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塾ブログ 林間教育通信

2022/04/10

大学受験自由英作文の採点が加点方式である理由ーー文と文とのつながりを評価する仕組み

大学入試等の自由英作文はどのように採点されるのでしょうか。ちょっと昔から議論されてきたのは、減点方式か加点方式かというものでした。

 

 

減点方式とは、文法や表現等に致命的ミスがあると、それを減点していく採点方法です。例えば、”discuss about the problem”と書くと、aboutが不要なのでマイナス1点とします。この採点方式が採用されていると論じる人たちは、受験生(高校生)には説得力のある英文などどうせ書けっこないのだから、加点方式は不可能であると判断し、出来るだけ文法ミスを少なくするようにとアドバイスします。

 

 

 

他方、加点方式であれば、多彩な表現を適切に用いているか、内容は整合性があっているか、論理的な文章展開かなどの項目について、得点を与える方式となるでしょう。

 

以前ネットで英語塾のウェブ・サイト等を検索してみたときは、減点方式を支持する人が多いという印象を受けました。しかし、和文英訳問題ならばいざ知らず、自由英作文の問題で減点方式だけが採用されるのは、ほとんどあり得ないと当塾は考えます。減点方式だけで自由英作文を採点してしまうならば、そもそも自由英作文を出題する意義ーー複数の英文を適切に並べていく能力を測定する試験の意義ーーが失われてしまうからです。

 

 

実際に高校生に自由英作文を指導しているとよく判るのですが、受験生が直面している問題は、説得力の有る素晴らしい文章を書けないといった高尚なことではなく、凡庸で当たり障りのないシンプルに分かりやすい英文を書けないことなのです。つまり、彼らの書く英文は、多くの場合、文と文のつながりが不明だったり、話が突然に飛躍したりしています。あるいは、設問を無視したり、非常に低レベルの根拠を提示したりします。言い換えれば、文法ミスはないかもしれないが、致命的欠陥のある文章を書いてしまいがちなのです。しかし、そういう欠陥英文を減点法では適切に対処できません。自由英作文という問題の意義は、細かい文法規則をどれだけ守るかではなく、文章全体として意味のある英文を書けるかどうかを測ることに有るのですから。

 

 

 

さてここで致命的欠陥のある英文とはどんなものなのか、説明しておく必要があるでしょう。(英作文の参考書には、稚拙な英文例が載っていることはほとんどありません。しかし、大半の受験生は稚拙な英文を書いているはずです)。箇条書きで書いてみると、次のような英文です。

 

 

 

  • 同じ表現やフレーズを繰り返し使用する英文
  • あまりにも無内容な議論を繰り広げる英文
  • 問題文の問に全然応えようとしない英文
  • 文と文とがつながっていない英文

 

を指しています。もう少し具体的に見ていきましょう。

 

 

 

「無内容な議論」とは?ーー「Aを好きだから、Aが良い」は駄目です。

 

次のような問題を想定してみましょう。

 

問 ” The seashore or the mountain? Where do you want to spend your summer vacation? Choose between the two and give a reason.” (夏休みは海で過ごしたいですか、それとも山で過ごしたいですか。2つのうちの一つを選び、その理由を一つ述べなさい)。

 

答 ” I like to go to the mountains because I like the mountains. Moreover, I do not like the seashore.” (山が好きなので山に行きたいです。それに海は好きではないからです)。

 

どうでしょうか?「Aが好きだからAをしたい」というのは、あまりに無内容な論理展開ではないでしょうか。しかし減点オンリーの採点方式では、うまく対処できません。これは困りますね。

 

ここでは、なぜ山に行きたいのかを具体的に述べておく必要があったのです。たとえば、” I like to go to the mountains because I feel happy when I am walking or climbing in the mountains”(私は山に行きたいです。というのは、山を歩いたり登ったりするのは楽しいからです)といった具合に書かなければならなかったのです。「山が好きだから」を根拠にするのではなく、山が好きな理由を具体的に提示しなくてはならないのです。

 

「好きだから、好き」のような無内容な英文は、ちょっとあり得ないように見えるかもしれません。しかし英語で文を書こうとすると、日本人の多くは頭がとても悪くなり、こういう英文を平気で書いてしまいます。だからこそ、凡庸だがまともな英文を書ける受験生を評価できるような採点方式が求められているはずなのです

 

 

もう一度、2つの答案を比べてみてください。

 

問「あなたは夏休みに山に行きたいですか、それとも海に行きたいですか、理由を一つ挙げて説明してください」

 

答1「私は山が好きなので、山に行きたいです」

 

I like to go to the mountains because I like the mountains.

