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塾ブログ 林間教育通信

2016/06/06

大学受験ー英語長文の難易度

 

 

前回、大学受験の入試英語については、大学ごとに難易度の格差があると書きました。今回は、具体的にどんな差異があるのか、特に入試英語の中核である英語長文に着目しながら、ざっくりと説明していこうと思います。(取り上げる大学は、東京・神奈川に限定します)。

 

大学受験ー私大の英語長文の難易度

 

最初に結論を述べれば、ある段階までは大学の序列がそのまま反映し、大学の序列が上がるにつれて英語長文が難しくなります。しかし、GMARCHや早慶上智になりますと、英語長文の難易度は大学序列をそのまま反映していません

 

英語長文は、いわゆる大東亜帝国(大東文化、亜細亜、帝京、国士舘)や、多摩大学、関東学院大学、桜美林大学、東海大学は、比較的易しいと言えます。

 

日東駒専(日本大学、駒沢大学、専修大学、東洋大学)だとかそれに準ずる大学(神奈川大学、玉川大学)になると、ちょっと難しくなります。まずは最初の関門です。日大レベルの大学に合格するためには、英検2級以上の英語力で、センター試験で言えば200点満点中150点以上が必要です。これらの大学のなかでは、日本大学が出す入試問題の英文の内容と語彙がかなり難しいのですが、やはり日本大学の占める大学間の序列を反映しているのでしょう。(例えば、日大の経済学部では、 Britannica の百科事典から「大恐慌」の項目の英文をそのまま持ってきて入試問題に取り上げました)。

 

次の関門は成城、明治学院、成蹊大学、国学院などの大学です。設問は比較的易しめですが、本格的な長文読解力が求められます。語彙や内容も難しくなります。日東駒専とは格が違うのだ、と言わんばかりです。

 

なお余談ですが、安倍総理を輩出した成蹊大学ですが、その英語問題ははっきりとリベラルな政治的見解を支持しています。ですから、もし安倍総理の右翼・保守的政治的方向性を好きだという大学受験生がいましたら、成蹊大学は受験しないほうが良いかもしれません。逆に、安倍総理は大嫌いというだというならば、成蹊大学の入試英語は楽しめるのではないでしょうか。

 

次に来るのは、東京理科大とGMARCH、すなわち、学習院、明治、立教、中央大学が来ます。これらの多くの大学・学部に合格するためには、かなり長い英語長文をぐんぐん読めるようにならなければなりません。成蹊大学の英語の試験では、いくら長文であったとしても、パラグラフ(段落)ごとに設問を解いていけばよい問題が主流です。しかし、GMARCHの場合は、複数のパラグラフからなる長文全体の内容を把握しなければ、問題が解けないようになっているのです。

 

GMARCHは素直で良い英語長文が出題されることが多いと思います。英語を教える立場から見ますと、GMARCHの大学受験で合格する英語力を習得するのはとても有意義です。皆さんにも、最低限はこれらの大学に合格してもらいたいですね。

 

最後にもちろん、早稲田、慶應、上智が来ます。もちろんGMARCHより難しいのです。しかし、純粋により高い英語力が必要だというよりは、むしろ特殊な「受験英語力」が求められている場合が多いようです。記号選択方式で普通に入試英語問題をつくろうとすると、どうやらGMARCHレベルで頭打ちになってしまうのでしょうね。早慶レベルの英語問題を作成するとなると、難問奇問を作成せざるを得なくなっているのだと推察しています。「受験英語」の弊害という言葉が世間にありますが、ずばり、早慶の受験英語が問題なのです。特に名指しすれば、慶応大学法学部の英語入試問題は、大変な難問ばかりです。受験生はかなり辛いですが、教える側にとっても、厳しい闘いとなります。早慶とも忍耐力とウサギ跳び根性が求められます。(後述しますが、早慶の問題が全て難しすぎるわけではありません)。

 

まとめましょう。入試英語の英語長文の難易度は、大学受験のランキングがそのまま反映しており、次のようになっています。

 

 

東海、桜美林=>神大、日大=>明学・成城・成蹊=>GMARCH=>早慶上智

 

