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2024/01/09

竹岡『東大要約』と研究社『大辞典』の誤訳(英語教材チェックその2)

エライ先生や辞書にも誤訳あり:権威ある辞書の言葉でも、意味不明な言葉を使わないように注意せよ!

 

英語教材を吟味する(その2):東大要約問題の訳語(続)

 

ーー竹岡『東大の英語 要約問題 UNLIMITED』と研究社『新英和大辞典(第六版)』の誤訳

 

 

 

1.意味不明な不思議な言葉

 

 

我々は、エライ先生の本や、権威のある辞書に書かれてあるものは、絶対に正しいと思い込んでしまいがちです。しかし、もちろんのことですが、いつも正しい訳ではありません。

         

 

前回取り上げたのは、高橋善昭先生『英文要旨要約問題の解法』の東大入試問題(1965年)(←クリック)に所収していたもので、’Industrial Revolution’ という用語を論じたものでした。今回取り上げるのも、実は再度、東大入試の要約問題で、しかも、内容的にも非常に似通ったテーマです。ただし、2019年に出題された問題ですから、2024年現在からみてごくごく最近の英文という感じです。

 

 

 

対象となったのは、現役の有名予備校講師の竹岡広信先生の『東大の英語ーー要約問題 unlimited』から、「38 欧米の子どもの権利の変遷」(2019年の東大の英語入試の要約問題)です。

 

 

 

 

いきなりですが、まずは竹岡先生の要約問題の解答例(和文)から見てみましょう。(東大の英語や設問については、一番最後に付録として添付しております)。

 

竹岡の1 竹岡の回答

大規模産業化以前、児童は、労働力であり親の私有財産だったが、19世紀後半以降社会が守るべき独自の存在とみなされ、国家によって法的に保護され様々な権利が与えられた」

 

 

 

冒頭でいきなり、「大規模産業化」という言葉で始まります。しかし、こんな単語を今まで見たことがありますか。おそらくほとんどの人は初めてということになると思います。広い土地を要する産業というのは、いったい何なのでしょうか? 実際、辞書はもちろんのこと、ネットで調べても、それを意味するような言葉が全然出て来ません。要するに、「大規模産業」という単語は意味不明です。もちろん大学入試の模範解答としては相応しくありません。

 

 

 

 

2.「大規模産業化以前」はPreindustrial の訳語だった。

 

 

そこで英文と対照してみると、「大規模産業」つまりここでは「大規模産業化以前」なのですが、”pre-industrial” の訳語として想定されていたと分かります。それならば、普通に前工業化段階の」とか「産業化以前の」、あるいは「産業革命以前の」と訳してもらいたかったです。

 

 

 

誤訳を正すと

 

 

大規模産業化以前、児童は、労働力であり親の私有財産だった」

 

 

 

→「産業革命以前では、児童は労働力であり、親の私有財産だった」

 

 

 

 

 

 

3.研究社『新英和大辞典(第6版)』が元凶だった

 

 

 

 

しかしそれにしても、なぜこんな訳の分からぬ訳語を、竹岡先生ともあろう人が選択してしまったのでしょうか。もちろん、まずは手元の英和辞典を片っ端から調べてみました。

 

 

 

 

 

すると日本で最も権威があるかもしれない大辞典、すなわち研究社の『新英和大辞典』(第6版)にだけは、Preindustrialの訳語として「大規模産業化以前の」が記載されていました。しかも驚くべきことに、他の訳語(「前工業化段階」「産業革命以前」など)は一切掲載されていないのです。

 

 

 

ぜひ写真を御覧ください。(本来のブログの意図から逸脱してしまいますので、このテーマのさらなる詳細については、一番最後の参考資料に掲載いたしますが、要するに研究社『新英和大辞典(第五版、1980年)』では、「大規模産業化以前の」のような不可解な訳語は掲載されていません)。

 

 

 

IMG_0122

 

 

 

 

 

竹岡先生の誤訳の原因は、おそらくは研究社『新英和大辞典』の訳語をまともに吟味せず、そのまま使ってしまったのであろうと推察できます。

 