 

 

 

答2「私は山歩きは楽しいので、山に行きたいです」

 

 I like to go to the mountains because I feel happy when I am walking or climbing in the mountains

 

答1と答2に同じ点数をあげられるでしょうか。仮に文法や表現上のミスを減点する減点式だとすれば、上記2つの英文にさほど差はつかないでしょう。しかし、それでは「自由英作文」を試験に出す意味がありません。答1のようなクダラナイ英文には、むしろ0点くらいが相応しいのです。減点オンリー方式の採点法がありえないと考える理由がここにあります。

 

 

 

「文と文が適切につながっていない英文」とはーーー[結論⇨理由]が出来ない。

 

文と文とが分かりやすく繋がっている英文を書けない生徒は、非常に多いですね。あまり話題になることは少ないですが、自由英作文の指導者を密かに悩ませている大問題になっているはずです

 

 

例えば、英作文である事柄について自分の意見を書くよう求められたとき、最初に結論(主張)を書き、その後にbecause(・・・だから)と理由を述べる文を続けるのが定型ですが、何故か理由を書くのではなく、別の話題を唐突に持ち出してしまうことが多いのです。あるいは、for example (例えば) と書いてあるので、具体例が来るのかなと思って読み進めると、全然別の話題が出てきて、読み手(採点者、指導者)を困惑させたり、いらいらさせたりするのです。しかしほとんどの学習者は、それがどうしてヒドイ文章なのか、なかなか理解できません。次の例を見てください。

 

 

問「なぜ太陽光調理器(太陽光を銀紙で反射させ、その力で水を沸かせる装置)は便利な道具なのか、その理由を説明しなさい」” Give some reasons why solar cookers are very convenient and helpful? “

 

答「太陽光調理器はとても大事です。なぜならば途上国では沢山の子供が不衛生な水で死んでしまうからです」” Solar cookers are great because a lot of babies and children in developing countries die from drinking dirty water” 

solar-cooker

 

 

日本人受験生が書きそうな典型的な駄目英文です。唐突に子供の死の話題が出てきましたが、これが駄目なのです。太陽光調理器の優れていることと子供の死との間に、いったいどのような関係があるのか、全く意味不明です。採点者としては、解答者は文と文との繋がりの重要性を理解できていないと判断し、低い点数をつけることになるでしょう。また、こういう駄目英文で満点が取れるようであれば、わざわざ自由英作文を学ぶ意義などありません。

 

 

ではどう書けば良かったのか、念のために簡単に説明しておきますと、「太陽調理器は大事だ。なぜならば」の後に、「太陽光調理器を使えば、途上国の子供の死を減らすことができるからだ」” because solar cookers can save many children’s lives in developing countries” とか「太陽光調理器を使えば、燃料費不要で水を煮沸することによって、安全な水を大量に供給できるようになるからだ」” because solar cookers can supply a lot of drinkable water without using any fuels” などとします。そしてその上で、背景説明(途上国で不衛生な水のために乳幼児の死亡率が高いなど)を「後から」付け加えていくと良いのでしょう。(最初に背景説明を書いたら、零点です)

 

 

 

最後に

自由英作文を書くときに、文法や語法のミスを減らすのも確かに大事なことです。しかし、それ以上に求められているのは、「Aが好きだからAが好きだ」のような無内容な論述を脱し、一つひとつの英文を適切に並べていく力、全体として何を言おうとしているのかよく理解できる英文を書く力なのです。自由英作文の採点方法も、当然のことながら加点方式を重視しているはずだと繰り返し強調しておきます。

 

 

 

 

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2022/04/10

英作文の学習ルート(1)ー基本例文暗唱段階ー

英作文の学習の仕方が分かりにくいとか、やろうとしても難しすぎて挫折しやすいという人は、かなり多いはずです。そこでシリウス英語個別指導塾での長年の指導経験から、英作文力あるいは英語ライティングの力を養成し、大学入試や英検準1級・TEAP(=上智大学・立教大学などに対応できる4技能の能力を測る英語試験)などに対応する学習ルート、それも出来るだけストレスが少なく継続しやすい学習ルートを、三つの段階に則して具体的に示してみましょう。

