 筒井あやめはアンチが少ないとされるメンバーで、番組中でのメンバーへの厳しい態度が逆に人気を高めています。彼女は落ち着いた雰囲気とおっとりとした性格を持ち、その一方で厳しい面も持つことで、ファンから注目されています。
6. **小川彩の特徴**: 小川彩は最年少メンバーで、アンチが少ないと言われています。彼女のビジュアルの高さや性格の良さが強調されており、メンバーやファンからの支持を受けています。
7. **吉田綾乃クリスティーの特徴**: 吉田綾乃クリスティーは握手会での神対応や親しみやすいキャラクターで人気があり、アンチが少ないとされています。彼女はモデル経験もあり、握手会ではファッションにも工夫を見せています。吉田さんはファンとのコミュニケーションを重視し、自然体で接することを大切にしています。
8. **与田祐希の特徴**: 与田祐希はアイドル、モデル、女優として活躍する中心的なメンバーで、アンチが少ないと言われています。彼女は小柄で可愛らしい外見やマイペースな性格がファンに愛されており、異なるシチュエーションでの表情の豊かさやファッションセンスが魅力とされています。
以上の要点は、乃木坂46の中でも特にアンチが少ないとされるメンバーの特徴や魅力に焦点を当てています。彼女たちのビジュアル、人柄、才能、そして真摯な姿勢がファンから愛される理由となっています。
Claude単独の最終段階と比べると、Claude×ChatGPTでは記述がより詳細になっているのが分かります。しかし、ここにたどり着くまでがちょっと大変でした。かな漢字変換ミスが多かったのが原因でしょう。あまり知的ではない作業ですが、AIの要約にはまだまだ課題が多そうです。
今回は非常にシンプルな内容のYOUtube動画のベスト5やベスト7について、ChatGPTとClaudeに要約してもらいました。結論的に言えば、ChatGPT単独には任せることはできないが、Claude単独、あるいは、ClaudeとChatGPTの組み合わせには、ある程度以上期待することができそうです。ただし、使う側が適切な追加や修正の命令を出したり、かな漢字変換のミスに対応できることが求められています。丸投げでは多くは期待できません。
英語教材を吟味する
私たち個別指導の講師たちは、普通、生徒向けの教材を作成したりしません。市販または学習塾向きの教材を使用することになります。しかし、私たちのようなプロ講師は、無批判にそのまま使ったりはしません。
説明が不充分だとか、解説文が分かりにくい箇所があるといった場合もあります。しかし厄介なのは、答えや解説がそもそも間違っているとか、例文が不適切だったりする場合です。英語の場合は、第二次世界大戦以前の古い表現だったりすることも稀ではありません。
また、超有名な英語の先生の著作、例えば、竹岡先生だとか関先生の本でも、やっぱり間違いや勘違いはありますね。
今回から、何回かにわたって、英語教材のミスや不適切な解説などを取り上げる文章を時折書いてみることとします。 最初に取り上げるのは、東京大学の英語入試問題で、英文読んで日本語で端的に要約する問題の解答例です。大御所の大先生ばかりとなりますが、明らかな誤訳が見つかりましたので、明らかにしていきます。
高橋善昭先生と言えば、ちょっと昔ではありますが、駿台の名物先生の1人で、英語科主任(1991-2003) を担当していた実力者です。今回取り上げる高橋善昭『英文要旨要約問題の解法』(駿台文庫、2001年)は、今なお現役のロングセラーとして知られています。
しかし、本書の解答例を丁寧に吟味すると、ちょっと腑に落ちない箇所が出てきました。part Ⅰ -03「何を書くか」で取り上げられた東京大学の1965年の英語要約問題です。
結論を先取りして言えば、高橋先生がちょっと致命的な誤訳をし、その結果、要約文(模範解答)が何を言いたいのか、不可解なものになってします。
まずは東大の問題を提示しておきます。
「次の文を読み、’Industrial Revolution’ という用語が必ずしも適当と考えられない理由を60字から80字までの字数で書け」です。 (英文は少々長くなりますので、ブログの最後に掲載しておきます)。
これに対する高橋先生の解答は、以下の通りです。
(a) 産業化は
(b) 斬新的過程なので、
(c) 「革命」より
(d) 「進化」が適切であり、
(e) 産業面の変化は
(f) 社会の全分野の変化と不可分なので
(g) 「産業」も適切ではない。
どうでしょうか。この要約文の意味がすんなりと頭に入ってきたでしょうか。おそらくほとんどの人は、文章の後半の(e)~(g) が、一体何を意味しているのか、分からなかったはずです。
