日々中高生の皆さんと英語を勉強していて、成績が上がりやすい人と少し時間がかかってしまう人の違いというのがいくつかあると感じていますが、今日はその一つに焦点を当てて簡単にまとめておきたいと思います。
それは、自分の思考の道筋をちゃんと言語化できているかどうかということです。(これは英語の勉強に限ったことではなく、あらゆる勉強に共通して言えることですが、)
例えば、I am reading a book.という英文を訳しなさいと言われて
「私は本を読んでいるところです。」と訳したとします。では「なぜそう訳したのですか?」と質問すると、答えられない場合が少なくありません。とても不思議に思うのですね、何も思わずに、頭が空白のままでなぜこの英文を読んで正しく訳すことができるのだろう?と嫌味ではなく本当に不思議に思うのです。
皆さんは、5+3=8という計算をする時に、無意識だとしても、「あ、これは足し算だな」と一瞬思っているはずなんです。だから、5に3を足して8という答えが出てくるのですよね?「なぜ答えが8になるのですか?」と聞かれたら「5に3を足す足し算だからです」と答えればよいわけです。その言語化ができない場合がある。「え?何?5+3=8でしょ、何かほかに言うことある?」と困ってしまうわけです。
同じように上の英文も、「あ、これは現在進行形の文だな、それでは現在進行形の英文だとわかる日本語にしよう」と一瞬思っているからこそ上記のような訳になるのですよね?そこを聞いているだけなんです。
つまり、自分の脳が何か作動した、その作動の道筋を客観的に言語化して説明する能力、これをこちらは求めているわけです。ただ漠然とできました、では、ネイティヴなら許されても英語学習初学者にそれは許されません。なぜなら、これからどんどん様々な英文の形を学んでいくわけですから、その一つ一つにラベルを張って自分の脳にきちんと整理して収納していかなければ、やがて脳内はぐちゃぐちゃになり、何か取り出そうとしてもどこにあるやらわからなくて、即座に必要な情報を取り出すことが不可能になってしまうのです。
とにかく普段から、自分が今やっていること、考えていることを、脳内で言語化してみる、それを意識してみてはいかがでしょうか。恐らく、学習効果がはっきりと出てくるはずです。