 

あらかじめ、英作文学習の三つの段階を示しておきますと、以下のようになります。

 

 

 

第一段階 基本例文暗唱段階(英語の直訳的日本語を英文に変換できる段階)

(中学~高校1の基礎英文法完成)
第二段階 和文英訳段階(複雑な和文や日本語的日本語を英訳できるようにする段階)入門編,発展編(大阪大学や京都大学、国立医学部一部など)

 

 

第三段階 自由英作文段階(一文と一文の繋がりを考えて、まとまった意味のある英文を作る段階)(英検準1級、TEAP, 北大、東外大、東大、一橋、慶応経済・医学部、早稲田政経・法学部など)

 

基本的には第一段階⇒第二段階⇒第三段階と一歩いっぽ進めていきますが、学習者の学習蓄積や課題(入試の種類)に応じて様々なヴァリエーションがあります。

 

例えば東工大志望者であれば、第1段階⇨第二段階入門レベル、京大志望者であれば第一段階⇒第二段階発展レベル)、英検準一級受験者や東大志望者であれば、第一段階⇨第二段階入門⇨第三段階といった具合に進めていきます。また、ある程度基礎力のある高校生であれば、第一段階を飛ばし、いきなり第二段階にはいり、第二段階⇒第三段階と進めることも可能でしょう。

 

そしてちょっと残念なお話となりますが、第三段階の訓練がどうしても短期的には無理な生徒さんもいらっしゃることも、前もって申し上げておきます。(英語力不足、教養不足、日本語力不足などの場合)。なお、TOEFLや海外留学を考えている学習者は、第三段階を早く卒業して第四段階へとお進みください。(当塾では対象としません)。
まず今回は、第一段階(和文英訳基礎段階)から説明していきましょう。

 

 

英作文の学習ルート(第一段階 基本例文暗唱段階)

 

英作文の一番最初の段階ですね。

 

 

学習時期中学1年生で英語を最初から始めるならば2-4年間くらいで終えられます。ある程度以上は基礎文法は分かっているぞという高校生ならば、半年-2年で習得できるでしょう。しかし、くれぐれも受験直前から始めようとは思わないこと。要するに、高校一年生レベルくらいまでの基礎英文法をしっかりと身に付け、同時に英作文(和文英訳)もできるように訓練しましょうという段階です。

 

 

学習ポイントを箇条書きにしておきましょう。

 

  • l 英文法の最低限の理屈を覚える。
  • l 英文を直訳的和訳できるようにする。また、直訳日本語に馴染む。
  • l 直訳的和文をみて、それを瞬時に英語に変換できるようにする。
  • l 英語例文を音読暗唱する。このとき、英単語意味のかたまり文法音やリズムによく注意する

 

 

最後の英語の音読だけは太字にしておきました。というのは、とくに中学生の場合、流暢に英語をぺらぺらと暗唱していたとしても、頭の中がスカスカの場合がかなり頻繁にあるからです。つまり、一つひとつの英単語や、英単語が作る意味のかたまり(チャンク)の意味を全然考えないで、きれいに音読したり暗唱したりしているかもしれないのです。これはオウムやインコが人間の言葉を覚えたり、歌詞の意味も分からないのに洋楽を覚えたりするような「勉強法」です。意味を考えずに音読すると、頭が疲れないし、とても楽チンなので、その誘惑は強いみたいです。しかし、もちろんそんな風な音読をしても、英語力養成には全然役立ちません。これは絶対駄目な勉強法ですから、注意して見守る必要があります。スカスカ音読をしないかどうかをチェックするのも、プロ英語講師の使命です。

 

なお直訳的和文とは、英語を直訳したような和文で、日本語の単語が英単語にほぼ一対一に対応しているものです。たとえば、「あれが、あなたが話していた男ですか」のような和文です。この場合は
「あれが・・・ですか」 ⇒ Is that?
「男」         ⇒  the man
「あなたが話していた」 ⇒ of whom you spoke 

 

以上を総合すると、すぐに英文を組み立てられます。

 

Is that the man of whom you spoke?