もう一度、高橋の要約文の後半部を繰り返し書いてみます。
「産業の変化は社会全分野の変化と不可分なので『産業』も適切でない」。
「産業の変化は社会全分野の変化と不可分なので」は違和感はありませんね。しかし、後半の「産業」が不適切だと言う結論は意味不明です。
この部分の根拠となる箇所を、高橋の訳文で参照してみましょう。
「産業面の変化を人口、運輸、農業、社会構造面の変化と切り離すのは不可能なのであるから、何故に『産業』なのかと言う疑問が出てくるのである」。
この訳文もやはり意味不明ですね。
種明かしをしましょう。すべての問題点は、Industrialを「産業」と高橋先生が訳したことにあるのです。ここは「工業(の)」と訳さなければならなかったのです。
「産業」ならば一次産業から三次産業まで、あらゆる業界が含まれます。他方「工業」であれば、原材料から製品を生産する産業部門に限定されます。すると、次のように解釈できます。
‘industrial’「産業」 産業 ≒ 人口、運輸、農業、社会構造
‘industrial’「工業」 工業 <==> 人口、運輸、農業、社会構造
再度、高橋訳(’Industrial’=産業)を掲載します。拙訳(’Industrial’=工業)と比較してみてください。
高橋訳「産業面の変化を人口、運輸、農業、社会構造面の変化と切り離すのは不可能なのであるから、何故に『産業』なのかと言う疑問が出てくるのである」。
拙訳 「(工業革命のように)、『工業』部門に限定して論じることも、大いに疑問である。というのは、工業部門の変化は、人口、運輸、農業、社会構造といった諸部門の変化と切り離して論じることは不可能だからだ」。
同様に、’Industrial Revolution’という用語がなぜ不適切なのかを説明するものとして、高橋の要約文(e)(f)(g)は、(e’)(f’)(g’)のように書き換える必要が出てきます。
高橋要約
(e) 産業面の変化は
(f) 社会の全分野の変化と不可分なので
(g) 「産業」も適切ではない。
↓
修正版
(e’) 工業部門の変化(=工業化)は
(f’) 社会の他部門(=人口、運輸、農業など)の変化と不可分なので、
(g’) (工業(革命)のように)、工業部門だけの大きな変化として記述するのは適切ではない。
どうでしょうか。明晰明瞭になったのではありませんか。
ところで、’industrial’という言葉に対し、本ブログが指摘するように「工業」と訳すことに対して違和感を覚える方も沢山いるのではないでしょうか?なんといっても,我々日本人の多くは、’Industrial Revolution’を「産業革命」という用語で習ってきたからです。
また、どの英和辞典を調べても、’Industrial Revolution’には「産業革命」という訳語しか載っていないはずです。
けれども、ここで既存の知識から自由になって、ちょっとよく考えてみてください。そもそも何故「産業革命」と訳すようになったのでしょうか。
18-19世紀の、大きく変貌しつつある英国のイメージと言ったら、それこそ、蒸気機関、紡績工場、製鉄工場ではありませんか。つまり、工業技術の驚異的変革と、それに伴う革命的な社会の変化ではないでしょうか。つまり、「工業革命」とか「工業化」と表現するのがむしろ普通の感覚で、「産業革命」と訳すのがむしろ奇異であり、何か意図的なものを感じるべきなのです。
実は私は、1970年代に、高校の世界史の授業でK先生から教えてもらっていたことを思い出しました。「工業革命」と訳すと、工業部門のみの変化だと誤解される恐れがあるので、工業を含めた全産業の大変化であると示すために、「産業革命」と訳すようになったのだそうです。
「工業革命」という風に、「工業」面に限定した表現では、実態をとらえたことにならないのでダメであるという議論があったのだとしたら、それはまさに今回の英文、つまり東大の1965年入試でとりあげられた、’Industrial Revolution’への批判の議論も、その潮流の一つであると考えて良いでしょう。
したがって、次のように推測できます。
従来の’Industrial Revolution’論には批判があったのです。つまり、工業部門の変革のみに注目し、社会全体の大変貌を見損なっているという訳です。そこで日本の歴史学界や知識人たちは、’Industrial Revolution’という概念を救済するために、その訳出にあたって、「工業革命」ではなく「産業革命」を選んだのでしょう。「産業」革命なのだから、工業中心主義ではないぞ、という解釈です。