 

 

しかし、びっくり仰天はそれに留まりませんでした。よく調べてみると、Industry の訳語は、ほとんど全ての英和辞典で「産業、工業」となっているのに、研究社『新英和大辞典』(第六版、2002年)だけは、「工業」という訳語がないのです。非常に不思議です。はっきり言って訳がわからないです。画像を見てください。

 

industry

 

 

 

 

 

4.「大規模産業」の正体を、英英辞典で探ってみた

 

 

とはいえ、ここで追及を緩めるわけではありません。なぜ研究社の新英和大辞典の第六版編集部が、こんな意味不明な言葉を作ってしまったのか、調べてみました。

 

 

 

一つの仮説ですが、おそらくは英米の辞書のpreindustrialの説明または定義を非常に分かりにくく、つまり下手くそに訳してしまったのではないでしょうかいくつか英米の辞書を調べてみたところ、現在の英語辞典(いわゆる英英辞典)では、イギリスのCollins の辞書に、「大規模」という訳語が登場した手がかりを見つけました。ここでは、オンラインのCollins Dictionary の preindustrial の説明をピックアップしてみます。

 

 

IMG_2753

 

Preindustrial refers to the time before machines were introduced to produce goods on a large scale.

 

 

となっています。 研究社『新英和大辞典』(第六版)に有った「大規模」の元となるであろう “on a large scale”が出てきますね。

 

 

 

Collinsの説明を日本語訳してみましょう。

 

 

「Preindustrial とは、機械を導入して大規模に商品を製造する時代より前の時代を言及する」

 

 

 

どうでしょうか。「大規模産業」と比べると、意味は通じますね。要するに、機械化して大規模生産する、前近代的な手工業でないとい意味なのです。しかし今一つピンとこない表現かもしれません。

 

 

 

5.「大規模産業」をわかりやすく表現すれば

 

 

 

そこで、「機械を導入」と「大規模に製造する」をさらに噛み砕き、漢字で表現します。なぜかこういう表現は、漢字の熟語で表現すると分かりやすくなるのです。また、前回のブログのように、「産業」の代わりに「工業」という言葉を使います。すると、次のようになるはずです。

 

 

 

「Preindustrialとは工場制機械工業が支配的になる以前の時代を指す」

 

 

 

 要するに ”produce goods on a large scale” というのは「工場制」と解釈すべきだったのですそして、” machines were introduced” ですから、全部まとめて「工場制機械工業」と訳してしまえば良い。誰でも意味がわかります。

 

 

 

 

 

最初の竹岡の要約文に戻ると、次のようになります。

 

 

 

工場制機械工業以前の時代では、児童は、労働力であり親の私有財産だったが、19世紀後半以降社会が守るべき独自の存在とみなされ、国家によって法的に保護され様々な権利が与えられた」

 

 

 

「工場制」等の言葉はちょっと重すぎるような気はしますが、一つの解答例とはなるでしょう。

 

 

とはいえ、preindustrial (またはpre-industrial )の訳語であれば、受験生であれば「産業革命以前では」または「産業化以前では」と訳すようにと、私ならば推奨するでしょうか。

 

 

 

もちろん、「工業化以前」では、あるいは「前工業化段階では」でも、もちろん構わないと思いますが、頭の固い英語の先生だと、バツになるかもしれませんから、やめたほうが良いかもです。(イギリスの場合は「産業化」が良いけれど、後発国は「工業化」だとか、面倒くさい議論があるので、立ち入らないほうが無難ですから)。

 

 

 

まとめ

たとえ研究社の辞典であっても、あるいは偉い先生の本であっても、吟味せずに無批判に使うのはやめましょう、ということです。先生であっても、訳のわからないまま、「作業」しちゃうことがあるからです。自戒の言葉でもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考資料

 

 

東大の入試問題は以下の通りです。

 

 

 

IMG_0125

 

 

 

 

 

他の英英辞典

 

 

 