 

 

あるいは、「何が彼女にそんなことをさせた」という和文であれば、

「何が」は、「何」はWhatで、これは主語になるので、一番先頭に配置し、
「彼女にさせた」は使役表現の動詞でmade her doになり、主語の次に、
「そんなことを」は、目的語ですから、動詞の後にsuch a thingを置くと瞬時に判断し、

 

What made her do such a thing? とすぐに英語にできるように訓練します。
ところで「何が彼女にそんなことをさせた」という和文は、ちょっと不自然ですね。これが直訳的和文なのですが、この段階では、こういう不自然な和文、つまりちょっと英語みたいな変な日本語で良いのです。そのまま英訳しやすいから無理な負担がかかりません。丸暗記不要で覚えやすいのです。そして、この英語みたいな日本語も一緒に覚えてしまいしょう。

 

別の言い方をすれば、純和風の日本語表現を英文にする能力は、この段階では全く求められていないのです。例えば、「猫の手も借りたい」だとか「なかなか寝付けなかった」といった表現を、英訳してみる必要はありません。むしろ、入門段階でこういう難解な(=意地悪な)問題に取り組ませるのは有害だと断言しておきます。

 

また、時に無責任な学校教師が、中学生や高校1年生などに対し、自由英作文を課したりすることが有るようですが、真面目に頑張る必要はありません。仮に苦労して書き上げたとしても、添削指導はおろか読んでくれさえもしないでしょうから。

 

 

お勧めする例文暗唱用のテキスト・問題集(参考書)

 

シリウス英語個別指導塾では例文暗唱のテキストとして、『シリウス発展編』を用いています。ただし指導者がいない場合はお勧めできません。分厚すぎて、一人では挫折するのは必至だからです。

 

独学者であれば、公文の『くもんのハイレベル中学英語ー文法・作文 スーパーステップ』の英文が良さそうに思われます。量が多すぎず、また英文が難しすぎないからです。

 

問題集(参考書)に取り組んでみたいという人がいましたら、宮崎尊『宮崎の今すぐ書ける英作文(和文英訳編)』の第1部と第2部(10-51頁)はどうでしょうか。易しい和文英訳のコツを学ぶことができるでしょう。ただしこの本だけでは、第一段階の課題をマスターすることは出来ません。ボリューム不足で網羅性に欠けるからです。なおこの本の主要部分は第三部(53-226頁)で、難解な和文英訳の入試問題に導いてくれます。

 

 

次回は、英作文の学習ルート第二段階、和文英訳応用段階についての解説をします。

 

 

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2022/04/08

シリウス英語個別指導塾の推薦する英語辞典

2022年4月現在、高校生・大学生・社会人に当塾が強くオススメする英和(和英)辞典アプリと英単語アプリを紹介しておきます。
以前にも「当塾推奨の英語の辞典:(2)高校上級向きの英和辞典という記事で  書きましたが、英語の辞書としてもっとも使いやすいのは電子辞書ではなく、iPhoneやiPadのアプリです。そしてその中でも一番評判が良いのは、物書堂さんの製品なのですが、物書堂さんは2022年4月25日までセールをしています。是非とも購入すると良いでしょう。ちなみにシリウス英語個別指導塾のイチオシは、『ウィズダム英和・和英辞典です。お値段も何故か最もリーズナブルですね。(セール価格が2,080円(税込)[通常価格4,040円(税込)])

 

 

なお、英単語のアプリ(『英単語ターゲット1900』『英単語ターゲット1400』など)もセール中ですので、よろしかったら検討してみると良いでしょう。アプリだけでは単語は覚えにくいですが、半分くらい覚えた段階で使うと非常に効果的ですよ。

 

 

 

 

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2022/03/30

オンライン授業と対面授業、どっちがいい?