他方、今回の英文は、従来のIndustrial Revolutionという概念や認識を否定する立場に立っています。工業中心主義的な歴史認識であると批判し、さらに歴史に即していない革命至上主義的な史観と批判しているのです。
ですから、Industrial Revolutionを擁護する立場の訳語を採用するのではなく、それを否定する立場からIndustrialを訳出しなくてはならないのです。となると、Industrial Revolutionは「工業革命(論)」とするのが一番です。現代の英和辞典には「工業革命」という言葉は掲載されていないかもしれませんが、Industrial は「工業」と訳したほうが良いのです。
もう一度、言いますよ。ここでは、我々はIndustrial Revolutionという認識と概念を否定する英文の書き手の立場に立って、訳していくと良いのです。
「工業革命論(Industrial Revolution)」なんてのは、間違った認識だよね。その実態は、「工業」でもなければ「革命」でもないからね。だって、イギリスで起きた変化は工業だけじゃない。それにフランス革命みたいな、急激な政治的大波乱が起きたわけでもないんだ。
なお、帝国書院(教科書会社)の注釈(クリック)も参考にすると面白いですよ。ここでは、産業革命論のうち、革命史観の否定について、簡単な説明があります。
偉い先生のもの、あるいは、権威ある辞典であっても、よく理解できない訳語や文を見つけることが時々あります。そのとき、自分の頭が悪いのだと決めつけるのではなく、丁寧に読み取る努力をしてみましょう。意味を理解できないのは、必ずしもあなたが悪いとは限らないのです。
東大入試問題(1965年)
次の文を読み、’Industrial Revolution’ という用語が必ずしも適当と考えられない理由を60字から80字までの字数で書け
The term ‘Industrial Revolution’ has been a little disparaged lately by historians. When using it, it is prudent to add the qualifying ‘so called’. And though it would clearly be impossible to overrate the coming industrialism, which has transformed the country and moulded the lives of its inhabitants, we know now that the changes were gradual — they had been coming for centuries. Evolution, perhaps, would be a better word than revolution. It is quite impossible to take a date, say 1760, and say ‘here begins the Industrial Revolution’ — and equally unsound to make it end somewhere about 1830 or even 1850. The process of industralization began before the eighteenth century, and has been going on at an increasing rate ever since. And why industrial, it is even asked, since it is impossible to separate changes in industry from changes in population, in transport, in agriculture, and in social structure. Each acted and reacted on the other. Again, though the inter-relation is less direct, the changes in the spirit of the age and in the literary fashion are all connected with the growth of an urban civilization and the increasing command over Nature.
