当塾(シリウス英語個別指導塾)でメインテキストとして採用している**『シリウス発展編』**(育伸社)は、学習塾専用の中学英文法教材です。最も優秀な中学生を対象とする教材ですが、その内容の濃さから、高校生や大人の学び直しとしても十分に通用する傑作教材です。
実際、当塾でも意欲的な中高生に使用しており、非常に大きな成果をあげています。
『シリウス発展編』の構成と難易度
本シリーズは全3巻(Vol.1〜Vol.3)で構成され、各巻24〜25章のボリュームがあります。be動詞や一般動詞といった超基礎から、不定詞、現在完了、比較級といった重要文法事項までを網羅。各章は「文法事項の解説(見開き2ページ)」+「錬成問題」+「発展問題」というストイックな構成になっています。
【難易度について】 中学生向け教材としては間違いなく最高峰の一つです。単純なパズルとしての難易度だけで言えば、『最高水準問題集 特進』(文英堂、なお「特進」のない、単なる『最高水準問題集』と混同しないようにしてください)の方が上回る部分もありますが、『シリウス』の真の優れた点**「英語表現の豊富さと多様性」**にあります。クイズを解くようなテクニックではなく、真の英語力が問われる「タフな教材」と言えるでしょう。
『シリウス発展編』のメリット・デメリット
この教材を検討されている方のために、プロの視点から見た長所と短所を整理します。
◎ 優れた点(メリット)
例文が非常に豊富: 文法学習に不可欠な生きた例文がこれでもかと掲載されています。
計算された反復: 似た構造の例文が適切な間隔で繰り返し登場するため、自然と定着が進みます。
丁寧な和訳(別冊): 別冊解答には全例文の(英文の構造が分かりやすい)和訳が掲載されており、確認に役立ちます。
高い合格実績への直結: 中学のうちにこの3冊をマスターできれば、早慶以上の難関校合格を半ば保証できるレベルに到達します。
発信力の土台作り: 当塾のメソッドで例文暗唱を徹底すれば、スピーキングやライティングの基礎も同時に固まります。
× 弱点(デメリット)
解説の不親切さ: 文法説明が簡潔すぎるため、自学自習には向きません。指導者の伴走が必須の教材です。
一部の古い表現: 例えば「speak ill of 〜(〜の悪口を言う)」など、現代では使用頻度が低い表現や訳語が一部残っています。
音声教材の欠如: 付属の音声がないため、リスニング・発音面での工夫が必要です。
高い要求水準: 学力や集中力が一定以上に達していない生徒には、消化不良を起こすリスクがあります。
判別問題の不足: 動名詞と現在分詞の判別といった、複数章にまたがる「横断的な問題」が少なく、相互参照の指示もありません。
「分かりにくい解説」をどう補うか:当塾の「過去進行形」の指導の場合
今回は、具体例として**『シリウス発展編 Vol.2』第3章「過去進行形」**を取り上げ、当塾がどのようにこの教材を「料理」しているかをご紹介します。
1. 結論を先に、形を明確に
『シリウス』のテキストでは、非常に抽象的で分かり難い表現を用いながら、現在進行形と過去進行形の対比から説明が始まります。(以下のような文です)。
>>現在進行形が、今、その動作・活動が行われていたり、進行中であることを示すのに対し、過去進行形は、過去の時点で、動作・活動が行われていたり、進行中であったことを示す。
このような説明では初学者は滅入ってしまいます。当塾ではまず、以下の**「形と訳」**を徹底的に叩き込みます。
was + 動詞のing形
「〜しているところだった」
テキストの訳は「〜していた」となっていますが、あえて「〜しているところだった」と覚えさせます。これにより、単なる過去形(〜した)との違いを意識させます。そして、生徒のテキストに、以下のように書き込ませ、「過去進行形」とは何かと問われたら、「was+動詞ing」で「しているところだった」という意味だと即答できなくてはいかません。(私立中堅進学校の生徒さんの場合は、(×)「進行形=動詞ing」だと答えるものがいるので要注意)
文法解説の基本の基本は以上で終わりです。
このとき、学習に余裕があり優秀な生徒さんであれば、『シリウス発展編』解説の「過去進行形は、過去の時点で、動作・活動が行われていたり、進行中であったことを示す」(アンダーラインや赤色は私による。生徒のテキストにも、この部分に印をつけてもらう)を講師が丁寧に説明しなくてはなりません。
2. 「過去の一時点」を具体的に示す
テキストにある「過去の時点」という言葉では、実は分かり難い。プロの講師であれば、「過去の時点」と言えるのはどのような場合か、そしてどのような場合は「過去の一時点」とは言いにくいのかを、理解してもらいます。(「時点」の「点」に赤丸をつけてもらいます)。
まずは日本語で次の二つの文の違いを実感してもらいます。「昨日の三時」の行動と、「昨日」の行動を問うのでは、日本語でも大分ニュアンスが異なってきますね。
「昨日の午後三時、君は何をしていた?」
「昨日、君は何をした?」
「昨日の午後三時」のような「過去の一時点」と、「昨日」のような「時間幅」のある過去では、問いかけかたも異なってくることを理解してもらい、テキストの余白に「時間軸上の点」の図を書かせます。「昨日の午後三時」は「点」であり、「過去の一時点」に相応しい。他方「昨日」では「線分」であり、「過去の一時点」ではない。
「過去の一時点」の動作に焦点にあてるときは「過去進行形」になる。
What were you doing at three yesterday?(昨日の3時という「点」)
他方、「過去の比較的時間幅のある線分」に焦点を当てるときには「過去形」になる。
What did you do yesterday?(昨日という「幅」のある期間)
さらには、then や at that time といったキーワードに赤丸をつけさせ、「過去の一時点」であることを強調し、このときには過去進行形になることを確認します。
3. 「動作」と「状態」の峻別
進行形にできるのは「動作動詞(walk, run)」であり、「状態動詞(be, like )は原則として進行形にならない。この区別を、生徒の余力に合わせて解説します。
優秀な生徒には、「人間が立っている(stand)」のは意志と努力が必要な「動作」として進行形になり得るが、「ビルや木が建っている(stand)」のは「状態」であるから、進行形にはならないといった、踏み込んだ学習をします。
4. 「進行中」とは「~している途中」「未完了」である
「進行中」の概略的な意味は、和訳(~しているところだった)で伝わりますが、これだけでは分かり難い。ですから、「~している途中」「未完了」といった書き込みを指示します。
ここで余裕がある生徒であれば、さらに突っ込んだ説明を加えます。 例えば、drown(溺れ死ぬ)という動詞が、過去形と過去進行形ではどのように意味が異なってくるのか。
He drowned.(彼は溺れ死んだ。死んだので、もう助けられない)
He was drowning.(彼は溺れかけていた。つまり、まだ「死は未完了」なので、まだ生きている!)
以上のように、「過去の時点」「動作」「進行中」といった抽象的概念を、具体化して説明します。ただし学習者の理解力と余裕と相談しながら、またノートの取り方等に注意しながら進めることが肝心です。
結び:教材は「使い手」次第
『シリウス発展編』は、そのままでは無骨で不親切な教材かもしれません。しかし、適切な指導者がその行間を埋め、適切な書き込みを促すことで、最強の武器へと変貌します。
当塾では、生徒一人ひとりの理解度を見極め、このタフな教材を確実に「自分のもの」にできるよう、日々熱い指導を行っています。
シリウス英語個別指導塾 by 東大式個別ゼミ
住所:神奈川県相模原市
南区東林間4-13-3
電話番号:042-749-2404
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