 

世の中がコロナ禍に見舞われすでに丸2年が過ぎました。当塾もそれまで(特別な事情がある場合を除いて、)完全に対面授業であったものを、ほぼ全面的にオンライン授業で実施していた時期もありました。現時点では、コロナ感染防止への対処法も少しずつわかってきましたし、やはり対面がよい、というご要望もあり、対面とオンラインの割合は半々といった状態です。

 

 

そこで、対面授業とオンライン授業どう違うの?どっちがいいの?という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思いますので、その両方を経験して感じたことをまとめておきたいと思います。

 

 

 

オンラインのメリットとしては、わざわざ塾に出向かなくてもよいということが挙げられます。部活で忙しい人や出不精の人でも受講が可能、また天気が悪い時(大雨大雪台風など)でも休むことなく授業を受けられるというメリットがあります。

 

 

我々もコロナ禍以前から居住地が遠く通塾が困難な方などにオンライン授業を行っていたことがあり、対面もオンラインもさほど差はないと感じていたこともあります。しかし、この二年ほど色々な生徒さんにオンライン授業を行ってでた結論は、対面授業の方がよい、というものです。

 

 

オンライン授業ではやはり限界があります。個々の生徒さんにもよりますが、対面授業の効果の恐らく8割くらいに生産性(効果)は落ちると思います。

 

 

例えば、何か文法の説明をしながら、「○○をメモして」とか「~に線を引いて」とか細かい指示を出すことがよくありますが、実際に対面で生徒さんの様子を見てみると、とても小さい字でしかも鉛筆で、チョロチョロッとメモするだけだったりという場面によく出くわします。授業中に私たちが「メモして」という内容はその子にとっては最も大事なことです。テキストに書かれていないことで大事なことや、「その子」が出来なかった部分に対する解説を「メモして」といっているわけですから、鉛筆でチョロチョロではダメなのです。

 

 

あとで見直してしっかりとそこを復習する仕組みを作るためには、「この部分は太いマーカーで塗りつぶして」とか、「この部分に下線を引いてその説明を青のボールペンでここに書いて」といったような細かい指示が必要です。対面だとそういった細かいことを色々と補足してあげることができます。生徒たちは一人一人違うので、私たちが出す指示に対しても実に様々な反応をします。その反応を見ながら、臨機応変にまた私たちが新たな支持を出す、といった具合に、個々の生徒の反応に合わせた対応、流動的な生きたやり取りこそが大事だと感じます。やってみればわかりますが、オンラインではここまでのきめ細やかさは不可能です。

 

 

手元を映す書画カメラのようなものはあるではないか、といった反論が聞こえてきそうですが、やはり細かい指示やニュアンスといったものは、対面で手取り足取り教えなければなかなか正確かつスムーズには伝わりません。また、対面ならば、生徒さんのテキストやノートを直接指さしながら指示や説明ができますが、オンラインだとその全てを言葉のみで伝えなければなりませんので、誤解が生じやすいですし、それを無くすように配慮することで、お互いに勉強以外の余計な部分でエネルギーを消耗します。効率が悪いことは間違いありません。実際、状況に応じてオンラインと対面の両方をやっている生徒さんがいますが、「対面の方が伝わりやすい」と言っています。

 

 

 

もちろん、対面授業を通して勉強の進め方、メモやノートの書き方などが細部にわたってしっかりと身に付き、更にはお互いのコミュニケーションの癖―我々が一体何をポイントにして授業を行っているのか、その核心部分―を十分熟知した後にオンラインに切り替える場合や、かなり学力が高く主体的に授業を受けることができる場合などは、さほど大きな違いはないかもしれません。

 

 

それでもやはり、生身の人間の対面でのやり取りに勝るものはない、というのが現時点で私たちが感じている感想です。(これは両方を実際に体験してみないと実感するのは難しいことかもしれません。)

 

 

今はネットでのオンライン授業を供給しているところも増えましたし、当塾でも対応はしていますが、確実に成果を上げたいと強く望まれる場合は、対面授業をお勧めします

 

 

 

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2021/07/15

英検準一級の易化ーー英検の2021年現在(その1)ーー

 

ちょっと前までは英検準一級はかなり難しいテストでした。東大や早慶を本気で目指す高校生がなんとか合格できるかどうかというレベルで、日本育ちの普通の高校生にとっては一番難しい英語資格試験だったのです。この試験に合格しても直接大学受験には関係ありませんでしたが、当塾としても大いに推奨してきたものです。

 