入試で出題される現代英語を読むためには、教養が不可欠です。教養があるとは、ある程度広範囲の語彙を持っている事だと定義しても良いでしょう。
つまり、現代を理解するのに必要な語彙を持っていないと、英文を読めないのです。
実は、たったのワン・センテンスを読むのでさえ、教養力が大きく作用してきます。教養があれば読めるが、無いと読めない文があります。あるいは、一つの文だけで、教養の有無を判定できてしまいます。
当塾(シリウス英語個別指導塾)の塾生に対し、次のような教養力テストの質問をしてみました。
(1)”The world is getting smaller and smaller”(「世界はますます小さくなっていく」)とは、どういう意味なのか。 [(注)英文和訳を求めているのではありません]
(2)”animal kingdom”や”plant kingdom”という言葉があるが、どういう意味か想像してみよ。(大阪大学2022年の問題より)
ウチの高校生の正答率は、どの程度だったと思いますか。
中堅進学校から一流進学校の生徒さんがいますが、新高1は全滅でした。どちらの問題も、全く解答出来なかったのです。「世界は小さくなった」というフレーズはよく聞くのですが、「小さくなる」とはどのような現象を指すのか説明出来なかったのです。
しかし、新高校2・3年生は、ちょっと違いました。中堅進学校の文系志望の生徒さんたちでしたが、(1)の意味を答え、その意味を説明することが出来ました。文系の受験生が文系的な話題を知っているのは、ちょっと安心です。
一方、理系受験生はですが、(2)の意味を適切に推測してくれました。理系受験生は、文系的問題は出来なかったかもしれませんが、理系的問題ならば、見事に正確な推測をすることが出来たのでした。もちろん、kingdomの意味を習ったことはないはずです。
事例はごく限られたものですが、高校生として1-2年間でもそれなりに教養を積んだ結果、背景知識を必要とする英文の意味を推測できるようになったと言っても良いのではないでしょうか。
最後に、二つの問いについて、簡潔に見てみます。
(1)”The world is getting smaller and smaller”(「世界はますます小さくなっていく」)は、交通機関とコミュニケーションの発達、さらには近年のインターネットなどの登場により、世界の諸地域・国家がより緊密に結びつくようになったことを示す、一種の決まり文句です。近年では、グローバル化を論じる際の枕詞的フレーズとなっています。
ある程度の教養がある生徒であれば、何を論じようとしているのか瞬時に理解できるはずです。
(2)“animal kingdom”や”plant kingdom”は、実際に大阪大学の和訳問題で出題された箇所からの出題です。英語的には少々難しいですが、阪大の受験生は、animal kingdomとplant kingdomを訳出しなければなりません。
kingdomとは、animal(動物)とplant(植物)という広範囲な事物と結びつく、非常に抽象的な名詞でなければなりません。それは一体何を指しているのか、考えてみる必要がありますね。
実は、自然の分類法に関わる「界」という意味なのです。animal kingdomは「動物界」、plant kingdomは「植物界」となります。古典的な学説として、生物を大きく動物と植物との二つに分けるられるのですが、このときにkingdomという言葉を使うという訳です。
少し難しいですね。
文系受験生と新高1生は、「サファリかな?」と答えました。アフリカのサファリ・パークは、「動物の王国」というタイトルでテレビ番組化されますからね、気持ちは分からなくはありません。しかし、動物は世界中に存在するものであり、アフリカの草原に限定される概念ではありません。また、植物は地球のほとんどどこにも存在する訳ですから、サファリ地帯では、不味いですね。残念ながら、ちょっと短絡的な解答でした。
教養力を身につけるには、どうしたら良いのか。高校生には是非とも新書本をどんどん読んでもらいたい。とくに、国立難関大(東大、一橋大)や早慶上位学部(早大政経学部、法学部、慶應大経済学部、法学部)の場合には、そのことを強く訴えたい。
しかし、何か数冊を推薦するとなると、大変難しいですね。当塾ではとりあえず、『朝日中高生新聞』を読むことから始めてくださいと、面接時に皆さんに申し上げています。『中高生新聞』といっても、1週間に一回発行される週刊誌ですから、手軽に読むことが出来ますので、ご安心ください。
