日本の英語教育では英語を話せるようにならない理由
昔からよく議論されている話題ですが、
残念ながら、間違った推論が幅を効かせてきました。
日本人は文法ばかりやっているから話せないのだ。
子供の頃から英語を勉強していないからだ。
大学入試問題が奇問難問ばかりで、実用英語でないからだ。
英検のような実用英語を重視していないからだ。
ALTの外人講師を十分に活用しないからだ。
私はアメリカの大学で、外国語を「話せる」ようになる講座を受講しましたので、
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間違った推論 ≪文法ばかりやっているから話せないのだ。≫
これは、間違った考え方の代表例ですね。逆です。むしろ、文法力が不足しているから話せないのです。
もう少し詳しく説明します。
(その前に最初に申し上げておきたいことがあります。日本人は英語学習で文法ばかりやっているというイメージは、残念ながら中高年オヤジ的旧式英語教育観に過ぎません。良くも悪くも、かなり多くの中学高校の授業では、英文法はほとんど取り上げられていないからです。多くの(中)高校は英文法の問題集を生徒に丸投げするだけで、実際に英文法を教えているのは、実は塾や予備校なのです。ですから、もし文法中心の教育に不審があるのでしたら、寧ろ学校に英語教育を委ねるべきだと忠告しておきます。)
1.文法を全然知らなかったら、決まり文句と単語を出鱈目に並べることしかできなくなります。
文法を学ばないで外国語を話そうと思ったら、同じ決まり文句をいつも繰り返し発すしか出来なくなってしまいます。”To go, please” ” I’d like coffee”だけの言語生活。。。
あるいは、単語を出鱈目に並べなければなりません。もちろん、そういったことも外国語のコミュニケーションでは、ちょっと便利な技能なのかもしれませんが、英語でそれだけでは残念ですね。
我々に必要なのは、決まり文句を100個覚えることではなく、どんな英文でもその場で作りだせる能力です。そのためには文法力がどうしても必要になるのです。
2.日本人に不足している文法力は、<話し・書くための中学英文法>です。
英文法というと、英文法の4択の問題集を思い浮かべる人がいるかも知れません。『Next Stage』『Up Grade』のような英文法の網羅系問題集がその典型例です。たしかに、この手の4択問題集を繰り返し読んだとしても、英語を話す能力にはつながりません。そもそもあまりにも複雑すぎます。また、所詮は4つの選択肢を選べば良い問題集にすぎないからです。
英語を話したい人がマスターすべきは、大学入試等で求められる難解な文法事項ではなく、もっと基礎的な英文法です。つまり中学英文法ですね。
中学英文法くらいならば、ある程度分かるという人もいるでしょう。あるいは、そんなものは1か月くらいで簡単にマスターできるよと考えている人もいるでしょう。しかし、本当に皆さん中学英文法をマスターしているでしょうか?
一流高校の生徒さんであっても、中学英文法をマスターしていると言える人は非常に少ないのが現実です。記号選択問題で正答が分かる、いちおう日本語に訳せるくらいでは、中学英文法をマスターしたとは言えないのです。少なくとも英語を話すために求められているのは、下の写真のような教科書の基本例文をよく覚え、和文英訳的に英文を自在に作り出す能力なのです。つまり、最低限、<話し・書くための中学英文法>が求められています。
当塾の経験から言えば、教科書レベルの和文英訳が即座に出来るようにをマスターするためには、短くても3-5か月、長いと2-3年かかります。決して短くはありませんが、やる価値の非常に高い、和文英訳でもあり例文暗唱だとも言えます。
一方、従来の普通の英語学習では、どういうルートで文法力を伸ばしていったでしょうか。多くの場合、中学英文法を完全にマスターしていないのにも関わらず、難解な英文法(高校英文法・受験英文法)に突入していました。このように文法を勉強したのでは、話したり書いたりすることは出来ません。しかしながら、文法力が不要だという訳では決してないのです。
間違った推論 ≪子供の頃から英語を勉強しないから話せないのだ。≫
幼い頃から英語を学ぶのは、必ずしも悪い考えではありません。しかし、それなりのハンディがあることを認識してください。
小さな子供や小学校の低学年生は、文法から英語に入ることが出来ません。つまり、要点を能率よくかい摘んで教えてもらうような方法論、つまり文法中心的な英語教育)は不可能です。
文法教育をしないとなれば、大量の英文・英単語を大量に聴かせたり・読ませたりする必要があります。そのためには、マンツーマンか少人数で、毎日何時間か英語に触れさせるのが最適でしょう。
全く英語が出来ない段階ではオンライン英会話授業は使えませんから、生身の人間が教えるのが良いでしょう。ご両親の何れかが英語話者だと理想的です。
念のために付け加えておけば、文科省が進めているような中途半端な小学校英語は、
間違った推論 ≪ALTの外人講師を活用せよ≫
間違った推論 ≪大学入試が奇問難問だからいけないのだ≫
大学入試英語が奇問難問の時代は終わりました。
大学入試に全責任を負わす考え方は、やや不当だといえます。
間違った推論 ≪入試英語が、英検のような実用英語でないからダメなのだ。≫
英検の四技能(話す、書く、読む、聴く)重視には確かに良い面もあります。しかし、英検準一級に合格して上智・MARCHに進学した者に対して、「英語を話せる人」という認定をできるかというと、非常に厳しいと言わざるを得ません。さらに、英検は総じてどの級も、2020年以降大いに易化してしまったことを忘れてはいけません。
英検を評価しすぎてはいけません。
外国語を話すための理想の外国語教育はあるのか?
Yes です。
なにしろアメリカの大学では、
簡単に言えば、次のようなプログラムです。
<少人数教室(10人未満)>
<週五回(2年目は週3回)+復習>
<希望者のみ>
また、「集中言語プログラム」も極めて有益です。(私自身は、
<少人数教室(10人未満)>
<1日3時間・週5回・8週間 +復習>
<希望者のみ>
このような理想的コースがあれば、
もちろん、日本でこのような言語教育のクラスを設けるのは、ちょっと難しいですね。費用が相当掛かってしまうからです。単純計算でも教員の数は3-4倍は必要となるからです。しかも、日本人の英語の先生で、英語を話すことができる先生はあまりいないのですから、完全に教員不足だともいえます。
費用面と人材面の観点からいうと、公教育で英語を話すことができるようにするのは、あまり現実的ではないと結論づけられるのではないでしょうか。
今回はこれまでと致します。次回は、もっと現実的な英語を話すための教育プログラム案について説明します。
(25年8月11日 加筆修正)
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シリウス英語個別指導塾 by 東大式個別ゼミ
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