ところが2020年ごろから、英検準一級がガクンと易しくなりました。どれくらい易しくなったかといいますと、東大や早慶はちょっと無理だろうなという高校生でも合格できるくらいに、つまり、GMARCHや北大・筑波大志望者が合格できるくらいのレベルまで易しくなったのです。今回は、英検準一級がどのように易化したのかを少々掘り下げてみましょう。英検はご承知のとおり、一次試験で「読む」「聴く」「書く」の能力を、二次試験では面接で「話す」能力を試験します。ここでは特に「読む」と「話す」「書く」に注目してみます。

 

 

「読む」またはリーディングの試験の易化

 

かつての英検準一級の最大の難所は「読む」(リーディング)の分野でした。この分野は語彙力と英語長文読解の選択問題からなっていますが、どちらも高校生にとってはかなり難しい問題でした。とくに語彙(単語)の問題は、東大等の難関国立大学志望者にとっても少々難しいものでした。東大等の国立大学の入試英語は、早稲田・慶應のような私大英語と比べると易しめの英単語しか出てこなかったからです。つまり、英検準一級に合格するためには、早慶レベルの高度な英単語をガッチリと覚えなければなりませんでした。

 

ところが2020年くらいからは、難しい単語が語彙試験で出題されなくなります。英語長文問題に出てくる単語も易しくなりました。英検準一級がGMARCH等の受検生にも取っ付きやすくなった最大の理由は、「読む」(リーディング)の試験の易化にありだと言っても良いでしょう。

 

ですから、英検準一級に受かるには、GMARCH対策用の英語長文問題集、たとえば『英語長文レベル別5』(東進ブックス)や『関正生の英語長文ポラリス2』(kadokawa)といったものをしっかりとこなしていけば良いという風になったのです。

 

尚、英検準一級対策の単語集として定評のある『英検準1級 でる順パス単』(旺文社)ですが、2021年6月には5訂版が登場しました。この新しい英検準一級対策の英単語帳も、大幅に難易度を下げたようです。最近の英検準一級の試験に出てくる単語が易しくなったので、英単語集もそれに対応して易化したということのようですね。なお、アマゾンの読者レビューも参考になりますので、ご興味がある方はお読みください。

 

 

 

 

書く」またはライティングの試験の甘い採点

 

 

英語を「書く」(ライティング)、つまりいわゆる自由英作文の分野なのですが、日本人英語学習者にとっては、本来は最も難しい課題の一つです。自由英作文の課題は、たとえば「大企業は社会に好ましい影響を与えているという見解について、あなたの考えを論じなさい」(2021年第一回)といった少々お堅いテーマについて、120〜150単語で論じるものです。大学入試で言えば、早稲田大学政経学部、一橋大学、慶應大学経済学部でも出題されそうな、非常に難易度の高い問題です。普通に考えると、日本語でも少々手こずる人が多いでしょう。

 

 

 

これらの問題について、もしまともに対策するとしたら、大矢復『大学入試英作文ハイパートレーニング自由英作文』(または成田あゆみ『自由英作文編・英作文のトレーニング』)とロゴポート『最短合格! 英検準1級 英作文問題完全制覇』の2冊をマスターすべきでしょう。(このとき大矢または成田で英語の書き方を学び、ロゴポートで書くべき英文を覚えてしまうことが望まれるとも付け加えてアドバイス出来るのかもしれません。)しかし、現実には、これらの自由英作文の参考書を独学でこなすのはほとんど不可能です。そればかりか、英語の書き方を解説し、かつ生徒の英文を丁寧に添削してくださる先生に恵まれたとしても、選ばれた高校生でないと太刀打ちできないかもしれません。

 

 

ところが、なぜか不思議なことがあるのです。理論的には上記のようにライティングは非常に難易度の高いテストですが、実際の英検の「書く」試験ではかなりの高得点を期待できるのです

 

採点基準は公開されていませんが、とにかく非常に甘い。(←これは、今に始まったことではなく、ずっとそうです。)当塾の生徒さんの場合も得点率が93%やら100%だったりします。彼らの書いた英文の添削指導をしている立場からするとちょっとビックリなのですが、確かな事実です。おそらくは英検の「書く」(ラィティング)の試験は、英検側が受検者に随分と下駄をはかせてくれる仕組みがあるように思われます。

 