 

英語長文の難易度が大学の序列を反映していない場合 (GMARCH

 

最初にも述べましたが、GMARCHと早慶上智では、英語長文の難易度がそのまま大学の序列を反映しているわけではありません。英語長文は易しいのに合格が難しいとか、その反対に、英語長文は非常に難解なのに合格はそれ程難しくない場合があるからです。

 

まずは、GMARCHから見ていきます。さて、GMARCHのなかで人気のある大学と言えば、昔から明治と立教です。偏差値的に言っても他の大学よりも難易度が高いようでます。しかし、この2校の英語長文はそんなには難しくないのです。立教大学などに至っては、むしろ容易な英語長文が多いように思われます。

 

よく考えてみれば簡単に分かることですが、いくら英語長文が易しかったとしても偏差値が高い人気大学なのであれば、それなりの何かがあるはずです。実は立教大学は、問題は易しいように見えても、合格は易しくないのです。実際当塾でも、早稲田や上智に合格した生徒さんが、立教に落ちています。

 

立教大学は、問題は易しいかもしれないが正答率を高くしなければ合格できないのです。普通の大学であれば6割得点すればラクラク合格ですが、立教ならば7割でも不合格でしょう。できたら8割の得点が欲しいところです。いくら英語長文が素直な問題だとはいえ、8割あるいはそれ以上の高得点を取るのは、相当な準備が必要です。易しめの問題を迅速に正確にこなす力が求められているからです。決して甘くみるわけにはいきません。英語は苦手な受験生は、立教大学は断念し、むしろ難問奇問を出す大学を受験した方が良いのです。

 

では、英語長文は難しいが、入試レベルはそれ程高くない大学はあるのかといえば、あります(笑)。法政大学の一部学部ですが、読解問題が非常に難しい。長文としてはかなり短いのですが、相当難しいクイズが出てきます。逆転合格を目指す人に法政が薦められるのは、よく理解できます。英語力はなくても、クイズに強ければ受かる可能性が出てくるからです。(ただし法政大学合格のためには、国語力が求められる)。

 

MARCH のなかで普通に英語長文が難しい大学は、青山学院大学です。「英語の青山」という別名もありますから、当然かもしれませんね。英語長文は語彙も難しければ、内容も難しいのです。特に青山学院大学法学部は抜群の難しさです。確実に東大よりは難しいし、早慶並み、時にはそれより難しいでしょう。たとえば、サンデルの『これからの「正義」の話をしよう』の原文がそのまま入試問題として使われました。青山学院の法学部のほうが東大英語よりも難しいというのは、普通には信じられないかもしれませんが、本当にそうなのです。

 

しかし、GMARCHのなかで人気の高い法学部と言えば、中央の法学部を筆頭に、明治と立教です。青山学院はGMARCHの法学部の中では中下位に位置しているのです。つまり、青山学院法学部の入試英語は、この大学の社会的評価や偏差値のわりには難しすぎるということです。実際、当塾から明治大学法学部、青山学院法学部、法政大学法学部に合格し、明治大学法学部に進学したY君(県立希望ヶ丘高校)の場合、青山学院の英語過去問は難しくて途中で断念させました。(受験学部の過去問を断念させるということは、滅多にありません)。

 

青山学院法学部の受験生は、英語の問題は多少できなくても、他の科目で得点できれば合格できるのでしょう。おそらく青山学院大学法学部に合格し入学する生徒は、英語だけが超得意か、あるいは英語以外の科目で得点を稼ぐことのできる生徒です。英語力については両極端が求められていることになるでしょう。法学部としては英語重視がどういう意味を持つのか、ちょっと不思議には思いますが、ユニークな方針だと言えます。当塾としては、それほど英語だけが超得意、言い換えれば、他教科がまるきりダメな生徒さんがいれば、慶應SFC(総合政策学部、環境情報学部)を第一志望に、第二志望を青山学院大学法学部を薦めたいところです。

 

文章が長くなってしまったので、いったんここで切ります。次回は早稲田、慶應の学部間の差異について書きます。

 

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