大学入試レベルならば、中高生新聞を読むだけで、英語、国語、社会(とくに地理など)等で、大きく得をするに違いありません。
そして、それ以上となると、何が良いでしょうか。いつもは新書本を読めと言っていますが、具体的なタイトルを挙げないと、不親切かもしれませんね。
大いに迷いますが、文系に興味があるのであれば、三省堂大図鑑シリーズはどうでしょうか。経済学、経営学、政治学、哲学、世界文学、宗教学、心理学、世界史、社会学、西洋音楽史等があり、大学での専攻を決めるのに役立つので、お勧めしましょう。調べてみたところ、相模原市、町田市、横浜市、川崎市、大和市等の公立図書館で、読んだり借りたりできるようです。
理系では、Newtonの大図鑑シリーズが実に充実しているようです。生物、太陽系、地球、数学、化学、鉱物、AI,人類学等々。多すぎて数え切れません。もちろん、ほとんどの市の図書館で読むことが出来ます。機会がありましたら、『AI大図鑑』や『人類学大図鑑』のレポートもしたいです。
今日はこれまで。
せっかく名門の中高一貫校に合格出来たのに、英語で伸び悩んでしまう生徒さんというのは、残念ながら非常に多いですね。しかし、英語が出来ないと言っても、幾つかのタイプに分かれているように見えます。ここでは、そのうちの主要タイプである(1)怠け者タイプ、(2)言語への無関心タイプの二つに分けて、感想を述べておきたい。
名門一貫校の英語落ちこぼれタイプの圧倒的多数派は、怠け者タイプでしょう。要するに、英語は退屈で覚えなくてはいけないし、面倒臭いので、やりたくないのでしょう。
私見では、どうもこのタイプのお子さんの場合、お父さんにその原因の一つがあるような気がします。つまり、例えば、子供に対して非常に甘いとか、あるいは、子供の教育に無関心でお母様に丸投げしているのではないでしょうか。このことについて、責任をもって断定はできません。あくまで、単なる個人の一つの感想に過ぎません。
名門校の生徒さんで、それなりに英文法を学んだのに、そして英単語の意味も説明しているのに、まとまった意味のある英文をさっぱり読めなかったり、頭に入ってこないというタイプの生徒さんがいます。
もちろんそういうタイプの人は、英語力向上で伸び悩むことになります。
ちょっと不思議な症候群です。英文の意味を文法的に解読できないとか、和訳できないとかいうのとは、少々異なります。日本語であれ、英語であれ、文章をよく読めない。あるいは文章に限らず、映画や漫画などの作品をあまり読めないタイプがいるのです。
この生徒たちの特徴を列挙すると、次のようになります。
これらの生徒さんたちも、試験というゲームとして文を読むならば、答えを探す事はある程度は出来るようです。しかし、本当に文を理解していると言えるのかどうか不明です。
こういうタイプの生徒さんについて、断定的な事は書けないのですが、それでも推論を小中学生時代に大きな原因があるように思われて仕方ありません。つまり、読書習慣を持たないうちに、中学受験勉強の特訓を始めたために、文章や物語を読む喜び楽しみを知らないし、興味も持てなくなってしまったのではないか。
ところで、ある塾の先生の説(水島 醉『「受験国語」害悪論』)によるならば、中学受験国語の勉強の中には、文章読解の習慣を身に着けるのに悪影響を与える性質のものがあるのだそうです。つまり、与えられた問題(「それ」はなにを指すか抜き出しなさい)に答えるために、本文中から答えの箇所を探し出すゲームに熱中してしまうと、文章読解から得られる本来の楽しさを、子供たちが見失ってしまうようになるのだそうです。私は中学受験国語に詳しくはありませんが、十分に有りうることでしょう。
まとめましょう。中学受験のための国語(日本語)の勉強をした子供たちの中には、おそらくその受験勉強のために、本来の人間の生活様式を著しく痛めてしまい、本来の文化的遺産の享受をできないようになっている人たちがいると、水島さんは言いたいし、告発したいのでしょう。そして、我々が直面している、英語の文章が読めなくなっている生徒さんと、かなり共通点があるように思われるのです。
どのようにすれば、彼ら・彼女らを救済できるのか。このテーマについては、改めて論じる予定です。
以前(2023年4月4日)GeePeeTeeについてのブログを書いてから、chatGPT、BARD(Google)、Bing(マイクロソフト)等の様々な対話型人工知能(AI)を試してみた。噂通りで、確かにスゴイ!