他のCollinsの辞書、例えば ”Collins COBUILD Advanced American English Dictionaryの”preindustrial”では、Preindustrialについては同様の説明でした。

 

 

IMG_2754

 

 

 

 

ブログ執筆後、Oxford Learner’s Dictionary of Academic Englishにも、“pre-industrial “の説明で参考になるのがあると判明しました。

 

IMG_0128

 

 

 

 

 

この場合、”large-scale industry”ですから、”preindustrial” は「工場制工業以前の」という訳語になるでしょう。

 

 

 

しかし、多くの辞書の場合、”large scale”といった言葉は、その説明(定義)にはありません。

 

 

Collins English Dictionary & Thesaures, preindustrial=of a society, age,etc, before industrialization (産業[工業]化以前の社会や時代の)

 

 

Webster’s New World College Dictionary, of a period before industrialization specif. before the Industrial Revolution (産業[工業]化以前とくに「産業[工業]革命」以前の時代の)

 

 

American Heritage Dictionary, of a society that is not industrialized (まだ産業[工業]化していない社会の)

 

 

Merriam-Webster.com、not industrialized (産業[工業]化していない)

 

 

 

CollinsEnglish

Ameheri

 

Merriam-webster

 

 

 

 

 

 

研究社『新英和大辞典』(第5版、1980年)の場合

 

 

参考のために、手元にある研究社『新英和大辞典』(第5版、1980年)をチェックしてみました。

 

 

すると、

 

  • preindustrial=『産業化以前の」
  • industrial = 「生産業の;産業による;工業用の」
  • industry = 「生産業、産業、実業;製造工業、工業;○○業」

 

となっています。非常に普通の訳語です。

 

 

つまり、第六版(2002年)になって、Preindustrialの訳語が大きく変わったのでした。

 

5ed

 

 

preind

 

 

industrial-1industrial-2

 

 

industry

 

 

 

 

 

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2023/08/29

東大英語の要約問題の誤訳 (高橋善昭『英文要旨要約問題』) ーー英語教材チェックーー

英語教材を吟味する

 

 

私たち個別指導の講師たちは、普通、生徒向けの教材を作成したりしません。市販または学習塾向きの教材を使用することになります。しかし、私たちのようなプロ講師は、無批判にそのまま使ったりはしません。

 

 

説明が不充分だとか、解説文が分かりにくい箇所があるといった場合もあります。しかし厄介なのは、答えや解説がそもそも間違っているとか、例文が不適切だったりする場合です。英語の場合は、第二次世界大戦以前の古い表現だったりすることも稀ではありません。

 

 

また、超有名な英語の先生の著作、例えば、竹岡先生だとか関先生の本でも、やっぱり間違いや勘違いはありますね。

 

 

今回から、何回かにわたって、英語教材のミスや不適切な解説などを取り上げる文章を時折書いてみることとします。 最初に取り上げるのは、東京大学の英語入試問題で、英文読んで日本語で端的に要約する問題の解答例です。大御所の大先生ばかりとなりますが、明らかな誤訳が見つかりましたので、明らかにしていきます。

 

 

 

高橋善昭『英文要旨要約問題の解法』(駿台文庫)—東大入試の要約問題(1965年)のindustrialの訳語

 

 

高橋善昭先生と言えば、ちょっと昔ではありますが、駿台の名物先生の1人で、英語科主任(1991-2003) を担当していた実力者です。今回取り上げる高橋善昭『英文要旨要約問題の解法』(駿台文庫、2001年)は、今なお現役のロングセラーとして知られています。

 

 

しかし、本書の解答例を丁寧に吟味すると、ちょっと腑に落ちない箇所が出てきました。part Ⅰ -03「何を書くか」で取り上げられた東京大学の1965年の英語要約問題です。

 

 

結論を先取りして言えば、高橋先生がちょっと致命的な誤訳をし、その結果、要約文(模範解答)が何を言いたいのか、不可解なものになってします。

 

 

まずは東大の問題を提示しておきます。

 