ですから、完璧主義や不安感は捨てて英検に挑戦するのが良いようです。英文法ミスやスペリングの間違いにさえ気をつけていれば、ある程度支離滅裂な文章を書いたとしても、高得点の可能性があるからです。

 

 

なお、当塾の生徒さんに自由英作文の添削を2-3ヶ月実施したところ、「書く」(リーディング)の試験で前回78%だったのが、93%まで急上昇しました。その結果、前回は英検準一級の試験で不合格だったのですが、今回の試験では英検準一級の上位合格者となり、CEFR判定で「B2」を得ることも出来ました。「B2」というのは、「B2:実務に対応できる者・準上級者」と評価される英語使用者ということです。受検者からみればビッグ・チャンスですね。高校生のうちに、将来の英語実務者レベルと評価される得点をとってしまうのも悪い考えではありませんね。

 

 

ただし、有頂天になるのは禁物です。少々英検の試験の採点が甘すぎるということは、くれぐれも忘れないでほしいと思います。この甘い採点を利用できるときにうまく利用できてラッキーくらいに考えてください。とはいっても、念の為に付け加えておきますと、「書く」で93%の得点を取った生徒さんは、河合塾の全統記述模試では、コンスタントに偏差値70以上の成績を取れるくらいの英語力はあります。以前の準一級のレベルは、河合の模試で偏差値70あるところがスタートライン、そこから更に単語や読解の研鑽を積む必要があったのですが、今はそれくらいあれば割と合格しやすいということのようです。

 

 

 

「話す」またはスピーキング試験も甘い採点

 

「話す」試験は、ある意味では英検の最大の売り物です。大学入試では国公立大学でさえ「話す」能力の試験はないのですから。しかし結論的に言えば、「話す」試験の採点基準も大甘だと断言して良いと思います。2011年までのやや古いデータですが、英検準一級の二次試験である面接試験(「話す」)の合格率は85%前後となっています。その後のデータは明らかにされていませんが、採点基準が下がりはしても、上がることはないでしょう。

 

日本では英語を「話す」のは特別に難しいことと思われがちです。たしかに例文暗唱や教科書の音読を普段からほとんどしていない受検験生にとっては、英語を「書く・話す」は非常にやっかいです。彼らは英語を口から発したことがないのですから、試験官の前で黙ってしまう可能性があります。もちろん黙りこくれば、不合格は免れません。しかし、例文暗唱と音読練習を重ねてきた英語学習者であれば、英検準一級の面接はそれほど難しいとは思えません。いわゆる英語ぺらぺらでなくても十分合格できるのです。当塾で頑張っている生徒さんで、英検準一級に合格するためだけならば、「話す」ための特別な訓練をしたり、オンライン英会話に加入したりする必要はないだろうと判断してはいます。

 

 

自信がないという方の為にお勧めの対策法を紹介しましょう。ズバリ、日頃から英語で独り言を言うようにしてみることです。さらに、脳内面接官と英語で独り言問答をするのが一番効果的でしょう。あまり人がいないところを一人で歩き、面接官とのやりとりを想像しながら独り言問答をするのです。苦しくもあるかもしれませんが、継続すれば非常に勉強になります。

 

もちろん当塾でも、希望者には模擬面接を何回か実施いたします。

 

 

また高得点合格を狙うのであれば、オンライン英会話などをしてみるのも一つの方法です。しかし大学受験生でしたら、それは大学合格後に始めたほうが良いでしょう。英検準一級の「話す」の採点基準はは大甘ですから、ご安心ください。

 

 

最後に
以上のように、英検準一級のテストは易しくなりました。ですが皆さん如何だったでしょうか。おそらく多くの人は、英検準一級が難しいのか易しいのかよく分からないという印象を持たれたのではないでしょう(笑)。実は、その通りなのです。英検準一級はかなり易しくなった。とはいえ、そこそこ難しいのが英検準一級なのです。そこで、分かりやすく言い換えると、冒頭でも書きましたが、英検準一級は早慶志望者向けの試験からGMARCH志望者向けの試験になったということです。GMARCHレベルといえば、ある種の人たちからするとそう難しくはないだろうし、ある種の人たちからすると、まだまだ非常に難しい、というレベルですよね。そういうことです。

 

 

次回のブログでは、英検が易しくなった背景と、高校生・受験生の英検の利用の仕方について説明をします。どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

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