今までの常識を完全に覆すツールですね。例えば、舞台や単語などの諸設定を決め、これで物語を作ってくれと命令すると、瞬時に文章を作る。単語数や難易度を変えてくれとか、正誤問題を作ってくれと命令しても良い。
しかし、すでに頻繁に伝えられているように、とんでもない噓つき野郎でもあると実感した。ネットで調べればすぐ分かるレベルの情報でさえ、全然確かめたりせずに、いい加減な話をでっち上げる。架空の人物、決して存在しないバス路線、間違った年号などなど。
英語の文献では、対話型AIの発する嘘を、confabulation (=(精神病者の)作り話)だとか、hallucination(幻覚症状)とか呼ぶようだ。
例えば、プロ棋士で一番負け数が多い人は誰かと、iPhoneのGeePeeTeeに質問したところ(プロ棋士で負け数がずば抜けて多いのは、加藤一二三であることは、よく知られています)。
神田辰之助九段です。
と返事が返ってきました。
そんな名前の棋士は全く聞いたことが無かったので、架空の人物を創造してしまったのであろうと考え、いったい神田九段とは何者かと尋ねました。すると、
1956年生まれの棋士で、身長は170cm、血液型はAB型。得意戦法は三間飛車だが、大胆な手で敗因になってしまうことが多い。引退後は後進の指導にあたる。
と作り話を展開してきた。
なお念の為にウィキペディアで調べてみると、1957年生まれの神田辰之助は存在しないが、同姓同名の神田九段が第二次対戦前(1893ー1943年)に活躍していたと言うことがわかった。もちろん、負け数日本一の記録を樹立したわけではない。勝手に名前だけを借用したのだ。
対話型AIは、アメリカの司法試験に合格できる能力があるとも言われるが、いい加減に話をでっちあげてしまう場合も多いということなのだ。(とくに日本語で質問をすると、データ入力が英語と比べて少ないので、いい加減なことをさらに頻発しがちである)。
我々人類を騙してやろうと企んでいる訳ではないようだが、自分の作る文章について、その情報が正しいか、説得力があるか、論理的かといったポイントには、ほとんど無関心だ。だから悪気なく適当な嘘もでっち上げてしまう。
その理由は、対話型AIは、言語データベースに基づく文章生成装置なので、重要なのは言語表現としての「もっともらしさ」だかららしい。言い換えれば、表面的に道理にかなっているように見えさえすれば、それで良い。それが彼らの知能の正体だ。
そんないい加減な詐欺師のようなAIなんか、全く無意味じゃないかと思う人も沢山いるだろうが、そんなことはない。文章の「内容」の吟味についてはまるでいい加減なのは確かだが、文章の「形式」については、優れた能力があるはずだからだ。
つまり、理科や社会は全然ダメな英語や国語の先生のような存在なのだ。あるいは、百科事典的機能はいい加減だが、言語辞典(類語・反対語辞典、表現辞典、コロケーション辞典、表現言語など)の機能は満載と言ったらよいだろうか。そんなAIは、言語の教師として最高ではないのか。
このブログは英語塾のブログであるので、我々の興味は次の点にある。英語学習のためには、どのように対話型AIの力を最大限に活用出来るだろうか。
オンライン上でしばしば見かけるのは、対話型AI能を使って問題文(英語長文と正誤問題など)や暗記用単語リストを作ってもらうというものだ。そういう使い方はお勧めできない。なにしろ、問題集や単語本などは、すでに山ほどあるからだ。市販の教材優れた教材教材に任せれば良い。
同様に、模範回答を作ってもらうとか、宿題代行をしてもうらなどの使い方も感心できない。
対話型AIが優れているのは、まさにその「対話型」に意義がある。つまり、個々の学習者に寄り添ってくれるのだ。解答例をいきなり提示する能力だけではなく、一人ひとりの学習者が書いた文について、ある程度以上は元の文を尊重し、その改善案を提示してくれるのは、なんとも有り難いではないか。
英語を学習しようと思うならば、まずは自分で英語を書いてみること、そしてそれを対話型AIに添削してもらう。そしてもしその添削やアドバイスが適切だと判断できれば、それを取り入れ、自分の文章を書き改めたり、付け加えたりする。そしてさらに、書き改めた文章を再度AIにチェックし添削してもらうのだ。つまり、AIと対話を深めていくように、自分の書いた英文を何度も繰り返し修正して練り上げるのである。それが一番勉強になるのです。