「次の文を読み、’Industrial Revolution’ という用語が必ずしも適当と考えられない理由を60字から80字までの字数で書け」です。 (英文は少々長くなりますので、ブログの最後に掲載しておきます)。

 

 

これに対する高橋先生の解答は、以下の通りです。

 

(a) 産業化は

(b) 斬新的過程なので、

(c) 「革命」より

(d) 「進化」が適切であり、

(e) 産業面の変化は

(f) 社会の全分野の変化と不可分なので

(g) 「産業」も適切ではない。

 

 

どうでしょうか。この要約文の意味がすんなりと頭に入ってきたでしょうか。おそらくほとんどの人は、文章の後半の(e)~(g) が、一体何を意味しているのか、分からなかったはずです。

 

 

もう一度、高橋の要約文の後半部を繰り返し書いてみます。

 

産業の変化社会全分野の変化と不可分なので『産業』も適切でない」。

 

 

「産業の変化は社会全分野の変化と不可分なので」は違和感はありませんね。しかし、後半の「産業」が不適切だと言う結論は意味不明です。

 

 

 

この部分の根拠となる箇所を、高橋の訳文で参照してみましょう。

 

 

「産業面の変化を人口、運輸、農業、社会構造面の変化と切り離すのは不可能なのであるから、何故に『産業』なのかと言う疑問が出てくるのである」。

 

 

この訳文もやはり意味不明ですね。

 

 

 

種明かしをしましょう。すべての問題点は、Industrialを「産業」と高橋先生が訳したことにあるのです。ここは「工業(の)」と訳さなければならなかったのです

 

 

「産業」ならば一次産業から三次産業まで、あらゆる業界が含まれます。他方「工業」であれば、原材料から製品を生産する産業部門に限定されます。すると、次のように解釈できます。

 

 

 

 

‘industrial’「産業」   産業 ≒ 人口、運輸、農業、社会構造

 

 

‘industrial’「工業」  工業 <==> 人口、運輸、農業、社会構造

 

 

 

 

再度、高橋訳(’Industrial’=産業)を掲載します。拙訳(’Industrial’=工業)と比較してみてください。

 

 

高橋訳「産業面の変化を人口、運輸、農業、社会構造面の変化と切り離すのは不可能なのであるから、何故に『産業』なのかと言う疑問が出てくるのである」。

 

拙訳 「(工業革命のように)、『工業』部門に限定して論じることも、大いに疑問である。というのは、工業部門の変化は、人口、運輸、農業、社会構造といった諸部門の変化と切り離して論じることは不可能だからだ」。

 

 

 

同様に、’Industrial Revolution’という用語がなぜ不適切なのかを説明するものとして、高橋の要約文(e)(f)(g)は、(e’)(f’)(g’)のように書き換える必要が出てきます。

 

 

 

高橋要約

(e) 産業面の変化は

(f) 社会の全分野の変化と不可分なので

(g) 「産業」も適切ではない。

修正版

(e’) 工業部門の変化(=工業化)は

(f’) 社会の他部門(=人口、運輸、農業など)の変化と不可分なので、

(g’) (工業(革命)のように)、工業部門だけの大きな変化として記述するのは適切ではない。

 

 

どうでしょうか。明晰明瞭になったのではありませんか。

 

 

 

’Industrial’を何故「産業」と訳すようになったのか?

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ところで、’industrial’という言葉に対し、本ブログが指摘するように「工業」と訳すことに対して違和感を覚える方も沢山いるのではないでしょうか?なんといっても,我々日本人の多くは、’Industrial Revolution’を「産業革命」という用語で習ってきたからです。

 

 

また、どの英和辞典を調べても、’Industrial Revolution’には「産業革命」という訳語しか載っていないはずです。

 

 

けれども、ここで既存の知識から自由になって、ちょっとよく考えてみてください。そもそも何故「産業革命」と訳すようになったのでしょうか。

 

 

