
2016/06/12は全国的に英検の試験日でしたね。当塾でも何名かが英検準1級や2級に挑戦しました。みんな試験の手応えはどうだったでしょうか、気になるところです。
さて、ご存知の方はご存知だと思いますが、2016年度、つまり2016年6月から、英検の合格判定方法と出題内容が刷新されました。英検主催者のホームページにリンクを貼っておきますから、ご興味のある方は見ておいてください。
新しい合否判定方法について (←クリック)
2016年度第1回から英検が変わります! (←クリック)
英検の変更内容について、受験者の観点からかいつまんで説明すると、①従来よりもライティング(英作文) の難易度が高まり、②かつその比重が大きくなった。英検を、国際的な英語検定試験の基準に適用させようとする試みのようです。また、発信型英語(スピーキング、ライティング)を重視し、社会人に人気の TOEICに対する巻き返しを図るものだと考えられています。
まず英検で求められているライティング能力ですが、かつての英検2級では、単なる並べ替え問題であり、まともなライティング能力など全く不要でした。実を言えば、英検準一級でさえ、求められる英文ライティング能力は、かなり低いレベルのものだったのです。たとえば、英検準1級の場合、少々不自然な E メールに対して、殆ど箇条書きの英文で100字くらいの返事をすれば良いというものでした。英文の構成を考える必要は殆どありませんでした。
2016年度からは、ワード数が120語~150語に増えるとともに、三つのパラグラフを作り、論理的に組み立てなければならなくなったのです。つなぎ言葉の使い方とか、英文的なロジック展開(例えば、『抽象的命題→具体的事例』といったような展開の仕方)をマスターする必要があります。
英検のホームページのサンプル問題(準一級)によりますと、「小規模経営の商店や企業は、現代社会で生き残ることができるのか」という問いに対し、賛成か反対かを表明して二つ以上の理由を述べる。この際、述べるべき論点として、①経費、②顧客サービス、③経済、④ 伝統的技能のなかから二つ選ぶというものになっています。
さて第二の点は英検の合格基準の変更です。2015年度までは、まともにライティング(英作文)ができなくても合格になる可能性が十分にありました。しかし、そういうことは今後なくなっていくようです。(本当にそうなるとよいなと私共は思っているのですが、どうでしょうか・・・)
当英語塾では、基本例文の暗唱と瞬時に英文を発話する訓練を重視し、授業の中核に据えています。ですから、今回の英検改革は大歓迎です。
我々は今までもずっと、( )の穴埋めや単なる単語の並べ替え問題がいくらできたところで、それは英語の実力とは全く違うものだと生徒たちにも伝え続けてきました。ですから、従来の英検のように実力をほとんど反映しないようなテストには大いに疑問を持ち続けてきました。(生徒たちには単語を覚えさせる機会としてのみ奨励してきました。)ですから、今回のように、英語の実力を真正面から問われるようなテスト形式にどんどんと進化していってくれるというのは願ってもない試みです。大いに歓迎し、今後の状況をしっかりと見守っていきたいと思います。