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プログレス、トレジャー、バードランド対策とは?

『プログレス』は、ある意味では大変素晴らしい教科書です。他の教科書に比べ英語は一番ナチュラルですし、語彙も豊富で、英文法はかなり詳しい。(写真は『プログレス21』のBook3からシェークスピアを取り扱った箇所のもの)。

特筆すべきは、英語圏文化について豊富な話題を提供し、学習者の教養を高めてくれることです。世界文化や地理に関心を持ちながら英語を学習する者にとっては、最高の英語教科書だといって良いでしょう。この教科書でがんばれば、英検準一級や早慶上智の文系学部に合格するための最強の武器となることでしょう。(下の写真は『トレジャー3』からで、10代の少年の不安感を主題化した有名な小説『ライ麦畑』を扱った箇所です。英文学に関心がある中高生に勧められる所以です。他にも、アメリカの短編作家のO.ヘンリーのリライト作品「最後の一葉」「賢者の贈り物」などが多数掲載されています)。

しかし、残念ながら、誰もがこの教科書に向いているとは限りません。小説が好きだったり、社会科が得意な難関校の中学生には面白い内容なのですが、中堅校の生徒の大半にとっては、和訳を読んでも内容が難しすぎるかもしれません。いや、それ以前に、学習進度が速すぎて落ちこぼれてしまう生徒が続出しているのが現状です。中堅未満の私立校で世間体や見栄で『プログレス』を採用している場合などは、ほぼ絶望的な状況が蔓延しています。

『プログレス』でつまずいてしまった場合は、家庭教師または個別指導塾に通わせることを強く勧めます。自力で「プログレス地獄」から脱出するのは、あまりにも厳しいからです。しかし、闇雲に『プログレス』対策の個別指導塾に通えばよいというわけでもありません。大学入試対策をしていないような塾、あるいは、大学生家庭教師に依頼するのは問題外です。そういう塾や家庭教師の講師は端的に英語力不足だからです。しかし、講師に英語力があればそれで良いというわけでもありません。

『プログレス』地獄から脱出するにはポイントがあるのです。ただ黙々とこの教科書の予習や和訳を勉強をするような方法論ではダメなのです。つまり、『プログレス』学習に特化したような英語塾は、残念ながらいくらその先生方に英語力があろうとも避けたほうが無難です。

この教科書から学ぶべき内容については、個々の学力状況や将来の希望などに即して適切に取捨選択していく必要があるのです。捨てるものは捨てるという決断が求められているのです。たとえば、この教科書の文化教養的側面だとか、非常に高度な会話的あるいは文法的技法などは、落ちこぼれていたり、中堅校在校生だったりする学習者が無理に学ぶ必要はないのです。ひとり一人の生徒の好みや能力に合わせて内容を取捨選択する必要があります。しかし、英語を学ぶ上でどうしても避けて通れない課題だけは、しっかりと抑えておく必要があります。それが基礎英文法です。

基礎英文法は、別の参考書・問題集を併用して学ぶのが良いのです。基礎英文法さえ身につければ、『プログレス』などは怖いことはありません。そして場合によっては、しばらくの間(半年~一年)、『プログレス』からちょっと離れるくらいが良いのです。要するに、プログレス対策とはプログレスに特化することではなく、基礎英文法を基軸に総合的な英語力を身につけさせるということなのです。実際、このやり方で、当塾の塾生は校内トップ10-20%にまで上昇しています。

このあたりの詳細については、当塾のブログ記事「英語教科書『プログレス』どうする?」もご覧ください。「プログレスを攻略したければプログレスから離れなさい」という趣旨に沿って、文法学習の方法論について分かり易く説明してあります。





 
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