18-19世紀の、大きく変貌しつつある英国のイメージと言ったら、それこそ、蒸気機関、紡績工場、製鉄工場ではありませんか。つまり、工業技術の驚異的変革と、それに伴う革命的な社会の変化ではないでしょうか。つまり、「工業革命」とか「工業化」と表現するのがむしろ普通の感覚で、「産業革命」と訳すのがむしろ奇異であり、何か意図的なものを感じるべきなのです。

 

 

実は私は、1970年代に、高校の世界史の授業でK先生から教えてもらっていたことを思い出しました。「工業革命」と訳すと、工業部門のみの変化だと誤解される恐れがあるので、工業を含めた全産業の大変化であると示すために、「産業革命」と訳すようになったのだそうです。

 

 

「工業革命」という風に、「工業」面に限定した表現では、実態をとらえたことにならないのでダメであるという議論があったのだとしたら、それはまさに今回の英文、つまり東大の1965年入試でとりあげられた、’Industrial Revolution’への批判の議論も、その潮流の一つであると考えて良いでしょう。

 

 

したがって、次のように推測できます。

 

 

従来の’Industrial Revolution’論には批判があったのです。つまり、工業部門の変革のみに注目し、社会全体の大変貌を見損なっているという訳です。そこで日本の歴史学界や知識人たちは、’Industrial Revolution’という概念を救済するために、その訳出にあたって、「工業革命」ではなく「産業革命」を選んだのでしょう。「産業」革命なのだから、工業中心主義ではないぞ、という解釈です。

 

 

 

他方、今回の英文は、従来のIndustrial Revolutionという概念や認識を否定する立場に立っています。工業中心主義的な歴史認識であると批判し、さらに歴史に即していない革命至上主義的な史観と批判しているのです。
ですから、Industrial Revolutionを擁護する立場の訳語を採用するのではなく、それを否定する立場からIndustrialを訳出しなくてはならないのです。となると、Industrial Revolutionは「工業革命(論)」とするのが一番です。現代の英和辞典には「工業革命」という言葉は掲載されていないかもしれませんが、Industrial は「工業」と訳したほうが良いのです。

 

 

 

もう一度、言いますよ。ここでは、我々はIndustrial Revolutionという認識と概念を否定する英文の書き手の立場に立って、訳していくと良いのです。

「工業革命論(Industrial Revolution)」なんてのは、間違った認識だよね。その実態は、「工業」でもなければ「革命」でもないからね。だって、イギリスで起きた変化は工業だけじゃない。それにフランス革命みたいな、急激な政治的大波乱が起きたわけでもないんだ。

なお、帝国書院(教科書会社)の注釈(クリック)も参考にすると面白いですよ。ここでは、産業革命論のうち、革命史観の否定について、簡単な説明があります。

 

 

今回の教訓

 

偉い先生のもの、あるいは、権威ある辞典であっても、よく理解できない訳語や文を見つけることが時々あります。そのとき、自分の頭が悪いのだと決めつけるのではなく、丁寧に読み取る努力をしてみましょう。意味を理解できないのは、必ずしもあなたが悪いとは限らないのです。

 

 

 

 

参考資料

 

東大入試問題(1965年)

 

次の文を読み、’Industrial Revolution’ という用語が必ずしも適当と考えられない理由を60字から80字までの字数で書け

 

The term ‘Industrial Revolution’ has been a little disparaged lately by historians. When using it, it is prudent to add the qualifying ‘so called’. And though it would clearly be impossible to overrate the coming industrialism, which has transformed the country and moulded the lives of its inhabitants, we know now that the changes were gradual — they had been coming for centuries. Evolution, perhaps, would be a better word than revolution. It is quite impossible to take a date, say 1760, and say here begins the Industrial Revolution’ — and equally unsound to make it end somewhere about 1830 or even 1850. The process of industralization began before the eighteenth century, and has been going on at an increasing rate ever since. And why industrial, it is even asked, since it is impossible to separate changes in industry from changes in population, in transport, in agriculture, and in social structure. Each acted and reacted on the other. Again, though the inter-relation is less direct, the changes in the spirit of the age and in the literary fashion are all connected with the growth of an urban civilization and the increasing command over Nature.

 

 

 

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