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AIの提案や指摘がどうしても納得できない時にはどうするか。(2023年5月20日補筆)
さて、ここで大事なことを付け加える。AIの提案は必ずしも適切であるとは限らない。(具体的事例については、近いうちにいくつかブログで提示しておきたい)。もしその提案が不適切であるときは、どうしたらよいのか。その時は躊躇なく、別解を求めてみたり、別の対話型人工知能に同じ質問を投げかけてみよう。
あるいは、AIに不明点について質問をしたり、異議申し立てしてみるのも悪くない。(AI側が、自分の主張を強引に押し通そうとする場合もあれば、即座に謝罪することもある)。こちら側が積極的にレスポンスすれば、納得できる回答を引き出せる可能性があります。
いずれにせよ、黙ってAIの提案を受け入れるような姿勢だけは、絶対に避けなければいけない。AIの提言をいつも真に受けるような愚か者になってはならないのです。
ちなみに、『英語教育』という雑誌に書かれてあった大学教授の模範英文(和文英訳)についてAIに評価を任せたところ、CEFRでB1レベル(英検2級程度)という評価でした。[抗議しても変わらず]。また、英語の哲学図鑑の和辻哲郎の解説記事(英文)を評価させたら、B2レベル(英検準一級レベル)と出ました。[抗議したらC1レベル、つまり英検1級くらいに昇格しました。教養のあるネイティヴが英検1級レベルのはずがありません(苦笑)]。
どちらも、率直に言ってナンセンスです。日本人大学教授やネイティヴの哲学系ライターの英文が、僕の生徒よりも低レベルのはずがないのです。おそらく、現行のAIでは英文のレベルの評価は非常に難しいのでしょう。
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あるいは、自由英作文の課題で、何を書けば良いのか途方に暮れている時に、いくつかアイデアを出してもらう。例えば、「あなたの行きたい海外の都市を挙げ、その理由を説明しなさい」という問題が出され、困ってしまったとしよう。このとき、例えば、「タイ国のアユタヤ市に旅行する理由をリストにして教えて」(Make a list of the reasons why people go to Ayutthaya.)と質問してみたら良い。そして、そのリストを参照しながら、自分なりの英文を書いてみるのである。
実際に、AIに英文の添削をやらせてみると、実に素晴らしい働きを示すことが多い。なにしろ、いつでもほんの一瞬のうちに、添削や推敲に応じてくれるのだ。日本の英語学習者の多くは、ライティング(やスピーキング)となると、独学を強いられているだろうから、かつてない福音だ。なにしろ、自分が書いた英文をしっかりと添削してもらえるなんて、ほとんどの日本の英語学習者には、期待できない状況だったのだから。
具体事例に入る前に、長所と短所を最後に列挙してみる。
長所
短所
こう書いてみると、AIによる文章添削や採点は、結局のところ、かなりポンコツで、とうてい英語学習者が利用するに値しないのではないかと思われてしまいそうだ。しかし、そんなことを書きたいのでは断じてない。まるで逆だ。
多くの場合、充実した指摘、提案をしてくれるからである。ただ忘れてはならないのは、AIを使う学習者側がしっかりとした判断力を持って、AIのメッセージを取捨選択しなければらないということだけである。(だから英検一級程度くらいの英語力は求められるだろう)。
例えば、英語教師と対話型AI(chatGPT、BARD、BING、Perplexityなど)とがタッグを組んで、高校生や英検受験生の英文ライティングの添削指導をするならば、英文ライティングの指導は、格段に迅速で能率的になるはずだ。あるいは、英語教師が英語を研鑽したり、英検一級やTOEFLのライティングの独習する時などにも、大いに役立つだろう。
今回はこれまでとする。次回は、対話的人工知能の英文添削力について、具体的に書く。